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公開番号2024126369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034696
出願日2023-03-07
発明の名称電圧測定装置および電圧測定方法
出願人三菱電機株式会社
代理人個人
主分類G01R 15/24 20060101AFI20240912BHJP(測定;試験)
要約【課題】直流計測を実現する電圧測定装置において、急峻な電圧が印加された場合でも電圧を正確に測定できる電圧測定装置を得ること。
【解決手段】電圧測定装置は、センサ部と投受光部と信号処理部とを備える。センサ部は、第1端面と第2端面との間を伝搬する2つの偏光成分に位相差を生じさせる電気光学結晶を含む。投受光部は、光源と、偏光状態が変化した成分の光を検出する光検出器と、を含む。信号処理部は、高圧導体に印加されている電圧を求める。電気光学結晶は、第1端面が高圧導体に電気的に接触し、第2端面が接地導体に電気的に接触する。センサ部は、絶縁物を介して接地導体に埋設された電圧測定電極を有する。信号処理部は、電気光学結晶の電歪効果の影響が収まるまでの時間、電圧測定電極の信号に基づいて高圧導体に印加されている電圧を求め、それ以外の時間では、光検出器で検出される信号に基づいて高圧導体に印加されている電圧を求める。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
測定対象と同電位の高圧導体へ向けられた第1端面と、前記第1端面とは反対側の接地導体へ向けられた第2端面と、を有し、前記第1端面と前記第2端面との間を伝搬する光のうち振動方向が互いに直交する2つの偏光成分に、前記第1端面と前記第2端面との間において作用する電界の強さに応じた位相差を生じさせる電気光学結晶を含むセンサ部と、
前記光を出力する光源と、前記電気光学結晶について、前記電気光学結晶から出射された光に含まれる成分であって、前記第1端面と前記第2端面との間を伝搬したことによって偏光状態が変化した成分の光を検出する光検出器と、を含む投受光部と、
前記電気光学結晶に対応する前記光検出器によって検出される信号に基づいて、前記高圧導体に印加されている電圧を求める信号処理部と、
を備え、
前記電気光学結晶は、前記第1端面が前記高圧導体に電気的に接触するとともに、前記第2端面が前記接地導体に電気的に接触し、
前記センサ部は、絶縁物を介して少なくとも一部が前記接地導体に埋設された電圧測定電極を有し、
前記信号処理部は、前記高圧導体に急峻な電圧が印加された場合に、前記電気光学結晶の電歪効果の影響が収まるまでの時間、前記電圧測定電極の信号に基づいて前記高圧導体に印加されている電圧を求め、前記電気光学結晶の前記電歪効果の影響が収まるまでの時間以外の時間では、前記電気光学結晶に対応する前記光検出器によって検出される信号に基づいて前記高圧導体に印加されている電圧を求めることを特徴とする電圧測定装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記信号処理部は、前記電気光学結晶から測定した第1位相差と前記第1位相差の前に測定した第2位相差との差を位相変化量Δθ
13
[°]とし、前記第1位相差を検出した時刻と前記第2位相差を検出した時刻との差をΔt[μsec]とし、ポッケルス係数に依存する比例定数をA[kV/°]とし、前記電気光学結晶に対応する前記光検出器によって検出される信号に基づいて検出された前記位相変化量Δθ
13
が次式(1)を満たす場合に、前記電圧測定電極の信号に基づいて前記高圧導体に印加されている電圧を求めることを特徴とする請求項1に記載の電圧測定装置。
Δθ
13
≧50×Δt/A ・・・(1)
【請求項3】
前記センサ部は、同じ電圧を印加した際に生じる位相差が異なる前記電気光学結晶を複数有することを特徴とする請求項1に記載の電圧測定装置。
【請求項4】
前記センサ部は、前記電気光学結晶の前記第2端面と前記接地導体とが電気的に接続された部分を囲むように配置された電界を緩和するシールド電極をさらに有し、
前記電圧測定電極は、前記シールド電極の内側の前記接地導体に前記絶縁物を介して埋設されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電圧測定装置。
【請求項5】
前記電圧測定電極は、前記電気光学結晶の前記第2端面と前記接地導体とが電気的に接続された部分を囲むように、前記接地導体に前記絶縁物を介して埋設される第1部分と、前記高圧導体に面する前記接地導体の面から突出する第2部分と、を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電圧測定装置。
【請求項6】
