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公開番号2024115974
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-27
出願番号2023021916
出願日2023-02-15
発明の名称液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
出願人JSR株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02F 1/1337 20060101AFI20240820BHJP(光学)
要約【課題】シール密着性に優れ、かつ屈折率が高い液晶配向膜を形成できるとともに、液晶素子の残像の発生を低減でき、かつ塗布性に優れた液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】(A)重合体を含む重合体成分と、(B)化合物とを含有し、(B)化合物の含有量が重合体成分100質量部に対して50質量部以下である液晶配向剤とする。(A)重合体:ポリアミック酸等であり、特定の窒素含有基を有するジアミンに由来する構造単位(D)を、(A)重合体を構成するジアミン化合物単位の全量に対して5モル%以上含む重合体;(B)化合物:ナフタレン環構造、フルオレン環構造、カルバゾール環構造及びトリアジン環構造よりなる群から選択される少なくとも1種と、架橋性基とを有する化合物(ただし、トリアジン環構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、かつ(メタ)アクリロイルオキシ基の数が1個である化合物を除く。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記に示す(A)重合体を含む重合体成分と、(B)化合物とを含有し、
前記(B)化合物の含有量が、前記重合体成分100質量部に対して50質量部以下である、液晶配向剤。
(A)重合体:ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、*

-NR

-*

、*

-NR



、*

-NR

-CO-*

、*

-NR

-CO-NR

-*

及び含窒素複素環基よりなる群から選択される少なくとも1種であって重合に関与するアミノ基とは異なる窒素含有基(ただし、R

及びR

は互いに独立して、水素原子、炭素数1~10の1価の炭化水素基又は1価の熱脱離性基である。R

は炭素数1~10の1価の炭化水素基又は1価の熱脱離性基である。「*

」は炭素原子との結合手を表す。)を有するジアミンに由来する構造単位(D)を、(A)重合体を構成するジアミン化合物に由来する構造単位の全量に対して5モル%以上含む重合体
(B)化合物:ナフタレン環構造、フルオレン環構造、カルバゾール環構造及びトリアジン環構造よりなる群から選択される少なくとも1種と、架橋性基とを有し、かつ前記(A)重合体とは異なる化合物(ただし、トリアジン環構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、かつ(メタ)アクリロイルオキシ基の数が1個である化合物を除く。)
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記(A)重合体は、芳香族テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項3】
前記芳香族テトラカルボン酸誘導体が、ピロメリット酸誘導体及びビフェニルテトラカルボン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の液晶配向剤。
【請求項4】
前記(A)重合体及び前記(A)重合体とは異なる重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が、カルボキシ基を有するジアミンに由来する構造単位(ただし、前記構造単位(D)を除く。)を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項5】
前記構造単位(D)は、前記窒素含有基を重合体の側鎖に有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項6】
前記窒素含有基は、*

