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公開番号2024123309
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023030602
出願日2023-03-01
発明の名称コンクリート型枠板の製造方法
出願人ユニチカ株式会社
代理人個人
主分類E04G 9/05 20060101AFI20240905BHJP(建築物)
要約【課題】 通気性及び通水性が良好であると共に、コンクリートとの剥離性がよく、木製型枠板と同等の強度を持つコンクリート型枠板の製造方法を提供する。
【解決手段】 芯鞘型複合繊維を集積して繊維ウェブを得る。芯鞘型複合繊維の芯成分はポリエチレンテレフタレートである。鞘成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アジピン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸よりなる共重合ポリエステルである。繊維ウェブを加熱された金属製板に挟んで厚み方向に圧縮し、平板状に成型してコンクリート型枠板を得る。金属製板に挟んで厚み方向に圧縮する際に、鞘成分は溶融して芯鞘型複合繊維相互間が融着する。一方、芯成分は当初の繊維形態を維持した状態となっている。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
芯成分が高融点ポリエステルで鞘成分が低融点ポリエステルよりなる芯鞘型複合繊維を集積して繊維ウェブを形成した後、該繊維ウェブを厚み方向に圧縮すると共に加熱して、該芯成分は当初の繊維形態を維持した状態で、該鞘成分を軟化又は溶融させ該芯鞘型複合繊維相互間を融着させて、平板状に成型することを特徴とするコンクリート型枠板の製造方法。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
高融点ポリエステルは、エチレングリコールとテレフタル酸の共重合体であり、低融点ポリエステルは、エチレングリコールとアジピン酸とテレフタル酸とを含み、さらにイソフタル酸及び/又はジエチレングリコールが付加されてなる共重合体である請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項3】
予め加熱された繊維ウェブを、常温の金属製板に挟んで、厚み方向に圧縮する請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項4】
常温の繊維ウェブを、加熱された金属製板に挟んで厚み方向に圧縮する請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項5】
繊維ウェブにニードルパンチを施して、芯鞘型複合繊維相互間を三次元的に交絡させた後に、厚み方向に圧縮すると共に加熱する請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項6】
芯鞘型複合繊維が、芯鞘型複合長繊維又は芯鞘型複合短繊維である請求項1記載のコンクリート型枠板の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法で得られたコンクリート型枠板を用いるコンクリート型枠の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠を作成する際に用いる型枠板(堰板)の製造方法に関し、特に通気性及び通水性に優れた型枠板の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、コンクリート打設は、コンクリート型枠に生コンクリートを打ち込み締め固めた後、硬化させることによって行われている。生コンクリートの締め固め作業は、主として、コンクリート内の水泡を抜くために行われている。しかるに、コンクリート型枠板として木製又は金属製のものを用いると、締め固め作業の方法によっては、水泡が型枠板面に移動し、型枠板に接したコンクリート面に小さな穴が生じ、コンクリート表面があばた状になるということがあった。
【0003】
このため、コンクリート型枠板として、木製又は金属製のものに代えて、水泡が抜けやすい通気性及び通水性のものが提案されている。たとえば、特許文献1には、ポリエチレン:木材パルプ=5~40:95~60の重量比で混合した混合物を、圧縮成型されてなるものが提案されている。しかしながら、木材パルプの量が比較的多く、親水性であるため、コンクリートとの剥離性が不十分であるという欠点があった。また、木材パルプの量が比較的多いため、木製型枠板や金属製型枠板に比べて、強度が低いという欠点もあった。
【0004】
