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公開番号
2024112785
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-21
出願番号
2024016507
出願日
2024-02-06
発明の名称
高品質の半導体単結晶を製造するためのシステム、および高品質の半導体単結晶を製造する方法
出願人
サイクリスタル ゲーエムベーハー
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
23/06 20060101AFI20240814BHJP(結晶成長)
要約
【課題】バルク半導体単結晶を成長させるための、より具体的には、物理的気相輸送に基づいて炭化ケイ素などのバルク半導体の単結晶を成長させるためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】昇華成長法により半導体材料の少なくとも1つの単結晶を成長させるための昇華システムは、長手軸(120)を有し、少なくとも1つのシード結晶(110)のための固定手段と、原材料(108)を収容するための少なくとも1つの原材料区画(104)とを備えた、坩堝(102)と、坩堝の円周の周りで、坩堝の長手軸に沿った1つまたは複数の定められた高さに、不規則な温度場を生成するように形成された加熱システムと、加熱システムに対する、長手軸を中心とした固定手段の回転運動を生じさせるように動作可能な回転駆動装置と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
昇華成長法により半導体材料の少なくとも1つの単結晶を成長させるための昇華システムであって、前記昇華システム(100)が、
長手軸(120)を有し、少なくとも1つのシード結晶(110)のための固定手段と、原材料(108)を収容するための少なくとも1つの原材料区画(104)とを備えた、坩堝(102)と、
前記坩堝の円周の周りで、前記坩堝の前記長手軸に沿った1つまたは複数の定められた高さに、不規則な温度場を生成するように形成された加熱システムと、
前記加熱システムに対する、前記長手軸を中心とした前記固定手段の回転運動を生じさせるように動作可能な回転駆動装置と、を備える昇華システム。
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【請求項2】
前記加熱システムが、電磁場を生成するように動作可能な誘導コイル(116)および/または抵抗加熱コイル(116)を備え、前記誘導コイル(116)および/または前記抵抗加熱コイル(116)が前記坩堝(102)を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項1に記載の昇華システム。
【請求項3】
前記加熱システムが、前記電磁場を操作するための電磁場制御要素を備える、請求項2に記載の昇華システム。
【請求項4】
前記電磁場制御要素が、金属製の支柱部材および/または極片を備える、請求項3に記載の昇華システム。
【請求項5】
前記コイル(116)が、その巻き線の少なくとも1つに変形した断面を有する、および/または、前記コイル(116)が、隣り合う巻き線から異なる距離を有するように配置された少なくとも1つの巻き線を有する、請求項2から4の一項に記載の昇華システム。
【請求項6】
前記コイル(116)が、前記坩堝(102)に近接する軸方向位置に配置された、少なくとも1つの電気接点(124)を備える、請求項2から5の一項に記載の昇華システム。
【請求項7】
前記シード結晶(110)が前記坩堝(102)に対して回転可能となるように、前記回転駆動装置が前記固定手段に結合されている、および/または、前記坩堝(102)が前記加熱システムに対して回転可能となるように、前記回転駆動装置が前記坩堝(102)に結合されている、請求項1から6の一項に記載の昇華システム。
【請求項8】
前記昇華システム(100)が熱絶縁要素を備え、前記回転駆動装置が、前記熱絶縁要素と前記坩堝(102)とに結合されており、それにより前記熱絶縁要素および前記坩堝(102)が前記加熱システムに対して回転可能である、請求項1から7の一項に記載の昇華システム。
【請求項9】
前記回転駆動装置が、1rpmから60rpmの範囲の、好ましくは10rpmの、回転速度を生じさせるように動作可能である、請求項1から8の一項に記載の昇華システム。
【請求項10】
昇華成長法により半導体材料の少なくとも1つの単結晶を成長させる方法であって、
長手軸を有する坩堝(102)を用意し、少なくとも1つのシード結晶(110)を前記坩堝の固定手段に固定し、少なくとも1つの原材料区画(104)に原材料(108)を充填することと、
加熱システムを用いて、前記坩堝(102)の円周の周りに前記坩堝(102)の前記長手軸に沿って、不規則な温度場を生成することと、
前記成長する単結晶が時間変動する温度場に曝されるように、前記加熱システムに対する、前記長手軸を中心とした前記固定手段の回転運動を生じさせることと、を含む方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルク半導体単結晶を成長させるための、より具体的には、物理的気相輸送に基づいて炭化ケイ素などのバルク半導体の単結晶を成長させるためのシステムおよび方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)は、パワーエレクトロニクス、無線周波、および発光半導体部品などの幅広い用途の電子部品のための半導体基板材料として広く使用される。
