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公開番号2024108879
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023013501
出願日2023-01-31
発明の名称抵抗溶接方法及び抵抗溶接の管理方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B23K 11/30 20060101AFI20240805BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】溶接部の表面におけるLME割れの発生が抑制される抵抗溶接方法及び抵抗溶接の管理方法を提供する。
【解決手段】被溶接材の抵抗溶接を行う場合に被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とし、Si含有量が0.010質量%以下である金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を準備する工程と、抵抗溶接用電極の接触部を、Znを含むめっきが施された被溶接材に接触させて抵抗溶接を行う工程と、を含む抵抗溶接方法。成分分析により接触部のSi含有量が0.010質量%以下であることを確認し、電極を交換する際、接触部のSi含有量が0.010質量%以下である電極を用いるように管理してもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
被溶接材の抵抗溶接を行うときに前記被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とし、Si含有量が0.010質量%以下である金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を準備する工程と、
前記抵抗溶接用電極の前記接触部を、Znを含むめっきが施された被溶接材に接触させて抵抗溶接を行う工程と、
を含む抵抗溶接方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
被溶接材の抵抗溶接を行うときに前記被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とする金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を準備する工程と、
前記抵抗溶接用電極の前記接触部の成分分析を行う工程と、
前記成分分析により前記接触部のSi含有量が0.010質量%以下であることが確認された抵抗溶接用電極を用い、前記抵抗溶接用電極の前記接触部を、Znを含むめっきが施された被溶接材に接触させて抵抗溶接を行う工程と、
を含む抵抗溶接方法。
【請求項3】
抵抗溶接機に抵抗溶接用電極を取り付け、Znを含むめっきが施された被溶接材に前記抵抗溶接用電極を接触させて抵抗溶接を繰り返し行う工程と、
前記抵抗溶接用電極に代えて新たな抵抗溶接用電極を前記抵抗溶接機に取り付け、前記抵抗溶接を繰り返し行う工程と、
前記抵抗溶接機に取り付ける抵抗溶接用電極として、前記被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とし、Si含有量が0.010質量%以下である金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を用いるように管理する工程と、
を含む、抵抗溶接の管理方法。
【請求項4】
前記抵抗溶接用電極の前記接触部が、下記A群及びB群からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の方法。
[A群]質量%で、
Cr:3.0%以下、
Zr:0.5%以下、
W:20.0%以下、
Ag:0.5%以下、
Be:2.0%以下、
Co:3.0%以下、
Ni:3.0%以下、及び
Fe:1.0%以下、
からなる群から選択される1種又は2種以上の元素
[B群]質量%で、
Al



:3.0%以下、
WC:12.0%以下、
ZrO:5.5%以下、及び
MgO:2.7%以下、
からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、抵抗溶接方法及び抵抗溶接の管理方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
電気抵抗溶接として、例えば抵抗スポット溶接を行う場合、複数枚の金属板を重ねて板組を一対の電極で板厚方向に挟み込んで加圧しながら通電を行う。通電部において金属板がそれぞれ溶融した後、固化することで板組が接合される。
このようなスポット溶接に用いる電極材料として、一般的に銅合金が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、抵抗溶接では液体金属脆化(LME:Liquid Metal Embrittlement)が問題となることがある。鋼板表面のZn系めっきと鋼板が抵抗溶接によって、熱、ひずみ、応力が加わることで液体金属脆化が生じ、溶接部に亀裂(LME割れ)が生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-62656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、溶接部の表面におけるLME割れの発生が抑制される抵抗溶接方法及び抵抗溶接の管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本開示の要旨は次の通りである。
<1> 被溶接材の抵抗溶接を行うときに前記被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とし、Si含有量が0.010質量%以下である金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を準備する工程と、
前記抵抗溶接用電極の前記接触部を、Znを含むめっきが施された被溶接材に接触させて抵抗溶接を行う工程と、
を含む抵抗溶接方法。
<2> 被溶接材の抵抗溶接を行うときに前記被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とする金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を準備する工程と、
前記抵抗溶接用電極の前記接触部の成分分析を行う工程と、
前記成分分析により前記接触部のSi含有量が0.010質量%以下であることが確認された抵抗溶接用電極を用い、前記抵抗溶接用電極の前記接触部を、Znを含むめっきが施された被溶接材に接触させて抵抗溶接を行う工程と、
を含む抵抗溶接方法。
<3> 抵抗溶接機に抵抗溶接用電極を取り付け、Znを含むめっきが施された被溶接材に前記抵抗溶接用電極を接触させて抵抗溶接を繰り返し行う工程と、
前記抵抗溶接用電極に代えて新たな抵抗溶接用電極を前記抵抗溶接機に取り付け、前記抵抗溶接を繰り返し行う工程と、
前記抵抗溶接機に取り付ける抵抗溶接用電極として、前記被溶接材と接触する接触部が、Cuを主成分とし、Si含有量が0.010質量%以下である金属材料で形成されている抵抗溶接用電極を用いるように管理する工程と、
を含む、抵抗溶接の管理方法。
<4> 前記抵抗溶接用電極の前記接触部が、下記A群及びB群からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の方法。
[A群]質量%で、
Cr:3.0%以下、
Zr:0.5%以下、
W:20.0%以下、
Ag:0.5%以下、
Be:2.0%以下、
Co:3.0%以下、
Ni:3.0%以下、及び
Fe:1.0%以下、
からなる群から選択される1種又は2種以上の元素
[B群]質量%で、
Al



:3.0%以下、
WC:12.0%以下、
ZrO:5.5%以下、及び
MgO:2.7%以下、
からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、溶接部の表面におけるLME割れの発生が抑制される抵抗溶接方法及び抵抗溶接の管理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
スポット溶接部の断面の一例を示す図である。
図1においてAで示す部分に生じたLME割れを拡大して示す図である。
Cr-Cu電極を用いたスポット溶接後の肩部~肩外付近のめっき組成をSEM-EDSで分析したCu濃度を示す図である。
Al



分散Cu電極を用いたスポット溶接後の肩部~肩外付近のめっき組成をSEM-EDSで分析したCu濃度を示す図である。
CMAによる亀裂部の観察結果を示す図である。
亀裂部のZn濃度プロファイルを示す図である。
抵抗スポット溶接の一例を示す概略図である。
シーム溶接の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例である実施形態について説明する。
なお、本開示において、元素又は化合物の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。また、本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、特に断りの無い限り、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」又は「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値又は上限値として含まない範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値、あるいは、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値、あるいは、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0010】
スポット溶接を行う場合、電極材料が被溶接材に移行する。そのため、液体金属脆化は、鋼板のめっき層を構成する材料だけでなく、電極材料も影響すると考えられる。それゆえ、LME割れの原因となる微量元素を極力低減した電極材料とすることで、電極による液体金属脆化の促進が抑制されると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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