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公開番号2024124377
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2024029339
出願日2024-02-29
発明の名称複合ナノワイヤーおよび電波吸収材
出願人ユニチカ株式会社
代理人個人,個人
主分類B22F 1/16 20220101AFI20240905BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】酸化や溶出等による組成変化(特に鉄含有量の変化)が十分に小さい、安定性に優れた、鉄を主成分とする複合ナノワイヤーを提供すること。
【解決手段】粒子連結形状の金属ナノワイヤーの表面に、平均厚みが5~50nmのシリカ被膜を有し、鉄を主成分とする、複合ナノワイヤー。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒子連結形状の金属ナノワイヤーの表面に、平均厚みが5~50nmのシリカ被膜を有し、鉄を主成分とする、複合ナノワイヤー。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
鉄の含有率が70質量%以上である、請求項1に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項3】
アスペクト比が60以上である、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項4】
平均繊維径が90nm以上である、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項5】
前記金属ナノワイヤーにおける直径の最大値をA(nm)、最小値をB(nm)とし、前記直径の最大値Aが前記金属ナノワイヤーにおいて端から100nm以内の端部ではないところでの直径の最大値である場合に、前記金属ナノワイヤーは1.2~3.0のA/B値を有する、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項6】
体積抵抗率が1×10

Ω・cm以上である、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項7】
複合化による飽和磁化の維持率が80%以上である、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項8】
酸化による鉄含有量の低下率が5%以下である、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項9】
水への溶出による鉄含有量の低下率が5%以下である、請求項1または2に記載の複合ナノワイヤー。
【請求項10】
請求項1または2に記載の複合ナノワイヤーを含む、電波吸収材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノワイヤーの表面にシリカ被膜を有する複合ナノワイヤーおよびそれを含む電波吸収材に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
鉄を主成分とするナノワイヤーは電波吸収材などに用いる磁性材料として検討されている(例えば、特許文献1、2)。一般に、鉄は飽和磁化が高く優れた磁性材料であるが、安定な環境条件の領域が狭く、水、酸素、pHの影響で酸化や溶出が起きやすい材料である。特に、ナノワイヤーの形状は、表面積が広くなるため、バルクの形状よりも酸化や溶出が起きやすく、ナノワイヤーの組成が変化しやすいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-100895号公報
特開2022-159125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、酸化や溶出等による組成変化(特に鉄含有量の変化)が十分に小さい、安定性に優れた、鉄を主成分とする複合ナノワイヤーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の要旨は、以下の通りである。
<1> 粒子連結形状の金属ナノワイヤーの表面に、平均厚みが5~50nmのシリカ被膜を有し、鉄を主成分とする、複合ナノワイヤー。
<2> 鉄の含有率が70質量%以上である、<1>に記載の複合ナノワイヤー。
<3> アスペクト比が60以上である、<1>または<2>に記載の複合ナノワイヤー。
<4> 平均繊維径が90nm以上である、<1>~<3>のいずれかに記載の複合ナノワイヤー。
<5> 前記金属ナノワイヤーにおける直径の最大値をA(nm)、最小値をB(nm)とし、前記直径の最大値Aが前記金属ナノワイヤーにおいて端から100nm以内の端部ではないところでの直径の最大値である場合に、前記金属ナノワイヤーは1.2~3.0のA/B値を有する、<1>~<4>のいずれかに記載の複合ナノワイヤー。
<6> 体積抵抗率が1×10

