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公開番号2024110124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-15
出願番号2023014506
出願日2023-02-02
発明の名称蓄熱体及び蓄熱体の損傷抑制方法
出願人東京窯業株式会社
代理人個人
主分類C09K 5/14 20060101AFI20240807BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造設備で使用された場合に、フラックスに由来するハロゲン系ガスによる損傷を受けにくい蓄熱体、及び、蓄熱体がハロゲン系ガスによって受ける損傷を抑制する蓄熱体の損傷抑制方法を、提供する。
【解決手段】セラミックス焼結体からなる蓄熱体基体の表面を、固形分組成で酸化アルミニウムの含有率が65質量%~85質量%のアルミナセメントで被覆することによって多孔質のコーティング層を形成する。この多孔質のコーティング層において、ハロゲン系ガスの成分を補足することができ、蓄熱体基体へのハロゲン系ガスの成分の浸透を抑制することができるため、蓄熱体の損傷を有効に抑制することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス焼結体からなる蓄熱体基体と、
該蓄熱体基体の表面を被覆しているコーティング層と、を具備し、
該コーティング層は、固形分組成で酸化アルミニウムの含有率が65質量%~85質量%のアルミナセメントの多孔質層である
ことを特徴とする蓄熱体。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記蓄熱体基体は、炭化珪素質セラミックス焼結体からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱体。
【請求項3】
アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造設備で使用される蓄熱体が、塩化物系フラックスまたはフッ化物系フラックスに由来するハロゲン系ガスによって受ける損傷を抑制する方法であり、
セラミックス焼結体からなる蓄熱体基体の表面を、
固形分組成で酸化アルミニウムの含有率が65質量%~85質量%のアルミナセメントで被覆することによって多孔質のコーティング層とし、
該多孔質のコーティング層で、前記ハロゲン系ガスの成分を捕捉することにより、前記ハロゲン系ガスの成分の前記蓄熱体基体への浸透を抑制する
ことを特徴とする蓄熱体の損傷抑制方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱体、及び、蓄熱体の損傷抑制方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
金属の鋳造のための設備で、蓄熱体が使用されることがある(例えば、特許文献1~3を参照)。特許文献1では、高炉から転炉への溶融金属の運搬や、転炉から連続鋳造用のタンディッシュや鋳型への溶融金属の運搬に使用される取鍋が、熱衝撃を受けることを避けるために、蓄熱型バーナ(リジェネバーナ)を使用して取鍋を予熱している。リジェネバーナは、バーナの燃焼用に供給される空気(燃焼用空気)と、バーナの燃焼により高温となった排ガスとを、交互に蓄熱体に流通させるべく、ガスの流通方向が切り換えられるバーナである。排ガスの熱は蓄熱体で回収され、新たに供給される燃焼用空気を予熱するために利用される。
【0003】
特許文献2は、溶融金属を取鍋から受け取って鋳型へ分配するタンディッシュにおいて、鋳込み可能な温度を保持するため、或いは、複数台のタンディッシュを交換しつつ用いて連続鋳造する場合に、待機中のタンディッシュを鋳込み可能な温度まで加熱するために、複数台の蓄熱式予熱器を交互に切り替えつつ加熱した不活性ガスを、炉内に供給することを提案している。蓄熱式予熱器としては、リジェネバーナが使用される。バーナで直接に炉内を加熱するのではなく、バーナで加熱された不活性ガスを炉内に供給することにより、溶融金属の酸化が防止される。
【0004】
特許文献3は、低圧鋳造装置で鋳物を製造するにあたり、溶融金属の流路に蓄熱体を配してバーナで加熱することにより、金型の湯口を常に高温に保持することを提案している。低圧鋳造は、溶解金属を収容した密閉炉に不活性ガスや二酸化炭素等のガスによる比較的低い圧力を付加し、この圧力で密閉炉内の溶融金属をストークを介して上方に押し上げ、密閉炉の上位に配置された鋳型に溶融金属を充填して鋳物を製造する方法であり、アルミニウム合金等の鋳造に広く使用されている方法である。
【0005】
一方、アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造では、溶融金属にフラックスを添加する処理が行われる。フラックスとしては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の成分を含む塩化物系フラックスや、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム、ケイフッ化ナトリウム、ホウフッ化ナトリウム等の成分を含むフッ化物系フラックスが使用されている。
【0006】
例えば、溶融金属から水素ガスを除去する目的のフラックスとしては、六塩化エタンを他の塩化物やフッ化物と混合したフラックスが使用されている。アルミニウムの酸化を防止するために溶融金属の表面を被覆するフラックス、或いは、生成した酸化物を分離除去するためのフラックスとしては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化ナトリウム、ケイフッ化ナトリウム、これらの混合塩が使用されている。不純物としてのマグネシウムを除去する目的のフラックスとしては、フッ化アルミニウムや、これを塩化物と混合して融点を下げたものが使用されている。また、アルミニウム合金の品質改良として、結晶粒の微細化を目的として、チタンフッ化カリウムやホウフッ化カリウム等の成分を含むフッ化物系フラックスが使用されている。
【0007】
このような塩化物系フラックス、フッ化物系フラックスが金属を溶融する高温下で使用されると、塩素ガス、フッ素ガス、揮発性の塩素化合物やフッ素化合物など、腐食性の高いハロゲン系ガスが発生する。そのため、アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造設備において、上記のように蓄熱体を使用していると、ハロゲン系ガスを含む高温の排ガスが蓄熱体の配された空間を流通することにより、蓄熱体が脆くなるなどの損傷を受け、蓄熱体の耐用期間が短くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平7-112269号公報
特開平8-159664号公報
特開2011-16166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造設備で使用された場合に、フラックスに由来するハロゲン系ガスによる損傷を受けにくい蓄熱体の提供、及び、蓄熱体がハロゲン系ガスによって受ける損傷を抑制する蓄熱体の損傷抑制方法の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる蓄熱体は、
「セラミックス焼結体からなる蓄熱体基体と、
該蓄熱体基体の表面を被覆しているコーティング層と、を具備し、
該コーティング層は、固形分組成で酸化アルミニウムの含有率が65質量%~85質量%のアルミナセメントの多孔質層である」ものである。
(【0011】以降は省略されています)

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