特開平7-76927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、通気性及び通水性が良好であると共に、コンクリートとの剥離性がよく、木製型枠板と同等の強度を持つコンクリート型枠板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、疎水性繊維である特定のポリエステル系繊維を用いて上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、芯成分が高融点ポリエステルで鞘成分が低融点ポリエステルよりなる芯鞘型複合繊維を集積して繊維ウェブを形成した後、該繊維ウェブを厚み方向に圧縮すると共に加熱して、該芯成分は当初の繊維形態を維持した状態で、該鞘成分を軟化又は溶融させ該芯鞘型複合繊維相互間を融着させて、平板状に成型することを特徴とするコンクリート型枠板の製造方法に関するものである。
【0007】
本発明では、まず特定のポリエステル系芯鞘型複合繊維を構成繊維とする繊維ウェブを得る。ここで、特定のポリエステル系芯鞘型複合繊維とは、芯成分が高融点ポリエステルで鞘成分が低融点ポリエステルよりなるものである。ポリエステル系芯鞘型複合繊維は、疎水性繊維の中でも耐候性が良好で、屋外で用いることが多いコンクリート型枠板の素材として適している。高融点ポリエステルと低融点ポリエステルの融点差は、30~80℃程度であるのが好ましい。この程度の融点差があれば、高融点ポリエステルに当初の繊維形態を維持させつつ、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させることができるからである。ポリエステル系芯鞘型複合繊維の繊度は任意であるが、一般的に、1~10デシテックス程度のものが用いられる。
【0008】
高融点ポリエステルの具体例としては、エチレングリコールとテレフタル酸の共重合体よりなるものが挙げられる。この共重合体は、エチレングリコールをジオール成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られるポリエチレンテレフタレートである。なお、ジカルボン酸成分として、ごく少量のイソフタル酸等の他のジカルボン酸成分が混合されていてもよい。かかる高融点ポリエステルの融点は約260℃であり、ガラス転移点は約70~80℃である。低融点ポリエステルの具体例としては、エチレングリコールとアジピン酸とテレフタル酸とを含み、さらにイソフタル酸及び/又はジエチレングリコールが付加されてなる共重合体よりなるものが挙げられる。この共重合体は、エチレングリコールと必要によりジエチレングリコールをジオール成分とし、アジピン酸とテレフタル酸と必要によりイソフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られる共重合ポリエステルである。なお、ジエチレングリコールとイソフタル酸は、少なくともいずれか一方を用いる必要があり、好ましくは両者を用いる。ジエチレングリコール及び/又はイソフタル酸を混合するのは、得られる繊維相互間の融着性を向上させるためである。ジオール成分中にジエチレングリコールを混合する場合、一般にエチレングリコール:ジエチレングリコール=10:0.05~0.5(モル比)程度である。ジカルボン酸成分であるアジピン酸とテレフタル酸の混合割合は任意であるが、アジピン酸:テレフタル酸=1:1~10(モル比)程度である。また、ジカルボン酸成分中にイソフタル酸を混合する場合、一般にイソフタル酸:アジピン酸:テレフタル酸=0.04~0.6:1:1~10(モル比)程度である。かかる共重合体の融点は約200℃であり、ガラス転移点は約40~50℃である。
【0009】
芯成分と鞘成分の重量割合は、芯成分:鞘成分=0.3~5:1(重量比)程度である。芯成分の重量割合が低すぎると、得られるコンクリート型枠板の剛性が低下する傾向となる。また、芯成分の重量割合が高すぎると、加熱時に鞘成分同士が融着しにくくなり、表面に毛羽立ちが生じやすくなる。芯成分と鞘成分は、同心に配置されていてもよいし、偏心して配置されていてもよい。しかしながら、偏心に配置されていると、加熱時に、収縮が生じやすくなるため、同心に配置されている方が好ましい。
【0010】
芯鞘型複合繊維は、芯成分となる高融点ポリエステルと、鞘成分となる低融点ポリエステルとを、複合紡糸孔を持つ紡糸装置に供給して、溶融紡糸するという公知の方法で得ることができる。芯鞘型複合繊維は、芯鞘型複合長繊維であっても芯鞘型複合短繊維であってもよいが、芯鞘型複合長繊維を用いた方が、剛性の高いコンクリート型枠板が得られる。芯鞘型複合長繊維を用いて繊維ウェブを得るには、いわゆるスパンボンド法を用いるのが一般的である。すなわち、溶融紡糸して得られた芯鞘型複合長繊維を、直ちにシート状に集積して、繊維ウェブを得ることができる。また、芯鞘型複合短繊維を用いて繊維ウェブを得るには、芯鞘型複合短繊維をカード機に通して開繊し、シート状に集積すればよい。繊維ウェブの重量は、少なくとも3000g/m
2
以上であり、3000~9000g/m
2
であるのが好ましい。繊維ウェブの重量が低すぎると、厚みが薄くなり、得られるコンクリート型枠板の剛性が低下する。また、繊維ウェブの重量が高すぎると、厚みが厚くなり、取り扱いにくくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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