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公開番号2024125056
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023033129
出願日2023-03-03
発明の名称蓄熱体及び蓄熱体の製造方法
出願人東京窯業株式会社
代理人個人
主分類C09K 5/10 20060101AFI20240906BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】珪酸系ガラスの酸化防止層を備えていると共に、蓄熱体同士の付着、または蓄熱体とケーシングとの付着が抑制されている蓄熱体を提供する。
【解決手段】蓄熱体の構成を、炭化珪素質セラミックス焼結体である球状の基体10、及び、セラミックス焼結体であり基体10の表面から突出している複数の突起片20を備える突起片付き基体と、突起片付き基体の表面を被覆している珪酸系ガラスの酸化防止層31と、を具備し、複数の突起片20それぞれの形状が、その突起片20の重心と基体10の中心とを結んだ仮想直線に直交する任意の平面で切断した複数の端面の外形が、それぞれ相似形ではない略多角形となる不定形状である構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭化珪素質セラミックス焼結体である球状の基体、及び、セラミックス焼結体であり該基体の表面から突出している複数の突起片、を備える突起片付き基体と、
該突起片付き基体の表面を被覆している珪酸系ガラスの酸化防止層と、を具備し、
複数の前記突起片それぞれの形状は、その突起片の重心と前記基体の中心とを結んだ仮想直線に直交する任意の平面で切断した複数の端面の外形が、それぞれ相似形ではない略多角形となる不定形状である
ことを特徴とする蓄熱体。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記突起片は炭化珪素質セラミックス焼結体であり、
複数の前記突起片それぞれの外形における最大長さの前記基体の直径に対する割合は、5%~18%であり、
複数の前記突起片の質量の総計の前記基体の質量に対する割合は、5%~40%である
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱体。
【請求項3】
複数の前記突起片の質量の総計の前記基体の質量に対する割合は、37%~40%である
ことを特徴とする請求項2に記載の蓄熱体。
【請求項4】
セラミックス焼結体を粉砕することにより角部を有する粉砕片とし、
炭化珪素質セラミックス原料で球状に成形された成形体の表面に、複数の前記粉砕片を、それぞれの一部が埋設された状態で付着させ、
複数の前記粉砕片が表面に付着した前記成形体を焼成することにより、前記成形体を炭化珪素質セラミックス焼結体の基体とすると共に、前記粉砕片を前記基体と一体化された突起片とし、
前記基体の表面、及び複数の前記突起片の表面を、二酸化珪素を含有する酸化防止剤で被覆した後、加熱によって二酸化珪素を溶融してから冷却することにより前記酸化防止剤を珪酸系ガラスの酸化防止層とする
ことを特徴とする蓄熱体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱体、及び、該蓄熱体の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ガスの流路に配置されてガスと熱交換する蓄熱体の例として、蓄熱式バーナ(リジェネバーナ)の熱交換部に配される蓄熱体を挙げることができる。蓄熱式バーナは、鍛造炉、熱処理炉、溶解炉、焼成炉などの工業炉において使用されているバーナであり、バーナの燃焼により高温となった排ガスと、バーナの燃焼のために新たに供給されるガスとを、交互に熱交換部に流通させるべく、ガスの流通方向が所定時間間隔で切り換えられる。熱交換部には多数の蓄熱体が充填されており、排ガスの熱は蓄熱体によって回収され、回収された熱によって、新たに供給されるガスが予熱される。
【0003】
蓄熱体としては、従前よりアルミナ製の中実ボールが多用されている。一方、アルミナ、コージェライト、ムライト等のセラミックスのハニカム構造体を、蓄熱体として使用する技術も提案されている。
【0004】
また、本出願人は、炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体を提案している(特許文献1参照)。炭化珪素は、セラミックスの中では熱伝導率が高い材料である。具体的には、アルミナ、コージェライト、及び、ムライトの熱伝導率は、それぞれ9~30W/m・K、0.6W/m・K、及び、1.5W/m・Kであるのに対し、炭化珪素の熱伝導率は75~130W/m・Kと高い。そのため、炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体は、熱交換の効率が高い。
【0005】
加えて、炭化珪素の熱膨張率は、4.0~4.5(×10
-6
K)と小さい。すなわち、炭化珪素は、熱伝導率が高いと共に熱膨張率が小さいため、耐熱衝撃性に優れている。従って、炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体は、蓄熱と放熱との繰り返しに伴う温度変化を受け続ける蓄熱体として適している。
【0006】
ところが、炭化珪素は酸素が存在する雰囲気において高温下で使用されると、酸化してしまうという問題がある。そこで、特許文献1の技術では、炭化珪素質セラミックス焼結体である基体の表面を、珪酸系ガラスの酸化防止層で被覆するという手段を採用した。この珪酸系ガラスの層によって、基体の炭化珪素と酸素との接触が妨げられるため、炭化珪素の酸化が有効に抑制される。
【0007】
加えて、本出願人の検討の結果、珪酸系ガラスの酸化防止層を備えることによって、もともと耐熱衝撃性の高い炭化珪素より更に、耐熱衝撃性が高められることが判明した。これは、珪酸系ガラスが高温下で軟化し塑性変形する性質のために、亀裂の伸展が抑制されると共に、炭化珪素質セラミックス焼結体の脆性的な破壊が抑制されるためと考えられた。
【0008】
しかしながら、珪酸系ガラスが高温下で軟化する性質は、上記のように利点である反面、軟化したガラスによって、蓄熱体同士、あるいは蓄熱体とケーシングとが付着してしまうことがあった。そのような付着が生じると、蓄熱体を交換したり、蓄熱体を蓄熱部から取り出して洗浄したりするメンテナンスが行いにくいという不具合が生じる。また、蓄熱体が中実ボールである場合は、上記の付着によって、ガスを通過させるべき空隙が閉塞してしまい、熱交換率が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第5709007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、珪酸系ガラスの酸化防止層を備えていると共に、蓄熱体同士の付着、または蓄熱体とケーシングとの付着が抑制されている蓄熱体、及び、該蓄熱体の製造方法の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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