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公開番号2024126095
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034261
出願日2023-03-07
発明の名称最適演算装置
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類G06N 99/00 20190101AFI20240912BHJP(計算;計数)
要約【課題】制約条件の設定数を必要な数に設定しつつ、想定される演算処理負荷の最大累積値を低減し、演算処理能力が低い廉価な演算処理装置を採用することができる最適演算装置を提供する。
【解決手段】最適値候補演算の繰り返しごとに、設定数の制約条件の内で最適値候補演算に用いる制約条件である有効制約条件を追加又は削除しながら、入力変数及び状態変数の最適値の候補を演算する最適値候補演算を繰り返し行い、最適値の候補に基づいて、入力変数及び状態変数の最適値を演算し、最適値候補演算の繰り返し中に、各最適値候補演算に用いられる有効制約条件の数に基づいて、最適値候補演算の繰り返しを中断するか否かを判定する最適演算装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
予測期間の各時点の入力変数を入力として前記予測期間の各時点の状態変数を演算する状態方程式を用い、前記入力変数及び前記状態変数を評価する評価関数、及び前記入力変数又は前記状態変数を制約する1以上の設定数の制約条件を有する最適化問題を解くように、最適値候補演算の繰り返しごとに、前記設定数の前記制約条件の内で前記最適値候補演算に用いる前記制約条件である有効制約条件を追加又は削除しながら、前記入力変数及び前記状態変数の最適値の候補を演算する前記最適値候補演算を繰り返し行い、前記最適値の候補に基づいて、前記予測期間の各時点の前記入力変数及び前記状態変数の最適値を演算する最適値演算部と、
前記最適値候補演算の繰り返し中に、各前記最適値候補演算に用いられる前記有効制約条件の数に基づいて、前記最適値候補演算の繰り返しを中断するか否かを判定する演算中断部と、を備え、
前記最適値演算部は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断すると判定された場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断し、前記最適値候補演算の繰り返しを中断する前に演算された前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値の候補に基づいて、前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値を演算する最適演算装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記演算中断部は、前記最適値候補演算の繰り返し中に、次回の前記最適値候補演算に用いられる前記有効制約条件の数が、制約数上限閾値を超えた場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断すると判定し、前記制約数上限閾値を超えていない場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断しないと判定する請求項1に記載の最適演算装置。
【請求項3】
前記演算中断部は、前記最適値候補演算の繰り返し中に、次回の前記最適値候補演算に用いられる前記有効制約条件の数に基づいて演算処理負荷のコストを演算し、前記演算処理負荷のコストの累積値が、累積上限値を超えた場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断すると判定し、前記累積上限値を超えていない場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断しないと判定する請求項1に記載の最適演算装置。
【請求項4】
前記最適値演算部は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断した場合は、前記最適値が、前記最適値候補演算の中断により演算されたことを表す状態信号を出力する請求項1から3のいずれか一項に記載の最適演算装置。
【請求項5】
前記最適値演算部は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断し、中断する前の前記最適値候補演算で演算された前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値の候補が前記設定数の制約条件を満たす場合は、中断する前の前記最適値候補演算で演算された前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値の候補を、前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値として設定する請求項1から3のいずれか一項に記載の最適演算装置。
【請求項6】
