TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023156828
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-25
出願番号2022066422
出願日2022-04-13
発明の名称接合型金属部品の製造方法
出願人九州瑞穂株式会社
代理人個人
主分類C23F 1/00 20060101AFI20231018BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品であっても、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことを可能とする接合型金属部品の製造方法を提供する。
【解決手段】超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材3を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品に対して、接合部材4を非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材3を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造する接合型金属部品の製造方法であって、前記接合部材を非溶出性素材で被覆した上で、前記超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うことを特徴とする接合型金属部品の製造方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記超硬合金製部材に対する前記接合部材の接合方法は、材料的接合、化学的接合、または機械的接合によるものであることを特徴とする請求項1記載の接合型金属部品の製造方法。
【請求項3】
前記金属結合相のみを選択エッチングする際の金属結合相の欠乏深さは、超硬合金母体の組成と、その超硬合金母体を接合型金属部品に加工して金属結合相を選択腐食した後で上面から特性X線分析で計測した組成と、選択腐食された金属結合相の欠乏領域で硬質粒子間にわずかに残存する金属結合相の組成と、特性X線分析で特性X線が放出されることにより計測される分析深さの4つの情報から算出することを特徴とする請求項1または2記載の接合型金属部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造する接合型金属部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
切断工具として用いられる超硬工具の特性の向上に関して、近年、硬質粒子相と金属結合相からなる超硬合金のうち、金属結合相を工具表面から除去し、硬質粒子相のみをその表面に残して工具として使用することによって、耐摩耗性、耐凝着性等の特性が向上することが、特許文献1において報告されている。
【0003】
この金属結合相の除去に際して、化学エッチングや物理エッチングがその手段として用いられる。例えば特許文献2では、王水や硝酸溶液での表面金属結合相の除去プロセスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2019/065677号公報
特開2019-206754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、特許文献2に記載されているプロセスを、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品に適用しようとすると、イオン化傾向の差により、イオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材のみエッチングが進んで、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の腐食が進まないという事態が発生する。
【0006】
例えば、金属線の線引きプロセスにおいて、外径保持リングとして用いられる鉄合金と、内径超硬合金製ダイスが篏合されている複合ダイスにおいて、内径の超硬合金をエッチングしようとすると、イオン化傾向の差により、外径の鉄合金製リングのみエッチングが進み、内径の超硬合金中の金属結合相の腐食が進まないこととなる。
【0007】
このような状況下では、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことができず、超硬合金製部材を構成要素とする接合型金属部品について、耐摩耗性、耐凝着性等の特性の向上を実現することができない。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品であっても、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことを可能として、耐摩耗性、耐凝着性等の特性の向上を実現することが可能な接合型金属部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、本発明は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造する接合型金属部品の製造方法であって、前記接合部材を非溶出性素材で被覆した上で、前記超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うことを特徴とする接合型金属部品の製造方法である。
【0010】
超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を、非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うことにより、イオン化傾向の差により、イオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材のみエッチングが進んで、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の腐食が進まないという事態が発生することを防止できる。そのため、耐摩耗性、耐凝着性等の特性を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

九州瑞穂株式会社
すべり電極の製造方法
11か月前
個人
マイクロ波プラズマCVD装置
1か月前
個人
マイクロ波プラズマCVD装置
2か月前
株式会社Gaianixx
成膜装置
3か月前
メック株式会社
銅のエッチング剤
3か月前
個人
ダイヤモンド合成用プラズマCVD装置
3か月前
株式会社アイセロ
防錆フィルム
5か月前
株式会社昭和真空
成膜装置
1か月前
日東電工株式会社
銅層付フィルム
3か月前
株式会社神戸製鋼所
アーク蒸発源
4か月前
株式会社レゾナック
成膜装置
2か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜方法
1か月前
三浦工業株式会社
蒸気ボイラ装置用水処理剤
2か月前
トヨタ自動車株式会社
部材及びその製造方法
2か月前
株式会社カネカ
気化装置及び蒸着装置
23日前
株式会社アルバック
真空蒸着方法
9日前
株式会社川本製作所
ポンプ
3か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
2か月前
東京エレクトロン株式会社
基板処理方法
9日前
住友重機械工業株式会社
成膜装置
2か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
3か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
4か月前
クアーズテック合同会社
半導体熱処理部材
2か月前
AGC株式会社
マグネトロンスパッタ装置
3か月前
伯東株式会社
冷却水系に設けられた金属の腐食抑制方法
1か月前
マクセル株式会社
部分めっき部品の製造方法
1か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置および成膜方法
5か月前
上村工業株式会社
めっき析出状況の測定装置
26日前
マクセル株式会社
部分メッキ部品の製造方法
2か月前
株式会社アルバック
成膜方法および成膜装置
4か月前
北京科技大学
溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法
23日前
ノリタケ株式会社
添加剤および金属の製造方法
1か月前
株式会社サンギ
膜形成装置
2か月前
学校法人関東学院
無電解ニッケルめっき浴の再生方法
9日前
株式会社アルバック
真空蒸着装置用の蒸着源
27日前
株式会社クラフト
膜厚調整装置及び加飾容器の製造方法
2か月前
続きを見る