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公開番号
2024123310
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023030603
出願日
2023-03-01
発明の名称
不公正取引検知モデル選択装置、方法、およびプログラム
出願人
日本電気株式会社
,
株式会社JPX総研
,
日本取引所自主規制法人
代理人
個人
,
個人
主分類
G06Q
40/04 20120101AFI20240905BHJP(計算;計数)
要約
【課題】不公正取引を含むと予測される対象データの検知漏れを抑制しつつ、検知された対象データに対する人手での検査効率を向上させることができるモデルを選択できる不公正取引検知モデル選択装置を提供する。
【解決手段】モデル入力部81は、取引を表わすデータを入力して、その取引の不正度合いを示すスコアを出力するモデルの入力を受け付ける。閾値特定部82は、取引を表わすデータとその取引が不正か否かを示す教師ラベルとが対応付けられた評価用データをモデルに適用し、不正を示す教師ラベルが付与された評価用データに対して最も低く出力されたスコアをそのモデルの閾値として特定する。割合計算部83は、評価用データの全体に対し、特定された閾値より低いスコアが出力された評価用データの割合をモデルごとに算出する。モデル特定部84は、算出された割合が最も大きいモデルを特定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
取引を表わすデータを入力して当該取引の不正度合いを示すスコアを出力するモデルの入力を受け付けるモデル入力部と、
前記取引を表わすデータと当該取引が不正か否かを示す教師ラベルとが対応付けられた評価用データを前記モデルに適用し、不正を示す教師ラベルが付与された評価用データに対して最も低く出力されたスコアを当該モデルの閾値として特定する閾値特定部と、
前記評価用データの全体に対し、特定された前記閾値より低いスコアが出力された評価用データの割合を前記モデルごとに算出する割合計算部と、
算出された前記割合が最も大きいモデルを特定するモデル特定部とを備えた
ことを特徴とする不公正取引検知モデル選択装置。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
モデル特定部は、割合の最も大きいモデルのうち、スコアの変化に対する度数の変化がより小さい分布のモデルを優先して選択する
請求項1記載の不公正取引検知モデル選択装置。
【請求項3】
取引を表わすデータと当該取引が不正か否かを示す教師ラベルとが対応付けられたデータのうち、評価用データとは異なる時期のデータである検証用データをモデルに適用した場合に、不正を示す教師ラベルが付与された検証用データのうち閾値より小さいスコアになる検証用データが存在するかを示す検証結果を出力する検証結果出力部を備えた
請求項1または請求項2記載の不公正取引検知モデル選択装置。
【請求項4】
モデル入力部は、取引のデータを入力としスコアを出力とするニューラルネットワークの入力を受け付ける
請求項1または請求項2記載の不公正取引検知モデル選択装置。
【請求項5】
モデル入力部は、複数のモデルの入力を受け付け、
閾値特定部は、入力を受け付けたモデルごとに閾値を特定し、
割合計算部は、前記閾値に基づいてモデルごとに割合を算出し、
モデル特定部は、前記割合が最も大きいモデルを特定する
請求項1または請求項2記載の不公正取引検知モデル選択装置。
【請求項6】
取引を表わすデータを入力して当該取引の不正度合いを示すスコアを出力するモデルの入力を受け付け、
前記取引を表わすデータと当該取引が不正か否かを示す教師ラベルとが対応付けられた評価用データを前記モデルに適用し、不正を示す教師ラベルが付与された評価用データに対して最も低く出力されたスコアを当該モデルの閾値として特定し、
前記評価用データの全体に対し、特定された前記閾値より低いスコアが出力された評価用データの割合を前記モデルごとに算出し、
算出された前記割合が最も大きいモデルを特定する
ことを特徴とする不公正取引検知モデル選択方法。
【請求項7】
割合の最も大きいモデルのうち、スコアの変化に対する度数の変化がより小さい分布のモデルを優先して選択する
請求項6記載の不公正取引検知モデル選択方法。
【請求項8】
複数のモデルの入力を受け付け、
入力を受け付けたモデルごとに閾値を特定し、
前記閾値に基づいてモデルごとに割合を算出し、
前記割合が最も大きいモデルを特定する
請求項6または請求項7記載の不公正取引検知モデル選択方法。
【請求項9】
コンピュータに、
取引を表わすデータを入力して当該取引の不正度合いを示すスコアを出力するモデルの入力を受け付けるモデル入力処理、
前記取引を表わすデータと当該取引が不正か否かを示す教師ラベルとが対応付けられた評価用データを前記モデルに適用し、不正を示す教師ラベルが付与された評価用データに対して最も低く出力されたスコアを当該モデルの閾値として特定する閾値特定処理、
前記評価用データの全体に対し、特定された前記閾値より低いスコアが出力された評価用データの割合を前記モデルごとに算出する割合計算処理、および、
