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公開番号2024129966
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039402
出願日2023-03-14
発明の名称ころ軸受用保持器、保持器付きころおよびころ軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/46 20060101AFI20240920BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】外径案内で使用されるころ軸受用保持器において、その外径案内面の摩耗を効果的に抑制する。
【解決手段】ころ軸受用保持器1の柱部3の軸方向中央部に外径案内面7を設けるとともに、その外径案内面7と柱部3の一方の周方向側面3aとに開口する凹部8を設け、その凹部8は柱部3の周方向側面3aの開口量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成した。これにより、柱部3の凹部8に流入した潤滑油が柱部3の周方向側面3aへ流出しにくくなって、柱部3の外径案内面7に十分な潤滑油が供給されて保持されるようになり、外径案内面7の摩耗を効果的に抑制することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に複数配置されるリム部(2)と、互いに対向するリム部(2)同士の間で軸方向に延びて、そのリム部(2)同士を連結する複数の柱部(3)とを備え、前記リム部(2)と前記柱部(3)とによってころ(10)を保持するためのポケット(4)が複数形成されているころ軸受用保持器(1)において、
前記柱部(3)の軸方向中央部に外径案内面(7)が設けられるとともに、その外径案内面(7)と柱部(3)の一方の周方向側面(3a)とに開口する凹部(8)が設けられており、
前記柱部(3)の凹部(8)は、前記柱部(3)の周方向側面(3a)の開口量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成されていることを特徴とするころ軸受用保持器(1)。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記柱部(3)の凹部(8)は、径方向凹み量が周方向の奥側から前記柱部(3)の周方向側面(3a)に向かうに従って大きくなり、かつ径方向凹み量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成されている請求項1に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項3】
前記柱部(3)の凹部(8)の内壁は、前記外径案内面(7)と滑らかに連続している請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項4】
前記柱部(3)の凹部(8)の内壁は、前記柱部(3)の周方向側面(3a)と滑らかに連続しており、かつ、前記凹部(8)は、角のない滑らかな凹曲面状の断面形状を有する請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項5】
前記各リム部(2)にもそれぞれ外径案内面(5)が設けられている請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項6】
請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)と、前記ころ軸受用保持器(1)のポケット(4)に保持されるころ(10)とを備えた保持器付きころ。
【請求項7】
請求項6に記載の保持器付きころと、前記ころ(10)が転接する軌道輪(11、12)とを備えたころ軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、針状ころ等のころを保持するころ軸受用保持器と、その保持器を用いた保持器付きころおよびころ軸受に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ころ軸受用保持器(以下、単に「保持器」とも称する。)には、自動車の自動変速機の遊星ギヤや、内燃機関のコンロッド等、公転回転により高い加速度を受ける部品を回転自在に支持する保持器付きころあるいはころ軸受に組み込まれて、外径案内で使用されるものがある。
【0003】
このような保持器の一般的な構造を図8および図9に示す。この保持器51は、軸方向に配置された2つの円環状のリム部52を、両リム部52同士の間で軸方向に延びる複数の柱部53で連結し、そのリム部52と柱部53とによって形成される複数のポケット54のそれぞれに、ころ(図示省略)を転動自在に収容して保持するようになっている。そして、この保持器51を用いた保持器付きころが支持する部品(図示省略、以下「支持部品」と称する。)が加速度を受けたときには、この保持器51のリム部52の外周面および柱部53のリム部52との接続部と軸方向中央部の外面が、それぞれ外径案内面55、56、57として支持部品の内径面に押し付けられながら回転する。このため、その外径案内面55、56、57が摩耗しやすいという問題がある。
【0004】
これに対し、特許文献1では、保持器の柱部の軸方向両端部にポケットに向かって突出するように設けられた一対の突部(ころの保持器外径側への離脱を阻止するためのもの)の外面を、外径案内面となるリム部の外周面および柱部の一対の突部間の領域の外面よりも内径側に位置するように形成することが提案されており、これにより、外径案内面と支持部品の内径面の間への潤滑油の供給量が増加し、外径案内面の摩耗の抑制が図れるとしている。
【0005】
また、特許文献2では、保持器の柱部の軸方向両端部の外面と周方向側面との境界部分に、外径案内面となるリム部の外周面および柱部の軸方向両端部の周方向中央領域の外面よりも内径側に位置する面だらし部を形成して、外径案内面の潤滑性の向上を図ることが提案されている。
【0006】
また、特許文献3では、保持器のリム部の外周面および柱部の軸方向両端部の外面を外径案内面とするだけでなく、図8、9に示した例と同様に、柱部の軸方向中央部にも外径案内面を設け、外径案内面全体の接触面積を大きくして、外径案内面と支持部品の内径面との間に生じる接触圧力を低減するとともに、柱部の軸方向中央部の外径案内面に周方向に延びる潤滑溝を設けて、潤滑油の流れを容易にすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-020438号公報
特開2000-240662号公報
特開2010-286117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1、2で提案されている保持器では、柱部の外径案内面の周方向両側の外面と支持部品の内径面との隙間、すなわち外径案内面に供給されるべき潤滑油の導入路が外径案内面に近づくに従って狭くなっていたり、外径案内面との間に段差があったりするため、その導入路に流入した潤滑油が軸方向に流れてしまい、外径案内面に十分な量の潤滑油が保持されなくなって、外径案内面の摩耗を抑制する効果が得られないおそれがある。
【0009】
また、上記特許文献3で提案されている保持器では、柱部の軸方向中央部の外径案内面に設けた潤滑溝が柱部を周方向に貫通しているため、潤滑溝に流入した潤滑油の多くが外径案内面に供給されることなく周方向に流れてしまい、特許文献1、2の場合と同様、外径案内面に潤滑油が保持されにくく、外径案内面の摩耗を十分に抑制できないおそれがある。なお、特許文献3には、潤滑溝の形状や向きは潤滑油の流れを最適化するように設けることができるとの記載があるが、外径案内面の潤滑油保持性や油膜圧力についての考慮を促すような記載はない。
【0010】
そこで、この発明は、外径案内で使用されるころ軸受用保持器と、その保持器を用いた保持器付きころおよびころ軸受において、その保持器の外径案内面の摩耗を効果的に抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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