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公開番号2024117814
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2024100510,2022522198
出願日2024-06-21,2021-05-13
発明の名称電磁波吸収体、及び電磁波吸収体形成用ペースト
出願人国立大学法人 東京大学,東京応化工業株式会社
代理人個人,個人
主分類H05K 9/00 20060101AFI20240822BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】高周波帯域における良好な電磁波吸収特性と、良好な放熱性とを両立し得る電磁波吸収体と、当該電磁波吸収体の製造に好適に使用される電磁波吸収体形成用ペーストとを提供すること。
【解決手段】電磁波吸収体において、電磁波吸収材料と、熱伝導性材料とからなる複合層を設け、電磁波吸収材料に、ε-Fe2O3結晶、及び、結晶と空間群がε-Fe2O3と同じであって、ε-Fe2O3結晶のFeサイトの一部がFe以外の元素Mで置換されたものであり、式ε-MxFe2-xO3で表され、前記xが0超2未満である結晶から選択される1種以上であるイプシロン型酸化鉄を含有させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電磁波吸収材料と、熱伝導性材料とからなる複合層を備え、
前記電磁波吸収材料が、イプシロン型酸化鉄を含み、
前記イプシロン型酸化鉄は、ε-Fe



結晶、及び、結晶と空間群がε-Fe



と同じであって、ε-Fe



結晶のFeサイトの一部がFe以外の元素Mで置換されたものであり、式ε-M

Fe
2-x


で表され、前記xが0超2未満である結晶から選択される1種以上である、電磁波吸収体。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記電磁波吸収材料がカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の電磁波吸収体。
【請求項3】
前記電磁波吸収材料がバインダー樹脂を含む、請求項1又は2に記載の電磁波吸収体。
【請求項4】
前記電磁波吸収材料において、前記イプシロン型酸化鉄、又は前記イプシロン型酸化鉄と前記カーボンナノチューブとが前記バインダー樹脂中に分散している、請求項3に記載の電磁波吸収体。
【請求項5】
前記熱伝導性材料が、粒状、及び/又は鱗片状の粉体であり、
前記熱伝導性材料が、前記電磁波吸収材料からなるマトリックス中に分散している、請求項3又は4に記載の電磁波吸収体。
【請求項6】
前記熱伝導性材料が、アルミナ、炭化ケイ素、及び窒化ホウ素からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
【請求項7】
前記熱伝導性材料が、粒状の熱伝導性材料と、鱗片状の熱伝導性材料とを組み合わせ含む、請求項5に記載の電磁波吸収体。
【請求項8】
前記熱伝導性材料が、粒状のアルミナと、鱗片状の窒化ホウ素とを組み合わせて含む、請求項5~7のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
【請求項9】
前記複合層が、前記電磁波吸収材料100質量部に対して、30質量部以上300質量以下の前記熱伝導性材料を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
【請求項10】
フィルム形状である、請求項1~9のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波吸収体と、電磁波吸収体形成用ペーストとに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話、無線LAN、ETCシステム、高度道路交通システム、自動車走行支援道路システム、衛星放送等の種々の情報通信システムにおいて、高周波帯域の電磁波の使用が広がっている。しかし、高周波帯域の電磁波の利用の拡大には、電子部品同士の干渉による電子機器の故障や誤動作等を招く懸念がある。このような問題の対策として、不要な電磁波を電磁波吸収体により吸収する方法がとられている。
【0003】
このため、高周波帯域の電磁波を利用するレーダー等においても、本来受信されるべきでない不要な電磁波の影響を軽減するために、電磁波吸収体が利用されている。
このような要求に応えるため、高周波数帯域の電磁波を良好に吸収できる電磁波吸収体が種々提案されている。具体例としては、例えば、カーボンナノコイル及び樹脂を含有する電磁波吸収シート(例えば、特許文献1)が知られている。
【0004】
高周波帯域の電磁波の用途の中でも、自動車の運転支援システムについて研究が進んでいる。かかる自動車の運転支援システムでは、車間距離等を検知するための車載レーダーにおいて、76GHz帯域の電磁波が利用されている。そして、自動車の運転支援システムに限らず、種々の用途において、例えば100GHz以上の高周波数帯域の電磁波の利用が広がると予測される。このため、76GHz帯域やそれよりも高周波数帯域の電磁波を良好に吸収できる電磁波吸収体が望まれている。
【0005】
このような要求に応えるため、高周波数帯域における広い範囲において良好に電磁波を吸収できる電磁波吸収体として、例えば、ε―Fe



系の鉄酸化物からなる磁性結晶を含む電磁波吸収層を備える電磁波吸収体が提案されている(例えば、特許文献2、非特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-060060号公報
特開2008-277726号公報
【非特許文献】
【0007】
A.Namai,S.Sakurai,M.Nakajima,T.Suemoto,K.Matsumoto,M.Goto,S.Sasaki, and S.Ohkoshi, J.Am.Chem.Soc.,131,1170-1173(2009).
A.Namai,M.Yoshikiyo,K.Yamada,S.Sakurai,T.Goto,T.Yoshida,T Miyazaki,M.Nakajima,T.Suemoto,H.Tokoro, and S.Ohkoshi,Nature Communications,3,1035/1-6(2012).
S.Ohkoshi,S.Kuroki,S.Sakurai,K.Matsumoto,K.Sato, and S.Sasaki,Angew.Chem.Int.Ed.,46,8392-8395(2007).
A.Namai,K.Ogata,M.Yoshikiyo,and S.Ohkoshi,Bull.Chem.Soc.Jpn.,93,20-25(2020).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されるような電磁波吸収体について、使用環境によっては電磁波吸収体に熱が蓄積される場合がある。電磁波吸収体に熱が蓄積されると、電磁波吸収体を構成する材料が変形したり劣化したりする場合がある。また、電磁波吸収体が熱を蓄積することで、装置全体に悪影響を及ぼす場合がある。このため、電磁波吸収体の、高周波数帯域における良好な電磁波吸収特性を過度に損なうことなく、電磁波吸収体に放熱性を付与することが強く望まれている。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、高周波帯域における良好な電磁波吸収特性と、良好な放熱性とを両立し得る電磁波吸収体と、当該電磁波吸収体の製造に好適に使用される電磁波吸収体形成用ペーストとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、電磁波吸収体において、電磁波吸収材料と、熱伝導性材料とからなる複合層を設け、電磁波吸収材料に、ε-Fe



結晶、及び、結晶と空間群がε-Fe



と同じであって、ε-Fe



結晶のFeサイトの一部がFe以外の元素Mで置換されたものであり、式ε-M

Fe
2-x


で表され、前記xが0超2未満である結晶から選択される1種以上であるイプシロン型酸化鉄を含有させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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