前記最適値演算部は、前回の前記最適値候補演算において用いたが、実際に前記入力変数又は前記状態変数の前記最適値の候補を制約していない前記有効制約条件を前記有効制約条件から削除し、前回の前記最適値候補演算において用いられていないが前記入力変数又は前記状態変数の前記最適値の候補を制約する必要がある前記制約条件を前記有効制約条件に追加することにより、次回の前記最適値候補演算において用いる前記有効制約条件を追加又は削除し、
前回の前記最適値候補演算で用いた前記有効制約条件と、次回の前記最適値候補演算において用いる前記有効制約条件とが同じ場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを終了し、前回の前記最適値候補演算において演算された前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値の候補を、前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値として設定する請求項1から3のいずれか一項に記載の最適演算装置。
【請求項7】
前記最適化問題は、前記評価関数の勾配、及び前記有効制約条件の勾配をラグランジュ乗数で線形結合した、前記最適値が満たすべき最適条件であるカルーシュ・クーン・タッカー条件を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の最適演算装置。
【請求項8】
前記最適値演算部は、前記最適値を用いる制御内容に基づいて、前記入力変数、前記状態変数、及び前記設定数の制約条件を設定し、
前記演算中断部は、前記最適値候補演算の繰り返し中に、前記最適値候補演算の繰り返し中に、次回の前記最適値候補演算に用いられる前記有効制約条件の数が、前記制約数上限閾値を超えていない場合において、繰り返し回数が、回数上限閾値を超えた場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断すると判定し、前記回数上限閾値を超えていない場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断しないと判定し、
前記演算中断部は、前記制御内容に基づいて、前記制約数上限閾値及び前記回数上限閾値を設定する請求項2に記載の最適演算装置。
【請求項9】
前記最適値演算部は、車両制御に係る前記入力変数を用い、車両の挙動を表す前記状態変数を用い、前記予測期間の各時点の前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値に基づいて、前記予測期間の各時点の車両制御量の目標値を設定し、前記車両制御の制御内容に基づいて、前記入力変数、前記状態変数、前記状態方程式、前記車両制御量の目標値、及び前記設定数の制約条件を設定し、
前記演算中断部は、前記最適値候補演算の繰り返し中に、次回の前記最適値候補演算に用いられる前記有効制約条件の数が、前記制約数上限閾値を超えていない場合において、繰り返し回数が、回数上限閾値を超えた場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断すると判定し、前記回数上限閾値を超えていない場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断しないと判定し、
前記車両制御の制御内容に基づいて、前記制約数上限閾値及び前記回数上限閾値を設定する請求項2に記載の最適演算装置。
【請求項10】
前記最適値演算部は、前記車両制御の制御内容として、車両の前後方向の挙動を制御する前後方向制御と車両の横方向の挙動を制御する横方向制御との一方又は双方を選択的に実行し、
前記演算中断部は、前記前後方向制御と前記横方向制御との双方を実行する場合の前記制約数上限閾値を、前記前後方向制御と前記横方向制御との一方を実行する場合の前記制約数上限閾値よりも大きくし、前記前後方向制御と前記横方向制御との双方を実行する場合の前記回数上限閾値を、前記前後方向制御と前記横方向制御との一方を実行する場合の前記回数上限閾値よりも小さくする請求項9に記載の最適演算装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、最適演算装置に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1の技術では、自車両の状態の変化、及び周辺の状態の変化に応じて、最適制御問題を解く際の初期値、及び予測期間を設定している。特許文献1の技術では、初期値及び予測期間を変化させることで、状況に応じた演算を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-8889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願が想定している最適演算では、最適値候補演算の繰り返しごとに、設定数の制約条件の内で最適値候補演算に用いる制約条件である有効制約条件を追加又は削除しながら、入力変数及び状態変数の最適値の候補を演算する最適値候補演算を繰り返し行う。このような最適演算では、各最適値候補演算は、有効制約条件の数に応じた次数の行列演算になるため、有効制約条件の数が増加するほど、各最適値候補演算の演算処理負荷が2次関数的に高くなる。更に、最適値候補演算の繰り返し回数が増加するほど、演算処理負荷が高くなる。そのため、全ての設定数の制約条件が有効制約条件として設定された最適値候補演算の演算処理負荷が最も高くなる。そのため、設定数の制約条件が用いられる最も高い演算処理負荷を想定し、演算処理能力が高い高価な演算処理装置を採用する必要があった。一方、演算処理負荷の最大値を低減するために、制約条件の設定数を小さくすることも考えられるが、システムの性能劣化を招く。なお、特許文献1の技術では、このような有効制約条件を追加又は削除しながら最適値候補演算を繰り返し行う最適演算が行われていない。
