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公開番号
2024114401
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-23
出願番号
2023020152
出願日
2023-02-13
発明の名称
圧縮機ユニット
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
個人
,
個人
主分類
F04B
49/22 20060101AFI20240816BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】極低温である液化水素のボイルオフガスからレシプロ式の圧縮機ユニットを適切に保護する。
【解決手段】圧縮機ユニット10は、第1スピルバック弁18bと、後続圧縮ステージ14による水素ガスの処理量を調整する調整手段41と、上流側温度センサ45と、制御部50と、を備える。制御部50は、上流側温度センサ45によって取得された吸込温度を参照し、吸込温度が予め定められた温度範囲内になるように、第1スピルバック弁18bを制御する第1制御と、前記第1制御により生じた中間流路22における圧力の変化量に応じて後続圧縮ステージ14の処理量が調整されるように調整手段41を制御する第2制御と、を実行可能である。前記予め定められた温度範囲は、空気の液化温度に基づく基準温度よりも高く、かつ、0℃未満の範囲で設定される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
液体水素貯槽からボイルオフガスである水素ガスを回収し、その少なくとも一部をエンジン、発電設備又はボイラの少なくとも一つを含む需要先に供給するレシプロ式の圧縮機ユニットであって、
水素ガスを圧縮する第1圧縮ステージと、
前記第1圧縮ステージから吐出された水素ガスをさらに圧縮する1又は2以上の後続圧縮ステージと、
前記第1圧縮ステージおよび前記後続圧縮ステージを駆動するクランク機構と、
前記第1圧縮ステージから吐出された後の水素ガスを吸込流路に戻す第1スピルバック流路、および、前記第1スピルバック流路においてスピルバック量を調整する第1スピルバック弁を含む第1スピルバック部と、
前記後続圧縮ステージによる水素ガスの処理量を調整する調整手段と、
前記第1圧縮ステージと前記後続圧縮ステージとの間の中間流路に配置される圧力センサと、
前記吸込流路において、前記第1スピルバック流路の接続部と前記第1圧縮ステージとの間に配置される上流側温度センサと、
前記第1スピルバック弁および前記調整手段をそれぞれ制御する制御部と、
を備え、
前記第1圧縮ステージおよび前記後続圧縮ステージはそれぞれ、
シリンダ部と、
ピストンと、
前記ピストンを前記クランク機構に接続するピストンロッドと、
前記ピストンロッドと前記シリンダ部との間をシールするロッドパッキンと、
を備え、
前記第1圧縮ステージは、空冷式かつ無給油式であり、
前記後続圧縮ステージの少なくとも一部は、ロッドパッキンから前記吸込流路へとリークガスを戻すリークガス排出部を有し、
前記制御部は、
前記上流側温度センサによって取得された吸込温度を参照し、前記吸込温度が予め定められた温度範囲内になるように、前記第1スピルバック弁を制御する第1制御と、
前記第1制御により生じた前記中間流路における圧力の変化量に応じて前記後続圧縮ステージの処理量が調整されるように前記調整手段を制御する第2制御と、
を実行可能であり、
前記予め定められた温度範囲は、空気の液化温度に基づく基準温度よりも高く、かつ、0℃未満の範囲で設定されている、圧縮機ユニット。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記中間流路に配置される下流側温度センサと、
前記後続圧縮ステージよりも吐出側の吐出流路に設けられた分岐点から分岐して、前記需要先で要求される水素ガスの圧力よりも低い水素ガスを処理できる低圧需要先に水素ガスを排出可能な低圧ガス排出路と、
前記低圧ガス排出路または前記分岐点に設けられる切替手段と、
前記分岐点よりも下流側に位置する逆止弁と、
を備え、
前記制御部は、
起動時であって前記下流側温度センサの検出温度が0℃より高い所定の第1温度T1よりも高い場合に、前記後続圧縮ステージから吐出された水素ガスを前記低圧ガス排出路に流通させる第1切替状態になるように前記切替手段を制御し、
