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公開番号2024116667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-28
出願番号2023022394
出願日2023-02-16
発明の名称金属複合化合物及び金属複合化合物を前駆体とした正極活物質
出願人株式会社田中化学研究所
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人
主分類C01B 35/12 20060101AFI20240821BHJP(無機化学)
要約【課題】二次電池が充放電を繰り返しても、正極活物質のサイクル特性の低下を防止できる、正極活物質の前駆体である金属複合化合物を提供する。
【解決手段】少なくともニッケル(Ni)とホウ素(B)を含む金属複合化合物であり、前記金属複合化合物に含まれる金属元素(M)に対するリチウム(Li)のモル比(Li/M)が1.01にて、酸素雰囲気下、焼成温度730℃にて所定の時間保持した前記金属複合化合物の焼成物の、焼成温度730℃にて保持した時間T(単位:分)の常用対数をX軸、(003)面の結晶子サイズS1(単位:Å)をY軸とした、前記時間Tと前記結晶子サイズS1の片対数グラフであるフィッティング関数Y=α×log10X+βのβ値が、300.0以下である、金属複合化合物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともニッケル(Ni)とホウ素(B)を含む金属複合化合物であり、
前記金属複合化合物に含まれる金属元素(M)に対するリチウム(Li)のモル比(Li/M)が1.01にて、酸素雰囲気下、焼成温度730℃にて所定の時間保持した前記金属複合化合物の焼成物の、焼成温度730℃にて保持した時間T(単位:分)の常用対数をX軸、(003)面の結晶子サイズS1(単位:Å)をY軸とした、前記時間Tと前記結晶子サイズS1の片対数グラフであるフィッティング関数Y=α×log
10
X+βのβ値が、300.0以下である、金属複合化合物。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
ニッケル(Ni)の含有量が、前記金属元素(M)の総量に対して80モル%以上である請求項1に記載の金属複合化合物。
【請求項3】
ホウ素(B)の含有量が、前記金属元素(M)の総量に対して0モル%超1.0モル%以下である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項4】
Y=α×log
10
X+βのα値が、40.0以下である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項5】
前記金属複合化合物の(001)面の結晶子サイズS2が、153.0Å以下である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項6】
前記金属複合化合物が、さらに、コバルト(Co)及びマンガン(Mn)からなる群から選択された少なくとも1種の添加元素を含む遷移金属含有水酸化物である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項7】
BET比表面積が、24.0m

/g以上である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項8】
タップ密度が、1.50g/ml以下である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項9】
バルク密度が、1.10g/ml以下である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
【請求項10】
非水電解質二次電池の正極活物質の前駆体である請求項1または2に記載の金属複合化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属複合化合物及び金属複合化合物を前駆体とした正極活物質であり、特に、金属複合化合物が少なくともニッケル(Ni)とホウ素(B)を含むことにより、容量維持率に優れた正極活物質を得ることができる金属複合化合物及び金属複合化合物を前駆体とした正極活物質に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減等の観点から、携帯機器や動力源として電気を使用または併用する車両等、広汎な分野で二次電池が使用されている。二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質を用いた二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池等の非水電解質を用いた二次電池は、小型化、軽量化に適し、高利用率、高サイクル特性といった特性を有している。
【0003】
リチウムイオン二次電池の正極活物質は、充放電が繰り返されることによって、正極活物質のサイクル特性が低下して、リチウムイオン二次電池の性能が低下してしまうという問題がある。そこで、リチウムイオン二次電池が充放電を繰り返しても電池性能の低下を防止できる正極活物質が検討されている。
【0004】
充放電を繰り返しても電池性能の低下を防止できる正極活物質として、ニッケルを含む正極活物質の前駆体とリチウム化合物とを混合後に焼成して得られたリチウム遷移金属酸化物と、ホウ素含有化合物と、を乾式混合し、さらに熱処理することで、リチウム遷移金属酸化物の表面をホウ素リチウム酸化物でコーティングした正極活物質が提案されている(特許文献1)。
【0005】
特許文献1では、リチウム遷移金属酸化物上に存在するリチウム不純物を構造的に安定したホウ素リチウム酸化物に転換させることで、正極活物質の経時変化を防止するものである。
【0006】
しかし、特許文献1の正極活物質では、依然として、充放電が繰り返されることによって、正極活物質のサイクル特性が低下する傾向にあり、サイクル特性に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2015-536558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、二次電池が充放電を繰り返しても、正極活物質のサイクル特性の低下を防止できる、正極活物質の前駆体である金属複合化合物、および前記金属複合化合物を前駆体とした正極活物質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の金属複合化合物は、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子である。本発明の金属複合化合物は、ホウ素(B)を含むことで、金属複合化合物を前駆体とした正極活物質の結晶子サイズを制御し、また、正極活物質の製造時において金属複合化合物を構成する一次粒子間の焼結を抑制する。
【0010】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]少なくともニッケル(Ni)とホウ素(B)を含む金属複合化合物であり、
前記金属複合化合物に含まれる金属元素(M)に対するリチウム(Li)のモル比(Li/M)が1.01にて、酸素雰囲気下、焼成温度730℃にて所定の時間保持した前記金属複合化合物の焼成物の、焼成温度730℃にて保持した時間T(単位:分)の常用対数をX軸、(003)面の結晶子サイズS1(単位:Å)をY軸とした、前記時間Tと前記結晶子サイズS1の片対数グラフであるフィッティング関数Y=α×log
10
X+βのβ値が、300.0以下である、金属複合化合物。
[2]ニッケル(Ni)の含有量が、前記金属元素(M)の総量に対して80モル%以上である[1]に記載の金属複合化合物。
[3]ホウ素(B)の含有量が、前記金属元素(M)の総量に対して0モル%超1.0モル%以下である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[4]Y=α×log
10
X+βのα値が、40.0以下である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[5]前記金属複合化合物の(001)面の結晶子サイズS2が、153.0Å以下である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[6]前記金属複合化合物が、さらに、コバルト(Co)及びマンガン(Mn)からなる群から選択された少なくとも1種の添加元素を含む遷移金属含有水酸化物である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[7]BET比表面積が、24.0m

/g以上である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[8]タップ密度が、1.50g/ml以下である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[9]バルク密度が、1.10g/ml以下である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[10]非水電解質二次電池の正極活物質の前駆体である[1]または[2]に記載の金属複合化合物。
[11][1]または[2]に記載の金属複合化合物がリチウム化合物と焼成された、非水電解質二次電池の正極活物質。
(【0011】以降は省略されています)

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