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公開番号2024103577
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024086312,2023554019
出願日2024-05-28,2023-05-25
発明の名称酸化銅クロムスピネル、及びその樹脂組成物、樹脂成形品、酸化銅クロムスピネルの製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01G 37/00 20060101AFI20240725BHJP(無機化学)
要約【課題】樹脂成形品とした際に好適に用いられる粒子径、およびめっき結合性を有する酸化銅クロムスピネル、その樹脂組成物、樹脂成形品、及び、前記酸化銅クロムスピネルの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】モリブデンを含み、D50が2.0μm以下であることを特徴とする、酸化銅クロムスピネルを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
モリブデンを含み、D50が2.0μm以下である、酸化銅クロムスピネルであって、
前記モリブデンは、前記酸化銅クロムスピネルの表面に付着する形態、前記酸化銅クロムスピネルの結晶構造の一部を置換する形態、及び、アモルファスの状態で含まれる形態のうちの少なくとも一つの形態で含まれ、
前記酸化銅クロムスピネルにおけるモリブデン含有量は、前記酸化銅クロムスピネルをXRF分析することによって求められる、前記酸化銅クロムスピネル100質量%に対するMoO

換算での含有率(Mo

)で0.05~5.0質量%である、酸化銅クロムスピネル。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記酸化銅クロムスピネルの表層におけるモリブデン含有量は、前記酸化銅クロムスピネルをXPS表面分析することによって求められる、前記酸化銅クロムスピネルの表層100質量%に対するMoO

換算での含有率(Mo

)で0.05~15.0質量%である、請求項1に記載の酸化銅クロムスピネル。
【請求項3】
前記酸化銅クロムスピネル100質量%に対するMoO

換算での含有率(Mo

)に対する、前記酸化銅クロムスピネルの表層100質量%に対するMoO

換算での含有率(Mo

)であるモリブデンの表層偏在比(Mo

/Mo

)が2.0以上である、請求項1に記載の酸化銅クロムスピネル。
【請求項4】
前記酸化銅クロムスピネルのXRF分析により求められる含有率(Cu

)に対するXPS表面分析により求められる含有率(Cu

)である銅の表面偏在比(Cu

/Cu

)が、1より上である、請求項1に記載の酸化銅クロムスピネル。
【請求項5】
前記酸化銅クロムスピネルの表層における銅含有量は、前記酸化銅クロムスピネルをXPS表面分析することによって求められる、前記酸化銅クロムスピネルの表層100質量%に対するCuO換算での含有率(Cu

)で50.0質量%以上である、請求項1又は4に記載の酸化銅クロムスピネル。
【請求項6】
平均粒子径が0.1~10μmである、請求項1に記載の酸化銅クロムスピネル。
【請求項7】
BET法で測定される比表面積が0.01~10m

/gである、請求項1に記載の酸化銅クロムスピネル。
【請求項8】
モリブデン化合物の存在下で、銅化合物、及びクロム化合物を焼成することを含む、請求項1に記載の酸化銅クロムスピネルの製造方法。
【請求項9】
前記モリブデン化合物が、三酸化モリブデンである、請求項8に記載の酸化銅クロムスピネルの製造方法。
【請求項10】
請求項1又は4に記載の酸化銅クロムスピネル、
熱可塑性樹脂、又は、熱硬化性樹脂、及び、
無機充填剤を含有する樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モリブデンを含む酸化銅クロムスピネル、及びその製造方法に関する。さらに、前記酸化銅クロムスピネルと、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、無機充填剤と、を含有する樹脂組成物、及びその成形品に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロニクス、メカトロニクスの分野において機器の小型化、軽量化、多機能化が進んでいる。特に自動車分野では、コネクト化、サービス化、自動化が進み、センサーやモジュールが増加する一方、電動化に向け車重の抑制が求められ、機械的部品と電気回路部品の軽量小型化が強く要望されている。これに対応可能な技術として、成形回路部品(MID:Molded Interconnect Device)に係る技術が注目されている。MIDとは、樹脂成形品に回路、電極等を成形する技術であり、回路、電極等が樹脂成形品と一体化されることにより、部品の小型化、軽量化を可能とすることができる。
【0003】
MIDには、樹脂成形品を表面粗化してめっきを行う1回成形法、回路形成用樹脂と絶縁部形成用樹脂とを個別に2回成形してこれを一体化する2回成形法、樹脂成形品にスタンピングダイを用いて直接回路等を形成するホットスタンピング法等がある。
【0004】
これらのうち、1回成形法の1種であるLDS(Laser Direct Structuring)技術が、製造コストを削減でき、超微細な回路が短期間で作製可能である等の観点から特に注目されている。なお、LDS技術とは、所定の添加剤を含む樹脂成形品に対し、レーザーを照射すると、レーザーを照射した部分が表面粗化および添加剤が活性化し、レーザー照射部分に強固なめっき層の形成を可能とする技術である。
【0005】
このため、LDS技術に適用できる添加剤の研究が進められている。添加剤としては、スピネル型の金属酸化物が一般的に用いられている(特許文献1、2)。特に銅を含むスピネル型の金属酸化物は、銅めっきパターンとの密着性の観点から活用されている。
【0006】
特許文献1には、熱的に高安定性であり、酸性またはアルカリ性の水性金属化浴中において耐久性があるスピネル構造を有する高酸化物、又は、簡単なd-金属酸化物またはその混合物、又は、スピネル構造に類似する混合金属酸化物を含有するコンダクタートラック構造物が示されている。
【0007】
特許文献2には、非導電性金属化合物が、スピネル型の金属酸化物、周期表第3族~第12族の中から選択されており、かつ当該族が隣接する2以上の遷移金属元素を有する金属酸化物、および錫含有酸化物からなる群から選択される一種以上を含むものである、活性エネルギー線の照射により金属核を形成する非導電性金属化合物を含むLDS用熱硬化性樹脂組成物が示されている。
【0008】
しかしながら、これらの金属酸化物を含む樹脂組成物では、めっき後の金属配線が、成形品から剥落することがあるという問題がある。その要因として、金属酸化物の粒子形状や粒子径の制御が不十分で樹脂中に均一に分散されていないこと、めっき析出の核となる金属酸化物とめっき金属との結合力が弱いことなどが挙げられる。
【0009】
特許文献3には、銅-クロムの黒色剤の製造方法として、酸化クロムと酸化銅、酸化亜鉛、酸化モリブデンを、52~75%:22~44%:1~6%:0.1~4%の比率で混合し、820~960℃で1~3時間、固相焼結し、ボールミル粉砕によってD99を5~5.5μmに調整する銅-クロムの黒色剤の製造方法が示されている。しかしながら、得られる粒子は、粉砕により結晶性が低下しており、また、粒子径は依然として大きく、LDS用添加剤には適していない。
【0010】
非特許文献1には、CuCr



粒子の製造方法として、硝酸銅3水和物と硝酸クロム9水和物を純水中で攪拌し、アンモニア溶液を加えてpHを8に調整後、CTABエタノール溶液とヒドラジンを添加し、Cu:Cr:CTB:H

O:ヒドラジンのモル比を1:2:0.75:250:1となるように調製する工程、前記溶液をオートクレーブ容器中で180°Cで24時間常圧で水熱処理する工程、得られた固体生成物を120°Cで乾燥後、大気中で750°Cで6時間焼成する工程、を有するCuCr



スピネルナノ粒子の製造方法が示されている。しかしながら、得られる粒子は100nm以下の微小粒子であり、LDS用添加剤として用いるには小さすぎるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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