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公開番号2024111297
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-16
出願番号2024101479,2022090346
出願日2024-06-24,2020-06-03
発明の名称AIII-BV単結晶またはウエハ
出願人フライベルガー・コンパウンド・マテリアルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング,FREIBERGER COMPOUND MATERIALS GMBH
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類C30B 29/40 20060101AFI20240808BHJP(結晶成長)
要約【課題】転位密度、残留応力の低減された単結晶、およびそれから得られる単結晶またはウエハを提供すること。
【解決手段】AIII-BV単結晶(14)または前記単結晶(14)からの分離により得られるAIII-BV単結晶またはウエハであって、自身の中心軸(M)に対して垂直な前記単結晶(14)の断面領域内の平均エッジピット密度(EPDav)として求められる前記結晶の転位の平均密度が1000cm-2以下であり、格子硬化ドーパントを含む電荷担体濃度が、7x1016Atoms/cm3以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
AIII-BV単結晶(14)または前記単結晶(14)からの分離により得られるAIII-BV単結晶またはウエハであって、
自身の中心軸(M)に対して垂直な前記単結晶(14)の断面領域内の平均エッジピット密度(EPD
av
)として求められる前記結晶の転位の平均密度が1000cm
-2
以下であり、
格子硬化ドーパントを含む電荷担体濃度が、7x10
16
Atoms/cm

以下である、
AIII-BV単結晶(14)または前記単結晶(14)からの分離により得られるAIII-BV単結晶またはウエハ。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記格子硬化ドーパントは、それぞれ単独のまたは組合せた、ホウ素、ケイ素、亜鉛、硫黄、インジウムを含む、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶またはウエハ。
【請求項3】
前記電荷担体濃度が、1x10
16
Atoms/cm

以下である、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶またはウエハ。
【請求項4】
前記結晶の転位の平均密度が、700cm
-2
以下である、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶。
【請求項5】
前記結晶の転位の平均密度が、500cm
-2
以下である、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶。
【請求項6】
前記結晶の転位の平均密度が、200cm
-2
以下である、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶。
【請求項7】
前記単結晶は、ヒ化ガリウム(GaAs)またはリン化インジウム(InP)を含む、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶。
【請求項8】
前記単結晶または前記ウエハの直径が150mm以上である、
請求項1に記載のAIII-BV単結晶。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、AIII-BV単結晶、特に、残留応力および転位のないヒ化ガリウム単結晶またはリン化インジウム単結晶から、製造対象の半導体単結晶と同じ半導体材料から形成される種結晶を使用して、半導体材料の溶融物をフリーズ、すなわち凝固させることにより製造されるウエハに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、端面発光半導体レーザや垂直キャビティ面発光半導体レーザなどの高パワー密度を有する発光部品を製造するためのヒ化ガリウムまたはリン化インジウム基板ウエハの用途に関しては、転位が、非発光再結合中心として作用するため、収率および寿命にそれぞれ影響を及ぼす欠陥となってしまう。したがって、今日、低転位のAIII-BV基板ウエハがそのような用途に使用されている。本明細書において、AIII-BV単結晶またはウエハは、元素周期系のIIIおよびV族から選択される化合物からの結晶を指す。転位は、材料の弾性および可塑性、ならびに結晶の(凝固後の)冷却中の応力につながる温度場の曲率の存在に基づいて発達する。成長方法としては、温度場の比較的小さな曲率のゆえに、垂直ブリッジマン(VB)もしくは垂直温度勾配凝固VGF法のみが実質的に検討され得る、または熱的に類似の方法で行われる方法(例えば、M.Jurischら、「Handbook of Crystal Growth Bulk Crystal Growth: Basic Techniques VOLUME II, Part A, Second Edition, Chapter 9 “Vertical Bridgman Growth of Binary Compound Semiconductors”, 2015)を参照)が検討され得る。
【0003】
DE 199 12 486 A1は、ヒ化ガリウム結晶を成長させる装置を記述している。この装置は、炉内に配置されたるつぼを含む。この装置は、最終的に製造される単結晶の直径にほぼ相当するより大きな直径を有する第1の断面領域を含む第1のセクション内と、溶融物の結晶化の起点となる種結晶を特に収容する第2のセクションであって、比較的小さい直径を有し種チャネルと呼ばれる第2のセクション内において、原溶融物を収容するように構成されている。種結晶自体は、種チャネルの直径に対応する約8mmの直径と約40mmの長さを有する。上記文献で提案された手段(種結晶は種チャネル内において自由に存在し、種結晶と種チャネルのセクションにおけるるつぼとの間の空間は液体酸化ホウ素(B



