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公開番号
2024123427
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023030828
出願日
2023-03-01
発明の名称
電力システム
出願人
株式会社ダイヘン
代理人
個人
,
個人
主分類
H02J
3/46 20060101AFI20240905BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】複数のインバータの分散的な制御が可能である電力システムを提供する。
【解決手段】電力システムS1は、各々が蓄電池9を接続され且つ負荷Lに電力を供給する複数のインバータ装置Aを備える。複数のインバータ装置Aの各々は、有効電力出力を計測する第1計測部11と、蓄電池9の充電率である個別充電率を計測する第2計測部12と、有効電力出力の平均値である出力平均値を算出する出力平均算出部31および個別充電率の平均値である充電率平均値を算出する充電率平均算出部32を含む処理部3と、有効電力目標値を設定する設定部4と、出力電力を制御する制御部5と、を備える。設定部4は、充電率平均値と個別充電率との差である充電率差分を算出する充電率差分算出部41と、出力平均値と自装置の定格出力との差である補正幅を算出する補正幅算出部42と、充電率差分および補正幅を用いて、有効電力目標値を算出する目標算出部43と、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
各々が蓄電池を接続され、且つ負荷に電力を供給する複数のインバータ装置を備え、
前記複数のインバータ装置の各々は、
有効電力出力を計測する第1計測部と、
前記蓄電池の充電率である個別充電率を計測する第2計測部と、
前記複数のインバータ装置の各々で計測された有効電力出力の平均値である出力平均値を算出する出力平均算出部、および、前記複数のインバータ装置の各々で計測された前記個別充電率の平均値である充電率平均値を算出する充電率平均算出部を含む処理部と、
前記有効電力出力の目標値である有効電力目標値を設定する設定部と、
前記有効電力出力の計測値および前記有効電力目標値に基づいて、出力電力を制御する制御部と、
を備え、
前記設定部は、
前記充電率平均値と自装置の前記個別充電率との差である充電率差分を算出する充電率差分算出部と、
前記出力平均値と自装置の定格出力との差である補正幅を算出する補正幅算出部と、
前記充電率差分および前記補正幅を用いて、前記有効電力目標値を算出する目標算出部と、
を含む電力システム。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記設定部は、前記有効電力目標値をPref、前記出力平均値をPavg、前記定格出力をPmax、前記個別充電率をSoCme、前記充電率平均値をSoCavg、αをゲインとして、下記(1)式を演算することで、前記有効電力目標値を算出する、請求項1に記載の電力システム。
TIFF
2024123427000005.tif
16
142
【請求項3】
前記複数のインバータ装置の各々は、前記複数のインバータ装置のうちの少なくとも1つの他のインバータ装置と通信を行う通信部をさらに備え、
前記複数のインバータ装置の通信接続状態は、連結状態であり、
前記出力平均算出部および前記充電率平均算出部は、前記他のインバータ装置と通信して、前記出力平均値および前記充電率平均値をそれぞれ算出する、請求項1または請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記出力平均算出部は、前記有効電力出力に基づく有効電力内部値を生成し、
前記通信部は、生成した有効電力内部値を、前記他のインバータ装置に送信し、且つ、前記他のインバータ装置から当該インバータ装置の有効電力内部値を受信し、
前記出力平均算出部は、生成した有効電力内部値と受信した有効電力内部値とに基づく演算結果を用いて、新たな有効電力内部値を生成する第1演算処理を行い、
前記有効電力内部値は、前記第1演算処理が繰り返されることで、前記出力平均値に収束する、請求項3に記載の電力システム。
【請求項5】
前記充電率平均算出部は、前記充電率に基づく充電率内部値を生成し、
前記通信部は、生成した充電率内部値を、前記他のインバータ装置に送信し、且つ、前記他のインバータ装置から当該インバータ装置の充電率内部値を受信し、
前記充電率平均算出部は、生成した充電率内部値と受信した充電率内部値とに基づく演算結果を用いて、新たな充電率内部値を生成する第2演算処理を行い、