測定対象に印加される電圧を電圧測定装置によって測定する電圧測定方法であって、
前記測定対象と同電位の高圧導体に電気的に接触された第1端面と、前記第1端面とは反対側の接地導体に電気的に接触された第2端面と、を有する電気光学結晶の前記第1端面と前記第2端面との間に光源からの光を伝搬させ、前記光のうち振動方向が互いに直交する2つの偏光成分に、前記第1端面と前記第2端面との間において作用する電界の強さに応じた位相差を生じさせる光伝搬工程と、
前記電気光学結晶について、前記電気光学結晶から出射された光に含まれる成分であって、前記第1端面と前記第2端面との間を伝搬したことによって偏光状態が変化した成分の光を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出される前記電気光学結晶に対応する信号に基づいて、前記高圧導体に印加されている電圧を求める信号処理工程と、
を含み、
前記信号処理工程では、前記高圧導体に急峻な電圧が印加された場合に、前記電気光学結晶の電歪効果の影響が収まるまでの時間、絶縁物を介して少なくとも一部が前記接地導体に埋設された電圧測定電極の信号に基づいて前記高圧導体に印加されている電圧を求め、前記電気光学結晶の前記電歪効果の影響が収まるまでの時間以外の時間では、前記検出工程で検出される前記電気光学結晶に対応する信号に基づいて前記高圧導体に印加されている電圧を求めることを特徴とする電圧測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電気光学効果を利用して電圧を測定する電圧測定装置および電圧測定方法に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
長距離送電を行うシステムの1つとして、送電効率の高さといった観点から、高電圧直流送電(High Voltage Direct Current:HVDC)システムが注目されている。直流電圧は、直流送電系統と交流送電系統とに接続されて交流電力と直流電力との間の変換を行う交直変換装置、および、交流送電系統同士に接続されて電圧の周波数を変換する周波数変換装置などにおいて、常時監視される。監視の対象とされる系統電圧は数百kVといった高電圧であることから、一般に、分圧器を用いて系統電圧を扱い易い電圧にまで降圧させて、降圧後の電圧が電圧測定装置によって測定される。分圧器は、一般に、抵抗あるいはキャパシタといった温度依存性を有する電気回路素子を組み合わせることによって構成される。このため、分圧器を有する電圧測定装置の場合、設置される環境の温度変化に対する測定精度を保証し得る分圧器を搭載する必要があり、設計および製造に多大な費用がかかる。また、多くの分圧器には、抵抗体を絶縁するための油が使用されていることから、分圧器が破損した際に油が流出するという懸念がある。
【0003】
分圧器を使用せずに、高電圧を測定する方式として、1次の電気光学効果であるポッケルス効果を利用した電圧測定装置が開発されている。ポッケルス効果は、電気光学結晶と呼ばれるある種の結晶に電界を作用させた場合に、電界の強さの1乗に比例して結晶の屈折率が変化する現象である。ポッケルス効果による結晶の屈折率変化は、微少であるが、屈折率に異方性が生じる特性を利用することで、透過光の偏光状態の変化として測定することができる。一例では、偏光素子を用いて、電気光学結晶に直線偏光を入射させ、電気光学結晶から出射した光の偏光状態の変化を光の強度変化として測定することで、電気光学結晶に印加された電圧を求めることができる。
【0004】
ポッケルス効果を用いた電圧測定装置は、絶縁性に優れ、装置を小型化および低コスト化できるメリットがある。しかし、電気光学結晶に直流電圧を印加すると、時間が経つにつれて、結晶内の空間電荷が移動し、光が透過する部分の電界分布が変化するため、長時間安定して電圧を測定することが困難であることが知られている。この影響を回避する方法として、特許文献1には、電気光学結晶内で光の進行方向と電界が印加される方向とを同じ向きにする縦型変調方式が提案されている。縦型変調方式では、直流電圧の印加によって電気光学結晶内の電界分布が不均一になったとしても、光は電界が強められた部分と弱められた部分との両方を通過し、電界方向に沿った積分値は一定となるため、電気光学結晶の端面間に印加された電圧を安定して測定することができる。ただし、測定対象の電圧が印加される電極と電気光学結晶との密着性が不十分な場合には、隙間部分の抵抗値が電気光学結晶の抵抗値に対して無視できず、直流電圧を長時間安定して測定することはできない。このため、直流計測を実現する電圧測定装置は、電極に電気光学結晶を密着させた構成とする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-11019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポッケルス効果を用いた電圧測定装置において、直流電圧を長時間安定して計測するために、電極に電気光学結晶を密着させた場合、電気光学結晶に急峻な電圧が印加されると、電気光学結晶の電歪効果の影響により、測定信号にノイズ成分が重畳され、正しい電圧を測定できないという課題がある。電歪効果は、逆圧電効果と呼ばれる、電気光学結晶に電界をかけた際に分極に伴って機械的にひずみを生じる現象によって、結晶が電界方向および電界に垂直方向に固有モードで振動する現象である。