前記下流側温度センサの検出温度が前記第1温度T1未満になった場合に、前記後続圧縮ステージから吐出された水素ガスを前記需要先に向けて前記吐出流路に送る第2切替状態になるように前記切替手段を制御し、
前記切替手段が前記第2切替状態にあることを条件として、前記第1制御と前記第2制御とを実行する、請求項1に記載の圧縮機ユニット。
【請求項3】
前記中間流路に配置される下流側温度センサと、
前記第1圧縮ステージと前記後続圧縮ステージとの間に設けられるクーラ部と、
前記クーラ部に水素ガスを流入させる経路と、前記クーラ部を経由させないで前記後続圧縮ステージに水素ガスを流入させる経路と、を切り替え可能なクーラ切替手段と、
をさらに備え、
前記制御部は、
起動時であって前記下流側温度センサの検出温度が0℃より高い所定の第1温度T1よりも高い場合に、前記第1圧縮ステージから吐出された水素ガスが前記クーラ部に流通して冷却される第1切替状態になるように前記クーラ切替手段を制御し、
前記下流側温度センサの検出温度が前記第1温度T1未満になった場合に、前記第1圧縮ステージから吐出された水素ガスが前記クーラ部を経由せずに前記後続圧縮ステージに送られる第2切替状態になるように前記クーラ切替手段を制御し、
前記クーラ切替手段が前記第2切替状態にあることを条件として、前記第1制御と前記第2制御とを実行する、請求項1に記載の圧縮機ユニット。
【請求項4】
前記調整手段が、
少なくとも1つの後続圧縮ステージにおいて、
当該後続圧縮ステージの吐出側を流れる水素ガスを当該後続圧縮ステージの吸込側に戻す第2スピルバック流路、および、前記第2スピルバック流路においてスピルバック量を調整する第2スピルバック弁を含む第2スピルバック部と、
当該後続圧縮ステージのシリンダ部に装着された吸込弁アンローダと、
を備え、
前記第2制御において、前記制御部は、前記第1制御により生じた前記中間流路における圧力の変化量に応じて前記第2スピルバック弁を制御し、前記第2スピルバック弁の開度があらかじめ設定された値に達したときには前記吸込弁アンローダの駆動を併用させることにより前記シリンダ部の処理量を低減させ、それによって前記第2スピルバック部を通して当該後続圧縮ステージの吸込側へ戻す量を削減させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮機ユニット。
【請求項5】
前記調整手段が、
少なくとも1つの後続圧縮ステージにおいて、
前記後続圧縮ステージのシリンダ部に装着された吸込弁アンローダと、
前記吸込弁アンローダを開閉させる油圧式又は電気式の駆動装置と、
を有する無段階の容量調整装置を備え、
前記制御部は、前記クランク機構の中のクランク軸の回転運動に連動して前記吸込弁アンローダの動作タイミングが調整されるように前記駆動装置を駆動するものであり、
前記第2制御において、前記制御部は、前記第1制御により生じた前記中間流路における圧力の変化量に応じて前記駆動装置を制御し、前記後続圧縮ステージの処理量を調整する、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮機ユニット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシプロ式の圧縮機ユニットに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、環境を考慮して、水素を発電や自動車等の燃料として用いることが考えられており、水素の需要が増大している。また、液化天然ガス(LNG)、液体水素(LH2)などの低温のボイルオフガス(BOG)を圧縮機によって回収してエンジン等の需要先に供給することが行われている。特にLH2から発生したボイルオフガスは非常に低温である。このため、圧縮機がそのままボイルオフガスを吸入する構成を採用すると、極低温に適した材料を選択する必要があったり、熱変形量を考慮した設計条件を採用したり、厳重な断熱処理を実施したりする必要がある等の制約がかかる。例えば、特許文献1には、水素ガスを圧縮するための往復動圧縮機が開示されている。
【0003】
また、特許文献2の図9には、タンデム構造のスクリュー圧縮機ユニットであって、水素ガスを圧縮可能な圧縮機ユニットが開示されている。この圧縮機ユニットには、中間段スピルバック弁と後段スピルバック弁とが設けられている。中間段スピルバック弁は、中間段に配置された圧力センサの検出圧力に基づいて制御され、後段スピルバック弁は、吐出流路に配置された圧力センサの検出圧力に基づいて制御される。
