TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024065465
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174333
出願日2022-10-31
発明の名称成膜方法および成膜装置
出願人株式会社アルバック
代理人個人,個人
主分類C23C 14/08 20060101AFI20240508BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】クラック発生を抑制し、LiNbO3層の結晶成長を可能とする。
【解決手段】スパッタリング法によりLiNbO3またはLiTaO3からなる圧電体層を基板表面に成膜する方法であって、圧電体層を積層する圧電体層形成工程では、原子比が、
1.5≦Li/Nb≦3
または
1.5≦Li/Ta≦3
の関係式を満たすスパッタリングターゲットを用いるとともに、アノード電極側に基板バイアス電力を印加する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
スパッタリング法によりLiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層を基板表面に成膜する方法であって、
圧電体層を積層する圧電体層形成工程では、
原子比が、
1.5≦Li/Nb≦3
または
1.5≦Li/Ta≦3
の関係式を満たすスパッタリングターゲットを用いるとともに、アノード電極側に基板バイアス電力を印加する、
ことを特徴とする成膜方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記圧電体層と同じ組成を有し結晶方位を所定の面方向に配向した下地層を成膜する下地層形成工程を有し、
前記圧電体層形成工程では、前記下地層に、結晶方位を同じ面方向に配向した前記圧電体層を積層するとともに、前記下地層形成工程に比べてアノード電極側に印加する基板バイアス電力が高い、
ことを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
【請求項3】
前記圧電体層形成工程では、前記下地層形成工程に比べてスパッタリングターゲットに含有されるLiの組成比が多い、
ことを特徴とする請求項2記載の成膜方法。
【請求項4】
前記下地層形成工程で成膜する前記下地層の膜厚が10nm~40nmの範囲である、
ことを特徴とする請求項2記載の成膜方法。
【請求項5】
前記下地層形成工程の前に、バッファ層を成膜するバッファ層形成工程を有し、前記バッファ層により前記下地層の結晶配向方向を規定する、
ことを特徴とする請求項2記載の成膜方法。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか記載の成膜をおこなう装置であって、
前記下地層形成工程をおこなう第1チャンバと、
前記圧電体層形成工程をおこなう第2チャンバと、
を有し、
前記第1チャンバは、基板を支持してアノード電極側となる第1支持部と、前記第1支持部に対向して配置され第1ターゲットを有する第1カソードと、前記第1支持部に基板バイアス電力を供給する第1バイアス電力供給部と、前記第1カソードに電力を供給する第1電力供給部と、スパッタリング時にガスを供給する第1ガス供給部と、
を備え、
前記第2チャンバは、基板を支持してアノード電極側となる第2支持部と、前記第2支持部に対向して配置され第2ターゲットを有する第2カソードと、前記第2支持部に基板バイアス電力を供給する第2バイアス電力供給部と、前記第2カソードに電力を供給する第2電力供給部と、スパッタリング時にガスを供給する第2ガス供給部と、
を備え、
前記第2ターゲットは、前記第1ターゲットに比べて含有されるLiの組成比が多い、
ことを特徴とする成膜装置。
【請求項7】
前記第2バイアス電力供給部は、前記第1バイアス電力供給部に比べて印加する基板バイアス電力が高い、
ことを特徴とする請求項6記載の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は成膜方法および成膜装置に関し、特に圧電体膜の形成方法及び圧電デバイスに用いて好適な技術に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
IoT関連の急速な市場拡大を背景に、通信分野の需要が高まっている。通信接続速度及び通信帯域の向上により、フィルタ性能の向上が求められている。現在、フィルタとしては、FBAR型フィルタ(Film Bulk Acoustic Resonator)やSAW型フィルタ(Surface Acoustic Wave filter)が主流であり、周波数帯で棲み分けられている。FBAR型フィルタとしては、例えば、特許文献1に記載されたバルク音響共振器が知られている。
【0003】
特許文献1に例示されるように、FBAR型フィルタの圧電体膜には、通常、窒化アルミニウム(AlN)が使われている。しかし、最近では、更なる性能向上のために、電気機械結合係数が優れた材料が求められており、ScをドーピングしたAlN(Sc-AlN)の開発が盛んになっている。また、最近では、AlNに代えて、LiNbO

やLiTaO

を用いた圧電体膜の開発も盛んになってきている。
【0004】
LiNbO

は、バルク体を36°回転Yカットした場合に準縦波の電気機械結合係数が最大で約50%を示すとされており、ScをドーピングしたAlN(Sc-AlN)の電気機械結合係数が最大でも20%程度であることから、その潜在的性能の高さが伺える。ただし、LiNbO

は、単結晶における36°回転Yカット方向に相当する方向に配向させることによって電気機械結合係数が最大値を示すものとされているため、LiNbO

よりなる圧電体膜を形成するためには、その配向方向を薄膜形成プロセスにて正確に制御する必要がある。また、LiTaO

についても、36°回転Yカット方向に配向させることによって高い電気機械結合係数が得られるとされているため、LiNbO

の場合と同様に、薄膜形成時に配向方向の制御が必要になる。
【0005】
FBAR型フィルタを構成するためには、基板上に下部電極を形成し、下部電極上に圧電材料からなる圧電体膜を形成し、更にその上に上部電極を形成する必要がある。下部電極の材質は、例えば、モリブデン、ルテニウム、タングステン、イリジウム、白金などが挙げられるが、これらの材質からなる下部電極上にLiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体膜を形成すると、LiNbO

やLiTaO

は単結晶におけるZカット方向に相当する方向であるc軸方向に配向し、36°回転Yカット方向に相当する方向である(012)方向には配向しないため、形成された圧電体膜は高い電気機械結合係数を発揮することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-193168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術では、LiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層が成膜できた場合でも、膜応力が高くなりクラックが発生して、実用に耐えなかった。また、LiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層が成膜できた場合でも、NbまたはTaに比べてLiの比率が低くなり、LiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層の結晶が得られなかった。さらに、電気機械合係数k