【0003】
物理的気相輸送(PVT:physical vapor transport)は、一般に、バルクSiC単結晶を成長させるために、特に商業目的に使用される。SiC基板は、バルクSiC結晶から(例えば、ワイヤソーを使用して)スライスを切り出し、そのスライス表面を一連の研磨工程で仕上げ加工することによって製造される。完成したSiC基板は、エピタキシャル工程などで半導体部品の製造に用いられ、そこで、適切な半導体材料(例えば、SiC、GaN)の薄い単結晶層がSiC基板上に堆積される。堆積される単分子層およびそれから製造される部品の特性は、基礎となる基板の品質および均質性に決定的に左右される。この理由から、SiCの優れた物理的、化学的、電気的および光学的性質は、それを、パワーデバイス用途に好ましい半導体基板材料にしている。
【0004】
PVTは、基本的に、好適な材料の昇華とそれに続くシード結晶への再凝固を伴う結晶成長方法であり、シード結晶で単結晶の形成が起こる。原材料およびシード結晶が成長構造の内部に入れられ、原材料を加熱によって昇華させる。昇華した蒸気は次いで、原材料とシード結晶との間に設定された勾配を有する温度場に起因して制御された形で拡散し、シード上に堆積して単結晶として成長する。
【0005】
従来のPVTに基づく成長システムは、一般に、原材料を昇華させるために誘導加熱システムまたは抵抗加熱システムのいずれかを利用している。両方の場合とも、PVTに基づく成長システムの核となるのはいわゆる反応器である。基本的に、坩堝と、シード結晶のための固定手段とを備え、従来は絶縁のためのグラファイト材料および炭素材料から作られる成長構造は、反応器の内部に置かれ、反応器の外側に配置された誘導コイル、または反応器の外側もしくは内側に配置された抵抗ヒータのいずれかによって加熱される。成長構造内の温度は、成長構造のオーバーチュア(overture)の近くに設置された、1つもしくは複数の高温計または1つもしくは複数の熱電対によって測定される。真空シールされた反応器は、1つまたは複数の真空ポンプによって真空引きされ、1つまたは複数のガス供給を介して不活性ガスまたはドープガスの供給を受けて、制御されたガス(ガス混合物大気)を作り出す。すべてのプロセスパラメータ(圧力、温度、ガス流量等)は、コンピュータによって操作されるシステムコントローラによって調節、制御、および記憶することができ、コントローラは、すべての関連する構成要素(例えば、インバータ、高温計、真空制御弁、マスフロー制御(MFC)、および圧力計)と通信する。
【0006】
誘導加熱されるPVTシステムの場合、反応器は、通常、1つまたは複数のガラス管を含み、このガラス管は、場合により水で冷却され、両端に反応器の内部を大気に対して封止するためのフランジが設けられている。そのような誘導加熱されるPVTシステムの例が、特許、米国特許第8,865,324号明細書に記載されている。図8は、そのような従来の誘導加熱されるPVTシステム800を示す。
【0007】
成長機構800は成長坩堝802を備え、これはSiC供給領域804および結晶成長領域806を含んでいる。粉末状のSiC原材料808は、成長工程の開始前に、前加工された出発材料として成長坩堝802のSiC供給領域804に注入され、例えばSiC供給領域804に配置される。シード結晶810が、結晶成長領域806内の、成長坩堝802のSiC供給領域804に対向する内壁、例えば坩堝の蓋812に、提供される。成長させるバルクSiC単結晶は、結晶成長領域806内に形成されるSiC成長気相からの堆積によってシード結晶810の上に成長する。成長するバルクSiC単結晶とシード結晶810とは、およそ同じ直径を有してよい。
【0008】
坩堝の蓋812を含む成長坩堝802は、導電性および伝熱性のグラファイトの坩堝材料から製造されてよい。その周囲に熱絶縁(図には図示せず)が配置され、これは、例えば気泡状のグラファイト絶縁材料を含んでよく、その空孔率は特に、グラファイト坩堝材料の空孔率よりも高い。
【0009】
熱絶縁された成長坩堝802は、管状容器814の内部に置かれ、容器は、石英ガラス管として構成されてよく、オートクレーブまたは反応器を形成する。加熱コイル816の形態の誘導加熱装置が、容器814の周囲に配置されて、成長坩堝802を加熱する。成長坩堝802は、加熱コイル816により、2000℃超の成長温度まで、特に約2200℃まで、加熱される。加熱コイル816は、成長坩堝802の導電性の坩堝壁(いわゆるサセプタ)に、電流を誘導結合する。この電流は、実質的に、円形かつ中空で円筒形の坩堝壁の中を周方向に循環電流として流れ、その過程で成長坩堝802を加熱する。サセプタは、グラファイト、TaC、WC、Ta、W、または他の耐熱金属から作られ得る。サセプタの主要な目的は、坩堝802の内側の熱源を提供することである。サセプタが誘導によって加熱されると、サセプタの表面は高い温度に達し、その温度が次いで、伝導および/または放射を通じて坩堝802の内側に移される。
【0010】
上述したように、誘導コイル816は、ガラス管814の外側に取り付けられ、通常は、電磁放射を遮断するための電磁遮蔽を形成するファラデーケージ(図面では見えていない)によって包囲される。誘導コイル816には等距離の巻き線が巻かれ、各巻き線は、隣の巻き線から距離d_1の距離にある。
(【0011】以降は省略されています)
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