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公開番号2024090480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206426
出願日2022-12-23
発明の名称蒸気ボイラ装置用水処理剤
出願人三浦工業株式会社
代理人個人
主分類C23F 11/06 20060101AFI20240627BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】ボイラ給水が導電性成分濃度の高い高腐食性水質であっても、蒸気ボイラ装置の缶体の腐食を全面腐食および局部的腐食の両方について抑制する。
【解決手段】蒸気ボイラ装置の缶体に貯えられたボイラ水に対してクエン酸系化合物およびタンニン酸からなる群から選択された少なくとも一つの酸系成分とポリマレイン酸とを添加する。ここで、ボイラ水に含まれる酸系成分の分量(但し、酸系成分がクエン酸系化合物を含む場合、クエン酸系化合物についてはクエン酸無水物換算での分量)とポリマレイン酸の分量との合計量における酸系成分の割合が60~80質量%に設定されかつポリマレイン酸の割合が40~20質量%に設定されるよう、ボイラ水に対する酸系成分およびポリマレイン酸のそれぞれの添加量を制御する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
蒸気ボイラ装置の缶体に貯えられたボイラ水に対して添加される、前記缶体の腐食を抑制するための水処理剤であって、
クエン酸系化合物およびタンニン酸からなる群から選択された少なくとも一つの酸系成分とポリマレイン酸とを含み、
前記酸系成分の分量(但し、前記酸系成分がクエン酸系化合物を含む場合、当該クエン酸系化合物についてはクエン酸無水物換算での分量)と前記ポリマレイン酸の分量との合計量における前記酸系成分の割合が60~80質量%に設定されかつ前記ポリマレイン酸の割合が40~20質量%に設定されている、
蒸気ボイラ装置用水処理剤。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記ボイラ水のpH調整剤および脱酸素剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の蒸気ボイラ装置用水処理剤。
【請求項3】
蒸気ボイラ装置の缶体に貯えられたボイラ水により前記缶体が腐食するのを抑制するための方法であって、
前記ボイラ水に対してクエン酸系化合物およびタンニン酸からなる群から選択された少なくとも一つの酸系成分とポリマレイン酸とを添加する工程を含み、
前記ボイラ水に含まれる前記酸系成分の分量(但し、前記酸系成分がクエン酸系化合物を含む場合、当該クエン酸系化合物についてはクエン酸無水物換算での分量)と前記ポリマレイン酸の分量との合計量における前記酸系成分の割合が60~80質量%に設定されかつ前記ポリマレイン酸の割合が40~20質量%に設定されるよう、前記ボイラ水に対する前記酸系成分および前記ポリマレイン酸のそれぞれの添加量を制御する、
蒸気ボイラ装置缶体の腐食抑制方法。
【請求項4】
前記ボイラ水に対して前記ボイラ水のpH調整剤および脱酸素剤のうちの少なくとも一つをさらに添加する、請求項3に記載の蒸気ボイラ装置缶体の腐食抑制方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気ボイラ装置用水処理剤、特に、蒸気ボイラ装置の缶体に貯えられたボイラ水に対して添加される、当該缶体の腐食を抑制するための水処理剤に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
鋼材を用いて形成された缶体に貯留したボイラ水を加熱することで蒸気を生成する蒸気ボイラ装置は、運転期間の長期化により缶体に腐食が生じるおそれがある。この腐食は、主に、ボイラ水に含まれる溶存酸素の影響、ボイラ水の濃縮に伴う塩化物イオンや硫酸イオンなどの導電性成分の高濃度化およびボイラ水のpHの低下(一般にはpHが11未満になること。)を原因として進行するものと考えられている。缶体に生じる腐食は、全面腐食と局部的腐食の二種類に分類される。全面腐食は、ボイラ水と接触している缶体の内面の全面に均等に進行して缶体の厚さ方向の減肉をもたらす腐食であり、緩慢に進行する。局部的腐食は、缶体の一部において局部的に生じる腐食であり、全面腐食よりも短時間のうちに進行する。特に、局部的腐食は、ボイラ水と接触する缶体の内面から厚さ方向に向かう孔状の腐食(孔食)として現れることから缶体を穿孔させやすいものであり、缶体に対して短時間のうちに致命的な損壊をもたらす可能性がある。
【0003】
そこで、蒸気ボイラ装置の運転では、ボイラ水に対して水処理剤を添加し、缶体の腐食の抑制が試みられている。特許文献1は、このような水処理剤としてケイ酸やケイ酸塩などのシリカ成分とpH調整剤とを含むものを開示している。この水処理剤は、pH調整剤によりボイラ水のpHを缶体の腐食が生じにくい領域へ高めることができるとともにシリカ成分により缶体の内面に防食皮膜を形成可能であり、全面腐食および局部的腐食の両種類の腐食を抑制可能なものと考えられる。
【0004】
しかし、ボイラ水の水質は、給水の水質により変動し得る。上述の水処理剤は、給水の水質にかかわらず、防食皮膜の形成により全面腐食を抑制可能である一方、導電性成分濃度等が高い高腐食性水質の給水を用いた場合において局部的腐食の抑制効果が不十分になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-159597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ボイラ給水が導電性成分濃度の高い高腐食性水質であっても、蒸気ボイラ装置の缶体の腐食を全面腐食および局部的腐食の両方について抑制できるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、蒸気ボイラ装置の缶体に貯えられたボイラ水に対して添加される、蒸気ボイラ装置の缶体の腐食を抑制するための水処理剤に関するものである。この水処理剤は、クエン酸系化合物およびタンニン酸からなる群から選択された少なくとも一つの酸系成分とポリマレイン酸とを含み、酸系成分の分量(但し、酸系成分がクエン酸系化合物を含む場合、当該クエン酸系化合物についてはクエン酸無水物換算での分量)とポリマレイン酸の分量との合計量における酸系成分の割合が60~80質量%に設定されかつポリマレイン酸の割合が40~20質量%に設定されている。
【0008】
本発明の水処理剤は、例えば、ボイラ水のpH調整剤および脱酸素剤のうちの少なくとも一つをさらに含んでいてもよい。
【0009】
他の観点に係る本発明は、蒸気ボイラ装置の缶体に貯えられたボイラ水により蒸気ボイラ装置の缶体が腐食するのを抑制するための方法に関するものである。この方法は、ボイラ水に対してクエン酸系化合物およびタンニン酸からなる群から選択された少なくとも一つの酸系成分とポリマレイン酸とを添加する工程を含み、ボイラ水に含まれる酸系成分の分量(但し、酸系成分がクエン酸系化合物を含む場合、クエン酸系化合物についてはクエン酸無水物換算での分量)とポリマレイン酸の分量との合計量における酸系成分の割合が60~80質量%に設定されかつポリマレイン酸の割合が40~20質量%に設定されるよう、ボイラ水に対する酸系成分およびポリマレイン酸のそれぞれの添加量を制御する。
【0010】
本発明の方法は、例えば、ボイラ水に対してボイラ水のpH調整剤および脱酸素剤のうちの少なくとも一つをさらに添加してもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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