算出された前記割合が最も大きいモデルを特定するモデル特定処理
を実行させるための不公正取引検知モデル選択プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
モデル特定処理で、割合の最も大きいモデルのうち、スコアの変化に対する度数の変化がより小さい分布のモデルを優先して選択させる
請求項9記載の不公正取引検知モデル選択プログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、不公正取引を検知するモデルを選択する不公正取引検知モデル選択装置、不公正取引検知モデル選択方法、および、不公正取引検知モデル選択装置プログラムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介したオンライントレードが発達し、多くの投資家が容易に株取引を行えるようになっている。一方、株取引が容易になってきていることから、株式相場を意図的に操作するような不公正取引が行われる危険性も高まっているため、このような取引を適切に監視できることが望まれている。
【0003】
AI(Artificial Intelligence )で検知可能な不公正取引として、見せ玉、仮想売買などが知られている。見せ玉は、ある特定の株式の売買が繁盛に行われていると他の投資家に誤解させ、取引を誘引することを目的として、売買を成立させる意図がない大量の売買注文の発注、取消および訂正を頻繁に繰り返す行為を言う。また、仮想売買は、同一人物が同じ時期に同じ価格で売買両方の注文を発注するといった、権利の移転を目的としない取引を言う。
【0004】
また、特許文献1には、高速かつ効率的にルールの生成および最適化を行うシステムが記載されている。特許文献1に記載されたシステムは、ビジネス要件及び規制上の要件をモデル及びルールに展開し、ビジネス要件及び規制上の要件に関連する特定の事象の発生を識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2012-513071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、学習時に設定するパラメータや利用する学習データに応じて、不公正取引の検知精度が異なるモデルが生成される。すなわち、学習時の変数や学習回数、パラメータにより、大量のモデルを生成することが可能である。ただし、大量のモデルが生成されたとしても、対象とするデータ全てを完全に判別できるような精度を有するモデルを生成することは困難である。そのため、モデルを用いて不公正取引を検知する際には、一定の見逃し(偽陰性:FN)を許容する、または、一定の見誤り(偽陽性:FP)を許容する運用が行われる。
【0007】
具体的には、検知された取引が、本当に不公正取引なのか、善意の利用者が経済的な判断で似たようなパターンの取引を行ったのかについて、最終的な判断は、証券取引所や証券会社の担当者によって行われる。不公正取引の検知漏れを防ぐためには、真陽性(TP)の最大化と偽陰性(FN)の最小化が目標になるが、偽陰性(FN)および偽陽性(FP)をどの程度許容するかは、選定の基準次第である。一方、取引データは大量に存在するため、業務効率化の観点から、人手による検査の必要があるデータが少なくなるようなモデルを選択できることが好ましい。
【0008】
特許文献1に記載されたシステムを用いることで、モデルが使用するルールを効率的に生成することは可能である。しかし、効率的にルールが生成できたとしても、そのルールによって判定された結果を人手により検査する作業が、必ずしも効率的であるとは言い切れない。生成されたルールに基づくモデルの判定結果に対し、人手による検査を行うための選定基準が不明確だからである。
【0009】
そこで、本発明では、不公正取引を含むと予測される対象データの検知漏れを抑制しつつ、検知された対象データに対する人手での検査効率を向上させることができるモデルを選択できる不公正取引検知モデル選択装置、不公正取引検知モデル選択方法、および、不公正取引検知モデル選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による不公正取引検知モデル選択装置は、取引を表わすデータを入力してその取引の不正度合いを示すスコアを出力するモデルの入力を受け付けるモデル入力部と、取引を表わすデータとその取引が不正か否かを示す教師ラベルとが対応付けられた評価用データをモデルに適用し、不正を示す教師ラベルが付与された評価用データに対して最も低く出力されたスコアをそのモデルの閾値として特定する閾値特定部と、評価用データの全体に対し、特定された閾値より低いスコアが出力された評価用データの割合をモデルごとに算出する割合計算部と、算出された割合が最も大きいモデルを特定するモデル特定部とを備えたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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