-NR

-*

、*

-NR

-CO-*

、*

-NR

-CO-NR

-*

及び含窒素複素環基よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記構造単位(D)は、前記窒素含有基を重合体の主鎖中に有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項7】
前記(B)化合物が有する架橋性基が、メチロール基、アルコキシメチル基、ヒドロキシアルキルアミド基、アルコキシシリル基、オキシラニル基、オキセタニル基、及び炭素-炭素不飽和結合含有基よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項8】
前記(B)化合物の含有量が、前記重合体成分100質量部に対して0.1質量部以上40質量部以下である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項9】
前記(A)重合体における前記構造単位(D)の含有割合が、ジアミンに由来する構造単位の全量に対して85モル%以下である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項10】
前記(A)重合体とは異なる重合体を更に含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
液晶素子は一般に、透明導電膜等からなる電極構造と、液晶層中の液晶分子を一定の方向に配向させる機能を有する液晶配向膜とを備えている。液晶配向膜は一般に、重合体成分が有機溶媒に溶解されてなる液晶配向剤を基板表面に塗布し、好ましくは加熱することによって基板上に形成される。
【0003】
近年、大画面で高精細な液晶テレビが主体となり、またスマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示端末の普及が進み、液晶素子に対する高品質化の要求は更に高まっている。こうした点に鑑み、液晶配向膜の性能を改善して液晶素子の各種特性を優れたものとするべく、種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。特許文献1には、ポリイミド又はポリイミド前駆体と共に、架橋剤として、メチロール基が芳香環に結合した構造を有する化合物を液晶配向剤に含有させることが開示されている。また、特許文献2には、ポリイミド又はポリイミド前駆体と共に、トリアジン骨格及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリル化合物を液晶配向剤に含有させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2010/074269号
国際公開第2013/094618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶素子は、その使用用途の拡大に伴い従来よりも過酷な環境下で使用されることが想定される。また、過酷な環境下で液晶素子が使用されることによって液晶配向膜が基板から剥がれやすくなることが考えられる。特に近年では、液晶パネルの狭額縁化を図ること等を目的として液晶配向膜上にシール剤を配置することがある。この場合、液晶素子に外力が与えられた際に、シール剤部分で液晶配向膜の基板からの剥がれが生じやすい傾向がある。一方、液晶配向膜の基板からの剥がれが生じた場合には、液晶素子の表示品位の低下を招くことが懸念される。そこで液晶配向膜には、液晶配向膜上にシール剤を配置した場合にも液晶配向膜が基板から剥がれにくい性質(以下、「シール密着性」ともいう)を備えていることが求められる。
【0006】
液晶素子に設けられる透明導電膜は通常、ITO膜により形成される。ITO膜は、屈折率が比較的高いのに対し、液晶配向膜は屈折率が比較的低い。そのため、バックライト等の光を液晶素子に透過させようとした場合に透明導電膜と液晶配向膜との境界面で反射が起きやすく、これにより液晶素子の光透過率の低下を招きやすい。こうした不都合を解消させる手段として、液晶配向膜の高屈折率化を図ることが考えられるが、膜の高屈折率化を図るために用いられる材料は一般に溶解性に劣るため、液晶配向剤を基板に塗布した際にムラやハジキが生じやすく、基板面に液晶配向剤を均一に塗布できないことが懸念される。また、液晶配向膜の高屈折率化に伴い、液晶素子において残像が発生しやすくなることも懸念される。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、シール密着性に優れ、かつ屈折率が高い液晶配向膜を形成できるとともに、液晶素子の残像の発生を低減でき、かつ塗布性に優れた液晶配向剤を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下の手段が提供される。
[1] 下記に示す(A)重合体を含む重合体成分と、(B)化合物とを含有し、前記(B)化合物の含有量が、前記重合体成分100質量部に対して50質量部以下である、液晶配向剤。
(A)重合体:ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、*

-NR

-*

、*

-NR



、*

-NR

-CO-*

、*

-NR

-CO-NR

-*

及び含窒素複素環基よりなる群から選択される少なくとも1種であって重合に関与するアミノ基とは異なる窒素含有基(ただし、R

及びR

は互いに独立して、水素原子、炭素数1~10の1価の炭化水素基又は1価の熱脱離性基である。R

は炭素数1~10の1価の炭化水素基又は1価の熱脱離性基である。「*

」は炭素原子との結合手を表す。)を有するジアミンに由来する構造単位(D)を、(A)重合体を構成するジアミン化合物に由来する構造単位の全量に対して5モル%以上含む重合体
(B)化合物:ナフタレン環構造、フルオレン環構造、カルバゾール環構造及びトリアジン環構造よりなる群から選択される少なくとも1種と、架橋性基とを有し、かつ前記(A)重合体とは異なる化合物(ただし、トリアジン環構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、かつ(メタ)アクリロイルオキシ基の数が1個である化合物を除く。)
【0009】
[2] 上記[1]の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
[3] 上記[2]の液晶配向膜を備える液晶素子。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液晶配向剤は、上記の(A)重合体と(B)化合物とを含有し、かつ(B)化合物の含有量を所定量以下とすることにより、優れた塗布性を示すとともに、シール密着性に優れ、かつ屈折率が高い液晶配向膜を形成することができる。また、本発明の液晶配向剤によれば、残像の発生が低減された液晶素子を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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