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公開番号2024118311
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-30
出願番号2023024668
出願日2023-02-20
発明の名称空気ばねの高さの計算方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類B61F 5/10 20060101AFI20240823BHJP(鉄道)
要約【課題】空気ばねの高さを正確に把握することのできる、空気ばね高さの計算方法を提供する。
【解決手段】鉄道車両(10)の空気ばねの高さの計算方法は、取得工程と、反復計算工程と、空気ばね高さ計算工程と、を備える。取得工程では、制御装置(50)が回転軸の回転角の情報を取得する。反復計算工程では、サンプリング周期毎に第1計算工程及び第2計算工程を3回以上交互に繰り返し行う。第1計算工程では、制御装置(50)が、車体(11)の傾斜角及び回転軸の回転角から2つの高さ調整装置(40a,40b)の高さを計算する。第2計算工程では、制御装置(50)が、第1計算工程で計算した2つの高さ調整装置(40a,40b)の高さから車体(11)の傾斜角を計算する。空気ばね高さ計算工程では、2つの高さ調整装置(40a,40b)の高さ、及び車体(11)の傾斜角を用いて、空気ばね(22a,22b)の高さを計算する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
台車と、車体と、前記台車と前記車体との間で左右に配置された2つの空気ばねと、前記2つの空気ばねに対応して配置された2つの高さ調整装置と、制御装置と、を備える鉄道車両の空気ばねの高さの計算方法であって、
前記2つの高さ調整装置はそれぞれ、前記鉄道車両の前後方向に延びる回転軸と、前記回転軸の一端に前記台車と前記車体との上下方向の相対変位に応じて回動可能に固定され、前記回転軸の半径方向に延びるレバーと、前記回転軸の他端に取り付けられ、前記回転軸の回転角を検出する回転角度センサと、を含み、
前記計算方法は、
前記制御装置が、所定のサンプリング周期毎に前記回転角度センサから前記回転軸の回転角の情報を取得する、取得工程と、
前記サンプリング周期毎に第1計算工程及び第2計算工程を3回以上交互に繰り返し行う反復計算工程であって、前記第1計算工程では、前記制御装置が、前記車体の傾斜角及び前記取得工程で取得した前記回転軸の回転角から前記2つの高さ調整装置の高さを計算し、前記第2計算工程では、前記制御装置が、前記第1計算工程で計算した前記2つの高さ調整装置の高さから前記車体の傾斜角を計算する、前記反復計算工程と、
前記反復計算工程の最後の前記第1計算工程で計算した前記2つの高さ調整装置の高さ、及び最後の前記第2計算工程で計算した前記車体の傾斜角を用いて、前記2つの空気ばねの高さを計算する、空気ばね高さ計算工程と、を備え、
前記反復計算工程において、前記サンプリング周期内での1回目の前記第1計算工程では、前記制御装置が、前記車体の傾斜角として任意の値を用い、n回目(ただし、nは2以上の整数である。)の前記第1計算工程では、前記制御装置が、前記車体の傾斜角として(n-1)回目の前記第2計算工程で計算した前記車体の傾斜角を用いる、計算方法。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
請求項1に記載の計算方法であって、
2回目以降の前記サンプリング周期での前記反復計算工程において、1回目の前記第1計算工程では、前記制御装置が、前記車体の傾斜角として以前の前記サンプリング周期で計算した前記車体の傾斜角を用いる、計算方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄道車両の空気ばねの高さの計算方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道車両は、台車と、台車上に支持された車体とを備える。通常、鉄道車両の台車には、車体を支持するとともに車体の振動を緩和するため、左右にそれぞれ空気ばねが設けられている。空気ばねは、車体と台車の間に配置されている。車体が傾斜すると、それに応じて空気ばねの高さが変化する。空気ばねの高さは、高さ調整装置により、一定となるように制御されている。
【0003】
高さ調整装置は、左右の空気ばねに対応して、台車の左右にそれぞれ配置される。高さ調整装置は、高さ調整弁と、測定装置と、を備える。高さ調整弁は、典型的には車体に固定される。測定装置は、高さ調整弁と台車とを接続する。測定装置は、レバーと、回転軸と、回転角度センサと、連結棒と、を含む。レバーは、回転軸の一端に固定される。車体と台車との上下方向の相対変位に応じて回転軸が回転し、回転軸の回転に応じてレバーは回動可能に構成される。高さ調整弁には、貫通孔が形成されている。貫通孔は、例えば鉄道車両の前後方向に延びる。回転軸は貫通孔に挿通される。回転角度センサは、回転軸の他端に取り付けられ、回転軸の回転角を検出する。連結棒は、例えば上下方向に延び、レバーの回転軸とは反対側の端部と台車とを接続する。