前記充電率内部値は、前記第2演算処理が繰り返されることで、前記充電率平均値に収束する、請求項3に記載の電力システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電力システムには、電力系統の異常時(例えば停電時)において、電力系統から解列して、自立運転を行うものがある。自立運転を行う電力システムは、分散型電源を備えており、自立運転時において、電力系統からの電力の供給を受けずに、分散型電源から得られた電力を負荷に供給する。例えば、分散型電源として複数の蓄電池を並列して用いる場合がある。このような複数の蓄電池を並列運用する電力システムでは、各蓄電池の充電率の上下限に到達しないような技術が必要とされている。例えば、複数の蓄電池のうちのある蓄電池において、充電率下限まで放電すると、充電することは可能であるが放電することができなくなる。このような場合、当該蓄電池からの電力出力が不可能となるため、負荷の消費電力に対して出力の足りないリスクがある。例えば、特許文献1には、複数の蓄電池の充電残量を管理する電力システムが開示されている。特許文献1に記載の電力システム(蓄電池システム)は、2つのインバータ、2つの蓄電池および蓄電池監視制御装置を備える。2つのインバータおよび2つの蓄電池は、蓄電池監視制御装置により充電および放電が個別に制御される。蓄電池監視制御装置は、それぞれの蓄電池の充電量を取得し、各インバータに充放電指令を送り、充電または放電を個別に制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-189045号公報
特開2015-166901号公報
特開2020-150690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電力システムでは、蓄電池監視制御装置が、各インバータに対する充放電指令をそれぞれ算出するため、当該蓄電池監視制御装置に負荷が集中する。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、複数のインバータの分散的な制御が可能である電力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される電力システムは、各々が蓄電池を接続され、且つ負荷に電力を供給する複数のインバータ装置を備え、前記複数のインバータ装置の各々は、有効電力出力を計測する第1計測部と、前記蓄電池の充電率である個別充電率を計測する第2計測部と、前記複数のインバータ装置の各々で計測された有効電力出力の平均値である出力平均値を算出する出力平均算出部、および、前記複数のインバータ装置の各々で計測された前記個別充電率の平均値である充電率平均値を算出する充電率平均算出部を含む処理部と、前記有効電力出力の目標値である有効電力目標値を設定する設定部と、前記有効電力出力の計測値および前記有効電力目標値に基づいて、出力電力を制御する制御部と、を備え、前記設定部は、前記充電率平均値と自装置の前記個別充電率との差である充電率差分を算出する充電率差分算出部と、前記出力平均値と自装置の定格出力との差である補正幅を算出する補正幅算出部と、前記充電率差分および前記補正幅を用いて、前記有効電力目標値を算出する目標算出部と、を含む。
【0007】
前記電力システムの好ましい実施の形態において、前記設定部は、前記有効電力目標値をPref、前記出力平均値をPavg、前記定格出力をPmax、前記個別充電率をSoCme、前記充電率平均値をSoCavg、αをゲインとして、下記(1)式を演算することで、前記有効電力目標値を算出する。
TIFF
2024123427000002.tif
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134
【0008】
前記電力システムの好ましい実施の形態において、前記複数のインバータ装置の各々は、前記複数のインバータ装置のうちの少なくとも1つの他のインバータ装置と通信を行う通信部をさらに備え、前記複数のインバータ装置の通信接続状態は、連結状態であり、前記出力平均算出部および前記充電率平均算出部は、前記他のインバータ装置と通信して、前記出力平均値および前記充電率平均値をそれぞれ算出する。
【0009】
前記電力システムの好ましい実施の形態において、前記出力平均算出部は、前記有効電力出力に基づく有効電力内部値を生成し、前記通信部は、生成した有効電力内部値を、前記他のインバータ装置に送信し、且つ、前記他のインバータ装置から当該インバータ装置の有効電力内部値を受信し、前記出力平均算出部は、生成した有効電力内部値と受信した有効電力内部値とに基づく演算結果を用いて、新たな有効電力内部値を生成する第1演算処理を行い、前記有効電力内部値は、前記第1演算処理が繰り返されることで、前記出力平均値に収束する。
【0010】
前記電力システムの好ましい実施の形態において、前記充電率平均算出部は、前記充電率に基づく充電率内部値を生成し、前記通信部は、生成した充電率内部値を、前記他のインバータ装置に送信し、且つ、前記他のインバータ装置から当該インバータ装置の充電率内部値を受信し、前記充電率平均算出部は、生成した充電率内部値と受信した充電率内部値とに基づく演算結果を用いて、新たな充電率内部値を生成する第2演算処理を行い、前記充電率内部値は、前記第2演算処理が繰り返されることで、前記充電率平均値に収束する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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