TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024126873
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035583
出願日2023-03-08
発明の名称アルミニウム箔
出願人東洋アルミニウム株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C23C 22/68 20060101AFI20240912BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】表皮効果が得られる深さよりも小さい高さの凹凸構造を樹脂基材表面に付与することができるアルミニウム箔、該アルミニウム箔の製造方法、該アルミニウム箔と樹脂基材との積層体の製造方法、及び樹脂基材の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔は、少なくとも一方の表面に設けられた凹凸構造を有するアルミニウム箔であって、前記表面をAFMで観察したときに、大きさ5μm×5μm、解像度256×256ピクセルの第1矩形視野において、表面粗度Saは15nm以上50nm以下、表面粗度SzJISは150nm以上400nm以下、5μm長さでカウントしたピークの数が25以上であり、前記表面をレーザ顕微鏡で観察したときに、大きさ95μm×71μm、解像度1024×768ピクセルの第2矩形視野において、表面粗度Saは30nm以下であり、表面粗度Szは600nm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一方の表面に設けられた凹凸構造を有するアルミニウム箔であって、
前記表面をAFMで観察したときに、大きさ5μm×5μm、解像度256×256ピクセルの第1矩形視野において、
表面粗度Saは15nm以上50nm以下、
表面粗度SzJISは150nm以上400nm以下、
5μm長さでカウントしたピークの数が25以上であり、
前記表面をレーザ顕微鏡で観察したときに、大きさ95μm×71μm、解像度1024×768ピクセルの第2矩形視野において、
表面粗度Saは30nm以下であり、
表面粗度Szは600nm以下である
ことを特徴とするアルミニウム箔。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記アルミニウム箔は、アルミニウムを母相とする基材層と、該基材層の表面に設けられた前記凹凸構造を構成する表面層と、を備えており、
前記基材層の前記表面に存在する第二相粒子の面積率は0.1%以下である
ことを特徴とするアルミニウム箔。
【請求項3】
請求項1において、
前記アルミニウム箔は、アルミニウムを母相とする基材層と、該基材層の表面に設けられた前記凹凸構造を構成する表面層と、を備えており、
前記基材層における前記アルミニウムの含有量は99.90質量%以上であり、
前記基材層におけるFeの含有量は0.050質量%以下である
ことを特徴とするアルミニウム箔。
【請求項4】
請求項1において、
前記凹凸構造は、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの少なくとも一方からなる針状結晶により構成される
ことを特徴とするアルミニウム箔。
【請求項5】
請求項1において、
前記アルミニウム箔は、樹脂基材の表面に凹凸構造を付与するためのものである
ことを特徴とするアルミニウム箔。
【請求項6】
請求項1において、
前記ピークの数は、前記AFMの3つの前記第1矩形視野の各々における3つの幅方向の断面プロファイルの各々においてカウントした閾値0nmを超えるピークの数の平均値である
ことを特徴とするアルミニウム箔。
【請求項7】
請求項1において、
前記アルミニウム箔は、アルミニウムを母相とする基材層と、該基材層の表面に設けられた前記凹凸構造を構成する表面層と、を備えており、
前記基材層の前記表面層が設けられる表面の前記第2矩形視野における表面粗度Saは20nm以下、表面粗度Szは250nm以下である
ことを特徴とするアルミニウム箔。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のアルミニウム箔の製造方法であって、
前記アルミニウム箔は、アルミニウムを母相とする基材層と、該基材層の表面に設けられた前記凹凸構造を構成する表面層と、を備えており、
前記基材層を構成する箔状のアルミニウム基材を準備する準備工程と、
前記アルミニウム基材の表面に前記表面層を形成する表面処理工程と、を備え、
前記アルミニウム基材の表面において、前記第2矩形視野における表面粗度Saは20nm以下、表面粗度Szは250nm以下である
ことを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のアルミニウム箔と樹脂基材との積層体の製造方法であって、
前記アルミニウム箔における前記凹凸構造を有する前記表面に、前記樹脂基材の表面を接触させて、該樹脂基材を構成する樹脂材料の軟化点又はガラス転移点以上の温度下において圧力を加える
ことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載のアルミニウム箔における前記凹凸構造を有する前記表面に、樹脂基材の表面を接触させた状態で、該樹脂基材を構成する樹脂材料の軟化点又はガラス転移点以上の温度下で圧力を加えてアルミニウム層と樹脂層よりなる積層体を得る工程と、
前記積層体のアルミニウム層を除去し、前記アルミニウム箔の凹凸構造の形状が前記表面に転写されてなる樹脂基材を得る工程と、を備えた
ことを特徴とする樹脂基材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、アルミニウム箔、該アルミニウム箔の製造方法、該アルミニウム箔と樹脂基材との積層体の製造方法、及び樹脂基材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電気電子分野では、半導体パッケージ基板及びプリント配線基板の基材として樹脂基材が幅広く使用されている。樹脂基材では、その表面に積層される他の金属や他の樹脂との十分な密着性を得るために、該表面に凹凸構造を設けることが知られている。半導体パッケージ基板及びプリント配線基板の回路形成工法としては、近年高集積化に伴い、例えば、以下の3つの回路形成工法が注目されている。すなわち、(1)極薄銅箔を給電層としてパターン銅めっきを施し、最後に極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去し配線形成する回路形成工法、(2)プリプレグやビルドアップフィルムを真空プレス等で硬化させ、その表面を粗面化し、基材面に適切な凹凸を形成させることで、信頼性のある微細配線を形成する回路形成工法、(3)銅箔表面プロファイルを基材表面に転写させ、基材表面に適切な凹凸を形成させることで、信頼性のある微細配線を形成する回路形成工法である。これらの工法は一般的にSAP工法(セミアディティブ工法)と呼ばれる。