【0004】
従来、回転角度センサで検出された回転軸の回転角から、空気ばねの高さを計算する技術が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、回転角度センサとしてアナログ式角度センサが用いられている。このアナログ式角度センサは、回動軸(回転軸)の回転角を検出する。特許文献1では、回転角から高さ検出装置(高さ調整装置)の高さを算出し、それを空気ばねの高さとしている。高さ検出装置の高さは、アナログ式角度センサで検出した回動軸の回転角及びレバーの長さから算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-104182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車体が傾斜したとき、空気ばね及び高さ調整装置は鉄道車両の左右方向中心からの距離に応じて上下方向に変位する。鉄道車両の左右方向において、空気ばねの位置は高さ調整装置の位置とずれている場合がある。そのため、得られる空気ばねの高さと実際の空気ばねの高さとの間に誤差が生じる。さらに、特許文献1に記載された高さ検出装置では、回動軸は鉄道車両の前後方向に延びる。このように、高さ調整装置の回転軸が前後方向に延びる場合、高さ調整装置の高さは、回転軸の回転角及びレバーの長さだけでなく、車体の傾斜角の影響を受ける。高さ調整装置は、車体に固定されているからである。一方、車体の傾斜角は、左右の高さ調整装置の高さから算出される。この場合、高さ調整装置の高さ及び車体の傾斜角は、計算によって一意に求めることができない。高さ調整装置の高さ及び車体の傾斜角が求まらないと、正確な空気ばねの高さを把握するのは困難である。
【0007】
本開示の目的は、高さ調整装置の回転軸が前後方向に延びる場合であっても、空気ばねの高さを正確に把握することのできる、空気ばね高さの計算方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る計算方法は、台車と、車体と、台車と車体との間で左右に配置された2つの空気ばねと、2つの空気ばねに対応して配置された2つの高さ調整装置と、制御装置と、を備える鉄道車両の空気ばねの高さの計算方法である。2つの高さ調整装置はそれぞれ、回転軸と、レバーと、回転角度センサと、を含む。回転軸は、鉄道車両の前後方向に延びる。レバーは、回転軸の一端に台車と車体との上下方向の相対変位に応じて回動可能に固定され、回転軸の半径方向に延びる。回転角度センサは、回転軸の他端に取り付けられ、回転軸の回転角を検出する。当該計算方法は、取得工程と、反復計算工程と、空気ばね高さ計算工程と、を備える。取得工程では、制御装置が、所定のサンプリング周期毎に回転角度センサから回転軸の回転角の情報を取得する。反復計算工程では、サンプリング周期毎に第1計算工程及び第2計算工程を3回以上交互に繰り返し行う。第1計算工程では、制御装置が、車体の傾斜角及び取得工程で取得した回転軸の回転角から2つの高さ調整装置の高さを計算する。第2計算工程では、制御装置が、第1計算工程で計算した2つの高さ調整装置の高さから車体の傾斜角を計算する。空気ばね高さ計算工程では、反復計算工程の最後の第1計算工程で計算した2つの高さ調整装置の高さ、及び最後の第2計算工程で計算した車体の傾斜角を用いて、2つの空気ばねの高さを計算する。反復計算工程において、サンプリング周期内での1回目の第1計算工程では、制御装置が、車体の傾斜角として任意の値を用い、n回目(ただし、nは2以上の整数である。)の第1計算工程では、制御装置が、車体の傾斜角として(n-1)回目の第2計算工程で計算した車体の傾斜角を用いる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る空気ばね高さの計算方法によれば、高さ調整装置の回転軸が前後方向に延びる場合であっても、空気ばねの高さを正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、鉄道車両の概略構成を示す上面図である。
図2は、鉄道車両の概略構成を示す正面図である。
図3は、図2の部分拡大図である。
図4は、空気ばね及び高さ調整装置の正面図である。
図5は、図4の部分拡大図である。
図6は、実施形態に係る鉄道車両の空気ばねの高さの計算方法を示すフロー図である。
図7は、本実施例の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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