【0005】
そこで、本願は、制約条件の設定数を必要な数に設定しつつ、想定される演算処理負荷の最大累積値を低減し、演算処理能力が低い廉価な演算処理装置を採用することができる最適演算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る最適演算装置は、
予測期間の各時点の入力変数を入力として前記予測期間の各時点の状態変数を演算する状態方程式を用い、前記入力変数及び前記状態変数を評価する評価関数、及び前記入力変数又は前記状態変数を制約する1以上の設定数の制約条件を有する最適化問題を解くように、最適値候補演算の繰り返しごとに、前記設定数の前記制約条件の内で前記最適値候補演算に用いる前記制約条件である有効制約条件を追加又は削除しながら、前記入力変数及び前記状態変数の最適値の候補を演算する前記最適値候補演算を繰り返し行い、前記最適値の候補に基づいて、前記予測期間の各時点の前記入力変数及び前記状態変数の最適値を演算する最適値演算部と、
前記最適値候補演算の繰り返し中に、各前記最適値候補演算に用いられる前記有効制約条件の数に基づいて、前記最適値候補演算の繰り返しを中断するか否かを判定する演算中断部と、を備え、
前記最適値演算部は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断すると判定された場合は、前記最適値候補演算の繰り返しを中断し、前記最適値候補演算の繰り返しを中断する前に演算された前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値の候補に基づいて、前記入力変数及び前記状態変数の前記最適値を演算するものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に係る最適演算装置によれば、各最適値候補演算に用いられる有効制約条件の数により、各最適値候補演算の演算処理負荷を把握し、最適値候補演算の繰り返しを中断することにより、演算処理負荷の累積値が大きくなることを未然に抑制できる。よって、想定される演算処理負荷の最大累積値を低減し、演算処理能力が低い廉価な演算処理装置を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施の形態1に係る最適演算装置が組み込まれた車両制御装置及び車両システムの概略ブロック図である。
実施の形態1に係る車両制御装置のハードウェア構成図である。
実施の形態1に係る車両制御装置の別例のハードウェア構成図である。
実施の形態1に係る有効制約条件の数と演算処理負荷との関係を説明するための図である。
実施の形態1に係る最適値演算部及び演算中断部の処理を説明するためのフローチャートである。
実施の形態1に係る状態変数及び入力変数の数に応じた、制約数上限閾値及び回数上限閾値の設定を説明するための図である。
実施の形態1に係る車両制御の制御内容に応じた制約数上限閾値及び回数上限閾値の設定を説明するためのフローチャートである。
実施の形態1に係る自車両の座標系を説明する図である。
実施の形態2に係る演算処理負荷のコストの累積値により繰り返しの中断を説明するための図である。
実施の形態2に係る有効制約条件の数に対する演算処理負荷のコストの設定を説明する図である。
実施の形態2に係る最適値演算部及び演算中断部の処理を説明するためのフローチャートである。
実施の形態2に係る状態変数及び入力変数の数に応じた演算処理負荷のコストの設定を説明するための図である。
実施の形態2に係る車両制御の制御内容に応じた制約数上限閾値及び回数上限閾値の設定を説明するためのフローチャートである。
実施の形態2に係る車両制御の制御内容に応じた演算処理負荷のコストの設定を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施の形態1
実施の形態1に係る最適演算装置について図面を参照して説明する。本実施の形態では、最適演算装置は、自車両に搭載されており、自車両の制御の最適演算を行う。最適演算装置は、車両制御装置50に組み込まれている。車両システム1及び車両制御装置50は、自車両に搭載されている。
【0010】
図1に示すように、車両システム1は、車両状態検出装置31、周辺監視装置32、位置検出装置33、地図情報データベース34、無線通信装置35、車両制御装置50、駆動制御装置36、動力機8、電動操舵装置7、及び電動ブレーキ装置9等を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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