が所望の範囲とならない。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.配向制御したLiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層をクラックなしに成膜可能とすること。
2.Liの比率がNbまたはTaに対して低下することを防止して、結晶化したLiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層を成長可能とすること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の一態様にかかる成膜方法は、
スパッタリング法によりLiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層を基板表面に成膜する方法であって、
圧電体層を積層する圧電体層形成工程では、
原子比が、
1.5≦Li/Nb≦3
または
1.5≦Li/Ta≦3
の関係式を満たすスパッタリングターゲットを用いるとともに、アノード電極側に基板バイアス電力を印加する、
ことにより上記課題を解決した。
(2)本発明の成膜方法は、上記(1)において、
前記圧電体層と同じ組成を有し結晶方位を所定の面方向に配向した下地層を成膜する下地層形成工程を有し、
前記圧電体層形成工程では、前記下地層に、結晶方位を同じ面方向に配向した前記圧電体層を積層するとともに、前記下地層形成工程に比べてアノード電極側に印加する基板バイアス電力が高い、
ことができる。
(3)本発明の成膜方法は、上記(2)において、
前記圧電体層形成工程では、前記下地層形成工程に比べてスパッタリングターゲットに含有されるLiの組成比が多い、
ことができる。
(4)本発明の成膜方法は、上記(2)において、
前記下地層形成工程で成膜する前記下地層の膜厚が10nm~40nmの範囲である、
ことができる。
(5)本発明の成膜方法は、上記(2)において、
前記下地層形成工程の前に、バッファ層を成膜するバッファ層形成工程を有し、前記バッファ層により前記下地層の結晶配向方向を規定する、
ことができる。
(6)本発明の他の態様にかかる成膜装置は、
上記(2)から(5)のいずれか記載の成膜をおこなう装置であって、
前記下地層形成工程をおこなう第1チャンバと、
前記圧電体層形成工程をおこなう第2チャンバと、
を有し、
前記第1チャンバは、基板を支持してアノード電極側となる第1支持部と、前記第1支持部に対向して配置され第1ターゲットを有する第1カソードと、前記第1支持部に基板バイアス電力を供給する第1バイアス電力供給部と、前記第1カソードに電力を供給する第1電力供給部と、スパッタリング時にガスを供給する第1ガス供給部と、
を備え、
前記第2チャンバは、基板を支持してアノード電極側となる第2支持部と、前記第2支持部に対向して配置され第2ターゲットを有する第2カソードと、前記第2支持部に基板バイアス電力を供給する第2バイアス電力供給部と、前記第2カソードに電力を供給する第2電力供給部と、スパッタリング時にガスを供給する第2ガス供給部と、
を備え、
前記第2ターゲットは、前記第1ターゲットに比べて含有されるLiの組成比が多い、
ことができる。
(7)本発明の成膜装置は、上記(6)において、
前記第2バイアス電力供給部は、前記第1バイアス電力供給部に比べて印加する基板バイアス電力が高い、
ことができる。
【0010】
(1)本発明の一態様にかかる成膜方法は、
スパッタリング法によりLiNbO

またはLiTaO

からなる圧電体層を基板表面に成膜する方法であって、
圧電体層を積層する圧電体層形成工程では、
原子比が、
1.5≦Li/Nb≦3
または
1.5≦Li/Ta≦3
の関係式を満たすスパッタリングターゲットを用いるとともに、アノード電極側に基板バイアス電力を印加する、
ことにより上記課題を解決した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

三洋化成工業株式会社
防錆剤
7か月前
個人
高周波プラズマCVD装置
7か月前
個人
熱フィラメントCVD装置
4か月前
株式会社Gaianixx
成膜装置
8日前
メック株式会社
銅のエッチング剤
23日前
東レエンジニアリング株式会社
成膜装置
4か月前
株式会社アイセロ
防錆フィルム
2か月前
個人
ダイヤモンド合成用プラズマCVD装置
7日前
株式会社三井E&S
腐食防止方法
7か月前
株式会社神戸製鋼所
アーク蒸発源
1か月前
株式会社アルバック
成膜方法
6か月前
マークテック株式会社
脱脂洗浄剤
6か月前
株式会社アルバック
基板処理装置
4か月前
マシン・テクノロジー株式会社
蒸発装置
4か月前
日東電工株式会社
銅層付フィルム
9日前
東ソー株式会社
ルテニウム含有薄膜の製造方法
5か月前
有限会社湘南技研
攪拌装置及び蒸着装置
7か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置
6か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置
5か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置
5か月前
株式会社東設
無電解めっき装置
7か月前
九州瑞穂株式会社
接合型金属部品の製造方法
8か月前
株式会社川本製作所
ポンプ
今日
東京エレクトロン株式会社
基板処理装置
7か月前
株式会社極東窒化研究所
鉄製の調理器具
6か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
8日前
東京エレクトロン株式会社
基板処理装置
3か月前
北川工業株式会社
導電反射膜
2か月前
住友重機械工業株式会社
加熱装置
7か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
1か月前
TOPPANホールディングス株式会社
エッチング装置
3か月前
個人
高周波プラズマCVDによるダイヤモンド形成装置
7か月前
株式会社神戸製鋼所
改質金属材の製造方法
3か月前
個人
高周波プラズマCVDによるダイヤモンド形成装置
7か月前
個人
高周波プラズマCVDによるダイヤモンド形成装置
8か月前
株式会社ベル・トレーディング
金属洗浄剤
4か月前
続きを見る