Ω・cm以上である、<1>~<5>のいずれかに記載の複合ナノワイヤー。
<7> 複合化による飽和磁化の維持率が80%以上である、<1>~<6>のいずれかに記載の複合ナノワイヤー。
<8> 酸化による鉄含有量の低下率が5%以下である、<1>~<7>のいずれかに記載の複合ナノワイヤー。
<9> 水への溶出による鉄含有量の低下率が5%以下である、<1>~<8>のいずれかに記載の複合ナノワイヤー。
<10> <1>~<9>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーを含む、電波吸収材。
<11> 磁界を印加しながら、金属ナノワイヤーを作製する工程;および
前記金属ナノワイヤーの表面にシリカ被膜を形成する工程
を含む、複合ナノワイヤーの製造方法。
<12> <1>~<9>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーを製造する、<11>に記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<13> 前記複合ナノワイヤーのアスペクト比が60以上である、<11>または<12>に記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<14> 前記複合ナノワイヤーの平均繊維径が90nm以上である、<11>~<13>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<15> 前記金属ナノワイヤーにおける直径の最大値をA(nm)、最小値をB(nm)とし、前記直径の最大値Aが前記金属ナノワイヤーにおいて端から100nm以内の端部ではないところでの直径の最大値である場合に、前記金属ナノワイヤーは1.2~3.0のA/B値を有する、<11>~<14>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<16> 前記複合ナノワイヤーの体積抵抗率が1×10

Ω・cm以上である、<11>~<15>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<17> 前記複合ナノワイヤーの複合化による飽和磁化の維持率が80%以上である、<11>~<16>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<18> 前記複合ナノワイヤーの酸化による鉄含有量の低下率が5%以下である、<11>~<17>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
<19> 前記複合ナノワイヤーの水への溶出による鉄含有量の低下率が5%以下である、<11>~<18>のいずれかに記載の複合ナノワイヤーの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、酸化や溶出等による組成変化(特に鉄含有量の変化)が十分に小さい、安定性に優れた、鉄を主成分とする複合ナノワイヤーを提供することができる。
本発明の複合ナノワイヤーは、被膜を有するにもかかわらず、被膜形成前の金属ナノワイヤーの飽和磁化に対する維持率が比較的高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の複合ナノワイヤーのTEM画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[複合ナノワイヤー]
本発明の複合ナノワイヤーは、金属ナノワイヤーおよび当該金属ナノワイヤー表面に配置されるシリカ被膜を含む。金属ナノワイヤーは芯材として配置されてもよい。シリカ被膜は鞘材として配置されてもよい。本発明の複合ナノワイヤーは、金属ナノワイヤーに由来する鉄を主成分として含有し、シリカ被膜に由来するケイ素をさらに含有する。本発明において、複合ナノワイヤーの主成分や含有する元素は、ICP-AESで評価し、最も含有量の多い元素を主成分とする。本発明の複合ナノワイヤーを構成する金属ナノワイヤーは鉄ナノワイヤーと称されてもよい。
【0009】
複合ナノワイヤー中の金属の含有量は、複合ナノワイヤーを希塩酸希硝酸混合溶液に溶解し、ICP-AES法により、各種金属(例えば、鉄、ケイ素、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン、銅、銀、金、白金、ルテニウム)の標準液を用いて検量線法により、測定された値を用いている。複合ナノワイヤー中の金属の含有量は複合ナノワイヤーを構成する全原子に対する質量割合で表される。複合ナノワイヤー中のケイ素以外の金属の全ては通常、複合ナノワイヤーを構成する金属ナノワイヤー(または金属ナノワイヤー部)に由来のものである。
【0010】
本発明の効果は安定性の低い鉄に関するものである。鉄の比率が低い場合、本発明の適正がないわけではないが、例えば、安定性の高い元素との合金化などの他の方法を選択することもできる。一方で、飽和磁化などの磁気特性を高くするため、鉄を主成分とした場合、本発明の効果は高くなる。そのため、複合ナノワイヤー中における鉄の含有量は、60質量%以上、特に65質量%以上であることが好ましく、68質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、75質量%以上であることが十分に好ましく、80質量%以上であることがより十分に好ましく、85質量%以上であることがさらに十分に好ましい。一方、ケイ素を含むため、鉄の含有量の上限は95質量%以下、特に90質量%以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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