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公開番号2024120779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027823
出願日2023-02-24
発明の名称アレルギー性鼻炎の重症度評価用バイオマーカーおよびアレルギー性鼻炎の重症度を評価する指標を取得する方法
出願人国立大学法人山梨大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類G01N 33/68 20060101AFI20240829BHJP(測定;試験)
要約【課題】患者から得られた検体を用いて、精度よくアレルギー性鼻炎の重症度を評価するための指標を取得する方法とバイオマーカーを提供する。
【解決手段】鼻汁試料中に含まれる一次代謝産物のうち、アルギニン、アルギニノコハク酸、シトルリン、グアノシン、グルタミン、グリシン、リシン、リンゴ酸、尿酸、コハク酸およびトレオニンからなる群から選択される一次代謝産物を少なくとも1種類含む、アレルギー性鼻炎の重症度評価用バイオマーカーである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鼻汁試料中に含まれる一次代謝産物のうち、アルギニン、アルギニノコハク酸、シトルリン、グアノシン、グルタミン、グリシン、リシン、リンゴ酸、尿酸、コハク酸およびトレオニンからなる群から選択される一次代謝産物を少なくとも1種類含む、アレルギー性鼻炎の重症度評価用バイオマーカー。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記アレルギー性鼻炎がスギ花粉によるアレルギー性鼻炎である、請求項1に記載のバイオマーカー。
【請求項3】
アレルギー性鼻炎の重症度を評価する指標を取得する方法であって、
鼻汁試料中に含まれる一次代謝産物のうち、アルギニン、アルギニノコハク酸、シトルリン、グアノシン、グルタミン、グリシン、リシン、リンゴ酸、尿酸、コハク酸およびトレオニンからなる群から選択される一次代謝産物を少なくとも1種類測定する測定工程と、
前記測定工程により測定された結果に基づいてアレルギー鼻炎の重症度を評価する指標を取得する取得工程と、
を含む、方法。
【請求項4】
前記アレルギー性鼻炎がスギ花粉によるアレルギー性鼻炎である、請求項3に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー性鼻炎の重症度評価用バイオマーカーおよび、アレルギー性鼻炎の重症度を評価する指標を取得する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
アレルギー性鼻炎は、I型アレルギーの代表的な疾患の1つであり、花粉およびダニなどの特定の物質(アレルゲン)によって引き起こされる。アレルゲンとして、花粉、ホコリ中のハウスダストやダニ、カビ、細菌および動物のフケなどが挙げられる。花粉は、草本花粉および樹木花粉に大別できる。花粉の種類としては、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカバ、ブタクサおよびイネ科植物などの季節性花粉が挙げられる(花粉によるアレルギー性鼻炎を、花粉症ともいう)。近年、スギ花粉などによるアレルギー性鼻炎は、低年齢層を中心に増加している。アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉および眼のかゆみといった不快な症状を引き起こし、さらには睡眠および学習などの生活の質および労働生産性にも影響を及ぼす。そのため、積極的に治療介入して症状を緩和することは重要である。
【0003】
アレルギー性鼻炎の発症を判断する指標の一つに、アレルゲン特異的IgE抗体値があり、その値に基づくクラス分類(クラス1,2,3,4,5,6)が行われているものの、このクラス分類は、実際、アレルギー性鼻炎の重症度とは相関しないことが分かっている。特許文献1には、複数の抗原特異的抗体量の比を指標として、アレルギー性鼻炎の症状を評価する試験方法が開示されているが、上述したようにアレルギー性鼻炎の重症度を正しく評価できていない。
【0004】
また、臨床でアレルギー性鼻炎の重症度を評価できる生体バイオマーカーは未だ開発されていないため、現在は、専門医以外の一般診療科の医師でも診断が可能なように、アレルギー性鼻炎の重症度評価は主に患者本人が自覚する鼻炎症状の程度を指標にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-76719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の患者の自覚症状を指標とする評価方法は客観性に欠けるという問題点がある。さらに、自己評価ができない小児などの患者の場合は、正確な評価が困難である。また、専門医による鼻腔内所見を用いた評価方法も存在するが、すべての患者を診察して重症度を判断することは困難である。
【0007】
本発明は、患者から得られた検体を用いて、精度よくアレルギー性鼻炎の重症度を評価するための指標を取得する方法と、指標としてのバイオマーカーを提供することを目的とする。具体的には、アレルギー性鼻炎の重症度と相関する症状および鼻腔内所見の程度と高い相関を示すバイオマーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下が提供される。
[1]鼻汁試料中に含まれる一次代謝産物のうち、アルギニン、アルギニノコハク酸、シトルリン、グアノシン、グルタミン、グリシン、リシン、リンゴ酸、尿酸、コハク酸およびトレオニンからなる群から選択される一次代謝産物を少なくとも1種類含む、アレルギー性鼻炎の重症度評価用バイオマーカー。
[2]上記アレルギー性鼻炎がスギ花粉によるアレルギー性鼻炎である、[1]に記載のバイオマーカー。
[3]アレルギー性鼻炎の重症度を評価する指標を取得する方法であって、鼻汁試料中に含まれる一次代謝産物のうち、アルギニン、アルギニノコハク酸、シトルリン、グアノシン、グルタミン、グリシン、リシン、リンゴ酸、尿酸、コハク酸およびトレオニンからなる群から選択される一次代謝産物を少なくとも1種類測定する測定工程と、上記測定工程により測定された結果に基づいてアレルギー鼻炎の重症度を評価する指標を取得する取得工程と、を含む、方法。
[4]上記記アレルギー性鼻炎がスギ花粉によるアレルギー性鼻炎である[3]に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、患者から得られた検体を用いて、精度よくアレルギー性鼻炎の重症度を評価するため指標を取得する方法と、指標としてのバイオマーカーを提供することができる。具体的には、アレルギー性鼻炎の重症度と相関する症状および鼻腔内所見の程度と高い相関を示すバイオマーカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、「症状スコア」と統計学的に相関を示す各一次代謝産物(AUC>0.800)のROC曲線である。
図2は、「症状スコアおよび鼻腔内所見スコア」の合計スコアと統計学的に相関を示す各一次代謝産物(AUC>0.800)のROC曲線である。
図3は、バイオマーカーレベルに基づいて「症状スコア」が6点以上であることを、どの程度判別できるのかを示したROC曲線である。図1に示す8種のバイオマーカーレベルをサポートベクターマシンで機械学習し、一つ抜き交差検証で症状スコア6点以上である可能性を示す値(0~1.0)を算出し、閾値ごとの感度および特異度を表したものである。図中、「CI」は、Confidence interval(信頼区間)を表す。
図4は、バイオマーカーレベルに基づいて「症状スコアおよび鼻腔内所見スコア」が12点以上であることを、どの程度判別できるのかを示したROC曲線である。図2に示す11種のバイオマーカーレベルをサポートベクターマシンで機械学習し、一つ抜き交差検証で症状スコア12点以上である可能性を示す値(0~1.0)を算出し、閾値ごとの感度および特異度を表したものである。図中、「CI」は、Confidence interval(信頼区間)を表す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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