)に満たされている)により、成長後結晶の断面領域における1,000~10,000cm
-2
の範囲の転位密度が達成される。
【0004】
転位の形成は、いわゆる格子硬化ドーパント(例えば、ホウ素、ケイ素、亜鉛、硫黄)を添加することによって阻止できる。例えば、A.G.Elliotら、Journal of Crystal Growth 70 (1984) 169-178またはB.Pichaudら、Journal of Crystal Growth 71 (1985) 648-654を参照。例えば、US 2006/0081306 A1またはUS 7,214,269 B2は、垂直ブリッジマン(VB)法または垂直温度勾配凝固(VGF)法に従ったケイ素ドープヒ化ガリウム単結晶の製造を記述している。したがって、使用するるつぼは、pBN(熱分解窒化ホウ素)から形成され、80mmの直径および300mmの長さを有し、種チャネルは10mmの直径を有する。ケイ素を添加することにより、結晶の断面領域において平均転位密度5,000cm
-2
が達成される。
【0005】
今日、ケイ素ドープGaAsの製造に関して、直径100mmもしくは150mmを有するウエハについては100cm
-2
未満の平均転位密度が、直径200mmを有するウエハについては、5,000cm
-2
未満の平均転位密度が典型的に達成される。(例えばM.Morishitaら、「Development of Si-doped 8-inch GaAs substrates」, Conference Proceedings CS MANTECH 2018, http://csmantech2018.conferencespot.org/65967-gmi-1.4165182/t0017-1.4165620/f0017-1.4165621/0128-0199-000053-1.4165656/ap074-1.4165657からダウンロード;または、DOWAエレクトロニクス(株)、東京、日本、による製品カタログ、http://www.dowa-electronics.co.jp/semicon/e/gaas/gaas.html#semiからダウンロード;AXT,Inc.,Freemont,CAもしくは住友電気工業株式会社、大阪、日本、による製品カタログ)。格子硬化ドーパントを添加しない場合は、100mm~150mmの直径を有するウエハについては、1,500~10,000cm
-2
の範囲の平均転位密度であり、200mmの直径を有するウエハについては、12,000cm
-2
未満の平均転位密度である(上記参考文献を参照のこと)。
【0006】
転位密度の求め方については、標準測定方法が存在する(SEMI M83: Test method for determination of dislocation etch pit density in monocrystals of III-V compound semiconductors, SEMI M36 - Test method for measuring etch pit density (EPD) in low dislocation density gallium arsenide wafers)。表面配向が結晶配向{100}から15°よりも大きく異ならないウエハについては、転位は選択エッチングによって可視化できる。それにより、約30~60μmに延びるエッチピットが発達し、これらは、光学顕微鏡(倍率約50x~200x)を使用してカウントできる。低転位密度を有する材料については、典型的には、0.25mm
2
~1mm
2
の範囲の面積を有する測定場が適用される。それによって、例えば1mmのエッジ除外を考慮した全ウエハ表面が分析される。各測定場について測定される量としては、ローカルエッチピット密度EPD

が得られる。ローカルエッチピット密度の演算手段が、ウエハの平均エッチピット密度EPD
av
を算出する。さらに、所定の限界値以下であるEPD

の値を有する測定場の数の、測定場の総数に対する相対量が、例えば、0cm
-2
のローカルエッチピット密度を有する測定場(転位なしの測定場)の相対量として、P(EPD

=0cm
-2
)として特定される。非常に低い転位を有する材料についても、EPC(エッチピットカウント)のような測定場に含まれる転位エッチピットの総数を特定することは有意義であり得る。測定場が全ウエハ表面をカバーする場合、ウエハに含まれる転位の総数EPC
total
(総エッチピットカウント数)を得てもよい。単結晶の転位密度を求めるために、複数のウエハ、いずれにせよ少なくとも1つのウエハ、に対して、最初(最初にフリーズすなわち凝固する結晶の領域)と最後(結晶の最後にフリーズすなわち凝固した領域)に測定される。
【0007】
US 2006/0081306 A1またはUS 7,214,269 B2では、結晶から製造された基板ウエハの開示された特性は、5,000cm
-2
以下の転位密度で(0.1~5.0)・10
18
cm
-3
の電荷担体濃度を含む。しかし、高い電気および光パワー密度を有する電気および/または光学部品には、さらにきわめて低い転位密度が要求される。
【0008】
半導体結晶の転位密度は、結晶格子の硬化に影響を与えるドーパントを添加することによって低減できる。JP 2000-086398 Aでは、さらにケイ素とホウ素をドープすることにより、p-伝導型亜鉛ドープヒ化ガリウム結晶の転位密度が500cm
-2
以下の値に低減できる方法を開示している。
【0009】
転位密度をさらに低減する方法が、US 2004/0187768 A1に開示されている。等電子的にヒ化ガリウムの結晶格子へ組み込まれる元素、例えば、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)に加えて、インジウムを結晶にさらにドープすることにより、ドーパント原子の具体的かつ相互調和的濃度が保たれた場合、p-伝導型ヒ化ガリウム結晶の転位密度は、100cm
-2
以下の値に低減され得る。こうして得られた単結晶の電荷担体濃度は、1.0・10
17
~6.0・10
18
cm
-3
になる。
【0010】
US 2004/0187768 A1の一実施形態によってVB法に従って製造される単結晶(当該文献の図4を参照)は、約3インチ(75mm)の直径および180mmの長さ(円筒状領域)を有する。ローカル転位密度を測定するために、ウエハはGaAs単結晶から分離され、その表面はKOHエッチング溶液にさらされる。表面は、エッチング中に形成されたエッチピットの数に関して、5mmのグリッド幅を有する矩形測定グリッド内に配置された1x1mm

の大きさの各測定場につき、測定されていた。1x1mm

の大きさの177の測定場のうち134において、転位は検出されなかった。平均転位密度は28cm
-2
であった。インジウムがドーパントとして添加されなかった比較例(上記文献の図5を参照)では、転位のない測定場は、1x1mm

の大きさの177測定場のうち58にしか検出されなかった。したがって、平均転位密度は428cm
-2
であった。
(【0011】以降は省略されています)

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