【0004】
また、特許文献3には、液化天然ガスのボイルオフガスを圧縮するための多段圧縮機が開示されている。この多段圧縮機では、低圧段圧縮部と高圧段圧縮部との間にクーラが設けられ、低圧段圧縮機から吐出されたガスの温度が高くなった場合に、クーラが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-172870号公報
特許第7085079号公報
特開平4-12178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1では次のような問題が指摘されている。「近年、新たなエネルギ源として、水素が注目されている。エネルギ源として水素を利用する場合にも、天然ガスのように、貯蔵および輸送時には、液化した状態とすることが想定されている。しかし、水素は、液化温度が空気の液化温度よりも低いという特性を有する。そのため、天然ガス等を対象とした往復動圧縮機といった設備をそのまま水素に適用すると、極低温の液体水素に起因する不具合が生じる可能性がある。例えば、液体水素が供給される装置の周辺に液化空気を生じさせてしまう。」
【0007】
これに対して、特許文献1では「この往復動圧縮機は、ガスを圧縮する圧縮部が容器部に収容されている。そして、この容器部は、圧縮部の周囲に真空領域を形成する。そうすると、圧縮部は、真空領域によって外部領域から熱的に絶縁される。つまり、圧縮部に極低温のガスが提供された場合にも、往復動圧縮機の周辺領域を過度に冷却することがない。従って、液化空気の発生を抑制できる。」と説明されている。
【0008】
しかしながら、一般的に、運転中の振動を伴う動機械や、点検開口部を通して定期的なメンテナンスを必要とする設備(例えば往復動圧縮機など)等では高性能な断熱が非常に難しい。このため、特許文献1に開示された技術では、レシプロ式の圧縮機ユニットを適切に保護することが難しい。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、極低温である液化水素のボイルオフガスからレシプロ式の圧縮機ユニットを適切に保護することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る圧縮機ユニットは、液体水素貯槽からボイルオフガスである水素ガスを回収し、その少なくとも一部をエンジン、発電設備又はボイラの少なくとも一つを含む需要先に供給するレシプロ式の圧縮機ユニットであって、水素ガスを圧縮する第1圧縮ステージと、前記第1圧縮ステージから吐出された水素ガスをさらに圧縮する1又は2以上の後続圧縮ステージと、前記第1圧縮ステージおよび前記後続圧縮ステージを駆動するクランク機構と、前記第1圧縮ステージから吐出された後の水素ガスを吸込流路に戻す第1スピルバック流路、および、前記第1スピルバック流路においてスピルバック量を調整する第1スピルバック弁を含む第1スピルバック部と、前記後続圧縮ステージによる水素ガスの処理量を調整する調整手段と、前記第1圧縮ステージと前記後続圧縮ステージとの間の中間流路に配置される圧力センサと、前記吸込流路において、前記第1スピルバック流路の接続部と前記第1圧縮ステージとの間に配置される上流側温度センサと、前記第1スピルバック弁および前記調整手段をそれぞれ制御する制御部と、を備える。前記第1圧縮ステージおよび前記後続圧縮ステージはそれぞれ、シリンダ部と、ピストンと、前記ピストンを前記クランク機構に接続するピストンロッドと、前記ピストンロッドと前記シリンダ部との間をシールするロッドパッキンと、を備える。前記第1圧縮ステージは、空冷式かつ無給油式である。前記後続圧縮ステージの少なくとも一部は、ロッドパッキンから前記吸込流路へとリークガスを戻すリークガス排出部を有する。前記制御部は、前記上流側温度センサによって取得された吸込温度を参照し、前記吸込温度が予め定められた温度範囲内になるように、前記第1スピルバック弁を制御する第1制御と、前記第1制御により生じた前記中間流路における圧力の変化量に応じて前記後続圧縮ステージの処理量が調整されるように前記調整手段を制御する第2制御と、を実行可能である。前記予め定められた温度範囲は、空気の液化温度に基づく基準温度よりも高く、かつ、0℃未満の範囲で設定されている。
(【0011】以降は省略されています)
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