【0003】
例えば特許文献1には、上記(3)の銅箔表面のプロファイルを用いたSAP工法の一例が開示されている。表面層表面の面粗さSzが所定範囲に制御された表面処理銅箔を用い、回路を形成する基材上に当該表面処理銅箔を貼り合わせた後、除去することで、微細配線形成性を維持し、且つ、無電解銅めっき皮膜の良好な密着力を実現する銅箔除去後基材面のプロファイル形状を与えることができる表面処理銅箔である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5963824号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年、半導体パッケージ基板及びプリント配線基板には、更なる高集積化に伴い、例えば幅2μmの配線を形成する等、更なる微細配線化が求められている。
【0006】
また、通信量や通信速度の観点から、より高周波数帯の電磁波を使用する傾向が高まっている。高周波数帯の電磁波の使用は、回路を通る電気信号がより表面付近に集中する表皮効果を伴う。例えば周波数帯が5GHzの場合、銅の導体では、導体表層から約0.9μmの深さの領域で集中的に電流が流れる。一方、周波数帯が20GHzの場合、導体表層から約0.5μmの深さの領域で集中的に電流が流れる。よって、回路が形成される樹脂基材の表面には、回路との十分な密着性を確保しつつ、上記表皮効果が得られる深さよりも小さい高さの凹凸構造を付与する必要がある。
【0007】
そこで本開示では、表皮効果が得られる深さよりも小さい高さの凹凸構造を樹脂基材表面に付与することができるアルミニウム箔、該アルミニウム箔の製造方法、該アルミニウム箔と樹脂基材との積層体の製造方法、及び樹脂基材の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、表面に積層される様々な樹脂基材に対して、巨視的には十分な平滑性を有しながら、微視的には樹脂基材と該樹脂基材に積層される材料との間で十分な密着性を確保可能な凹凸構造を該樹脂基材に付与できるアルミニウム箔を発明するに至った。
【0009】
すなわち、ここに開示するアルミニウム箔の一態様は、
少なくとも一方の表面に設けられた凹凸構造を有するアルミニウム箔であって、
前記表面をAFMで観察したときに、大きさ5μm×5μm、解像度256×256ピクセルの第1矩形視野において、
表面粗度Saは15nm以上50nm以下、
表面粗度SzJISは150nm以上400nm以下、
5μm長さでカウントしたピークの数が25以上であり、
前記表面をレーザ顕微鏡で観察したときに、大きさ95μm×71μm、解像度1024×768ピクセルの第2矩形視野において、
表面粗度Saは30nm以下であり、
表面粗度Szは600nm以下である
ことを特徴とする。
【0010】
本構成では、アルミニウム箔の少なくとも一方の表面に凹凸構造が設けられているから、この凹凸構造が表面に転写された樹脂基材は、該表面に積層される他の材料と、十分な物理的密着性を得ることができ、高い剥離強度を有することができる。特に、本構成のアルミニウム箔の凹凸構造は、第1矩形視野において上記範囲の表面粗度Sa、SzJISを備えるから、微視的には上記密着性を十分に担保し得る形状の凹凸構造を有している。一方、本構成のアルミニウム箔の表面は、第2矩形視野では上記範囲の表面粗度Sa、Szを備えるから、巨視的には十分な平滑性を有している。すなわち、本構成のアルミニウム箔によれば、表皮効果が得られる深さよりも小さい高さの凹凸構造を樹脂基材表面に付与することができるから、該樹脂基材と他の材料との間の十分な密着性を確保しつつ、表皮効果に起因する伝送ロスを十分に抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社Gaianixx
成膜装置
3か月前
個人
マイクロ波プラズマCVD装置
2か月前
個人
マイクロ波プラズマCVD装置
1か月前
メック株式会社
銅のエッチング剤
3か月前
個人
ダイヤモンド合成用プラズマCVD装置
3か月前
日東電工株式会社
銅層付フィルム
3か月前
株式会社昭和真空
成膜装置
28日前
株式会社神戸製鋼所
アーク蒸発源
4か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜方法
1か月前
株式会社レゾナック
成膜装置
2か月前
三浦工業株式会社
蒸気ボイラ装置用水処理剤
2か月前
トヨタ自動車株式会社
部材及びその製造方法
2か月前
株式会社川本製作所
ポンプ
3か月前
株式会社アルバック
真空蒸着方法
4日前
株式会社カネカ
気化装置及び蒸着装置
18日前
住友重機械工業株式会社
成膜装置
2か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
3か月前
東京エレクトロン株式会社
基板処理方法
4日前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
4か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
1か月前
クアーズテック合同会社
半導体熱処理部材
2か月前
AGC株式会社
マグネトロンスパッタ装置
2か月前
伯東株式会社
冷却水系に設けられた金属の腐食抑制方法
1か月前
北京科技大学
溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法
18日前
マクセル株式会社
部分めっき部品の製造方法
1か月前
上村工業株式会社
めっき析出状況の測定装置
21日前
株式会社アルバック
成膜方法および成膜装置
4か月前
マクセル株式会社
部分メッキ部品の製造方法
2か月前
株式会社サンギ
膜形成装置
2か月前
学校法人関東学院
無電解ニッケルめっき浴の再生方法
4日前
ノリタケ株式会社
添加剤および金属の製造方法
29日前
株式会社クラフト
膜厚調整装置及び加飾容器の製造方法
2か月前
株式会社アルバック
真空蒸着装置用の蒸着源
22日前
株式会社アルバック
真空蒸着装置用の蒸着源
22日前
株式会社アルバック
真空蒸着装置用の蒸着源
22日前
大阪富士工業株式会社
ボイラー管のリコート方法
3か月前
続きを見る