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公開番号2024128362
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037304
出願日2023-03-10
発明の名称圧電基板の製造方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 30/853 20230101AFI20240913BHJP()
要約【課題】反り量を低減することができる圧電体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の圧電基板の製造方法は、基板上に第1電極を成膜する第1成膜工程と、前記第1成膜工程後、前記第1電極上に、カリウムとナトリウムとニオブとを含む圧電体膜の一部を形成する第2成膜工程と、前記第2成膜工程後、前記圧電体膜の一部を除去する加工工程と、前記加工工程後、カリウムとナトリウムとニオブとを含む圧電体膜の一部を形成する第3成膜工程と、を有し、前記基板は、応力緩和領域を有し、前記加工工程において、前記応力緩和領域に対応する前記圧電体膜を除去する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に第1電極を成膜する第1成膜工程と、
前記第1成膜工程後、前記第1電極上に、カリウムとナトリウムとニオブとを含む圧電体膜の一部を形成する第2成膜工程と、
前記第2成膜工程後、前記圧電体膜の一部を除去する加工工程と、
前記加工工程後、カリウムとナトリウムとニオブとを含む圧電体膜の一部を形成する第3成膜工程と、
を有し、
前記基板は、応力緩和領域を有し、
前記加工工程において、前記応力緩和領域に対応する前記圧電体膜を除去する、圧電基板の製造方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記第1成膜工程と前記第2成膜工程との間に、
前記第1電極上にシード層を成膜する第2成膜工程
を有する、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
【請求項3】
前記加工工程において、前記圧電体膜は、前記圧電体膜上にレーザを照射することで除去される、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
【請求項4】
前記加工工程において、前記圧電体膜は、エッチング処理によって除去される、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
【請求項5】
前記第2成膜工程は、
前記第1電極上に前駆体溶液を塗布して圧電体膜を成膜する塗布工程と、
圧電体膜を乾燥する乾燥工程と、
圧電体膜を脱脂する脱脂工程と、
圧電体膜を焼成する焼成工程と、
を備える、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
【請求項6】
前記第2成膜工程は、
前記第1電極上に前駆体溶液を塗布して圧電体膜を成膜する塗布工程と、
圧電体膜を乾燥する乾燥工程と、
圧電体膜を脱脂する脱脂工程と、
を備え、
前記加工工程後に、
圧電体膜を焼成する焼成工程を備える、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
【請求項7】
前記第2成膜工程は、
前記第1電極上に前駆体溶液を塗布して圧電体膜を成膜する塗布工程と、
圧電体膜を乾燥する乾燥工程と、
を備え
前記加工工程後に、
圧電体膜を脱脂する脱脂工程と、圧電体膜を焼成する焼成工程と、を備える、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
【請求項8】
前記第2成膜工程は、
前記第1電極上に前駆体溶液を塗布して圧電体膜を成膜する塗布工程と、
圧電体膜を乾燥する乾燥工程と、
圧電体膜を脱脂する脱脂工程と、
圧電体膜を焼成する焼成工程と、
を、順に繰り返し実施する積層工程を備え、
前記積層工程のうち、最後の焼成工程を実施しない、請求項1に記載の圧電基板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
圧電基板は、一般に、基板と、電気機械変換特性を有する圧電体層と、圧電体層を挟持する2つの電極層と、を有している。このような圧電基板を駆動源として用いたデバイス(圧電素子応用デバイス)の開発が、近年、盛んに行われている。圧電素子応用デバイスの一つとして、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッド、圧電MEMS素子に代表されるMEMS要素、超音波センサ等に代表される超音波測定装置、更には、圧電アクチュエーター装置等がある。
【0003】
圧電基板の圧電体層の材料(圧電材料)として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が知られている。しかし近年は、環境負荷低減の観点から、鉛の含有量を抑えた非鉛系の圧電材料の開発が進められている。
【0004】
特許文献1には、シリコン基板上に、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム薄膜がスパッタリング法を用いて成膜され、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム薄膜の内部応力が1.6GPa以下とされた圧電性薄膜素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-29591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧電基板は、材料の異なる基板、電極層、および圧電体層が積層されて製造される。そのため、熱処理等による温度変化が生じると、それぞれの熱膨張係数の違いから、熱応力によって圧電基板全体の反りが発生する問題があった。また、反り量が大きくなると、圧電基板、特に圧電体層にクラックが発生したり、基板と圧電体層との間で層間剥離が発生したりするなどの問題が生じるおそれがあった。
【0007】
このような問題に対し、特許文献1では、成膜条件を制御することで圧電体層内の内部応力を低減し、熱応力による圧電基板の反り量を低減することが開示されている。しかし、シリコン基板(ウェハ)の直径が大きくなると、同じ直径であっても基板の反り量が大きくなり、結果、パターニング用マスクの位置ずれが生じたり、製造装置がウェハを十分に把持できない場合が生じたりと、生産性が劣化するおそれがあった。
【0008】
このような事情から、熱応力による基板全体の反り量を低減することが可能な圧電基板が求められている。
【0009】
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載された圧電アクチュエーターに用いられる圧電基板に限定されず、他の圧電素子応用デバイスに用いられる圧電基板においても同様に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、基板上に第1電極を成膜する第1成膜工程と、前記第1成膜工程後、前記第1電極上に、カリウムとナトリウムとニオブとを含む圧電体膜の一部を形成する第2成膜工程と、前記第2成膜工程後、前記圧電体膜の一部を除去する加工工程と、前記加工工程後、カリウムとナトリウムとニオブとを含む圧電体膜の一部を形成する第3成膜工程と、を有し、前記基板は、応力緩和領域を有し、前記加工工程において、前記応力緩和領域に対応する前記圧電体膜を除去する、圧電素子の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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