【0007】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、直流計測を実現する電圧測定装置において、急峻な電圧が印加された場合でも電圧を正確に測定できる電圧測定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の電圧測定装置は、センサ部と、投受光部と、信号処理部と、を備える。センサ部は、測定対象と同電位の高圧導体へ向けられた第1端面と、第1端面とは反対側の接地導体へ向けられた第2端面と、を有し、第1端面と第2端面との間を伝搬する光のうち振動方向が互いに直交する2つの偏光成分に、第1端面と第2端面との間において作用する電界の強さに応じた位相差を生じさせる電気光学結晶を含む。投受光部は、光を出力する光源と、電気光学結晶について、電気光学結晶から出射された光に含まれる成分であって、第1端面と第2端面との間を伝搬したことによって偏光状態が変化した成分の光を検出する光検出器と、を含む。信号処理部は、電気光学結晶に対応する光検出器によって検出される信号に基づいて、高圧導体に印加されている電圧を求める。電気光学結晶は、第1端面が高圧導体に電気的に接触するとともに、第2端面が接地導体に電気的に接触する。センサ部は、絶縁物を介して少なくとも一部が接地導体に埋設された電圧測定電極を有する。信号処理部は、高圧導体に急峻な電圧が印加された場合に、電気光学結晶の電歪効果の影響が収まるまでの時間、電圧測定電極の信号に基づいて高圧導体に印加されている電圧を求め、電気光学結晶の電歪効果の影響が収まるまでの時間以外の時間では、電気光学結晶に対応する光検出器によって検出される信号に基づいて高圧導体に印加されている電圧を求める。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、直流計測を実現する電圧測定装置において、急峻な電圧が印加された場合でも電圧を正確に測定できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施の形態1に係る電圧測定装置の構成の一例を模式的に示す図
電気光学結晶の構成の一例を示す図
電気光学結晶の構成の他の例を示す図
接地導体および電圧測定電極の構成の一例を示す上面図
接地導体および電圧測定電極の構成の一例を示す断面図
接地導体および電圧測定電極の構成の他の例を示す断面図
光源、偏光子、偏光変調器、検光子および光検出器と光の偏光状態との関係の一例を模式的に示す図
偏光変調器の駆動電圧のモニター信号と光検出器の受光信号との関係の一例を示す図
実施の形態1に係る電圧測定装置を構成するファラデーローテータの効果を説明する図
急峻な電圧が印加された場合の偏光変調器の駆動電圧のモニター信号と光検出器の受光信号との関係の一例を示す図
実施の形態1に係る電圧測定装置における電圧測定回路が高圧導体に印加された電圧を測定する処理手順の一例を示すフローチャート
実施の形態1に係る電圧測定装置における高圧導体に急峻な電圧が印加された場合の電圧測定回路によって出力される電圧値の時間変化の一例を示す図
実施の形態2に係る電圧測定装置の構成の一例を模式的に示す図
実施の形態2に係る電圧測定装置に用いられる2つの電気光学結晶の切り出し方位の一例を示す図
実施の形態2に係る電圧測定装置における2つの電気光学結晶の位相差の関係の一例を示す図
実施の形態2に係る電圧測定装置を構成する電圧測定回路が高圧導体に印加された電圧を測定する処理手順の一例を示すフローチャート
実施の形態3に係る電圧測定装置の電気光学結晶と接地導体との接続部の構成の一例を模式的に示す上面図
実施の形態3に係る電圧測定装置の電気光学結晶と接地導体との接続部の構成の一例を模式的に示す断面図
実施の形態4に係る電圧測定装置の電気光学結晶と接地導体との接続部の構成の一例を模式的に示す上面図
実施の形態4に係る電圧測定装置の電気光学結晶と接地導体との接続部の構成の一例を模式的に示す断面図
実施の形態1から4に係る電圧測定装置の信号処理部を実現するハードウェアの一例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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