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公開番号2024097449
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-19
出願番号2023000902
出願日2023-01-06
発明の名称医療用吸収材料及びその製造方法
出願人国立大学法人 大分大学,学校法人加計学園,大分県
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C23C 8/36 20060101AFI20240711BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】吸収性の埋込医療機器に用いることができる分解制御された医療用吸収性材料を実現できるようにする。
【解決手段】医療用吸収性材料の製造方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金化なる基材111を準備する工程と、基材111の表面を大気圧プラズマにより酸化して分解抑制膜112を形成する工程とを備えている。分解抑制膜112を形成する工程は、基材111の温度が500℃未満の条件で行う。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材を準備する工程と、
前記基材の表面を大気圧プラズマにより酸化して分解抑制膜を形成する工程とを備え、
前記分解抑制膜を形成する工程は、前記基材の温度が500℃未満の条件で行う、医療用吸収性材料の製造方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記分解抑制膜を形成する工程において、厚さが0.1μm以上、5μm以下の前記分解抑制膜を形成する、請求項1に記載の医療用吸収性材料の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医療用吸収性材料の製造方法を備え、
前記基材はステントである、医療用吸収性材料からなるステントの製造方法。
【請求項4】
酸素を含むガスの大気圧プラズマを発生させて先端ノズルから噴出させるプラズマジェット発生部と、
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材を保持する基材保持部とを備え、
前記基材保持部は、保持した基材の温度を500℃未満に維持する冷却機能を有している、医療用吸収性材料の製造装置。
【請求項5】
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材と、
前記基材の表面に形成された分解抑制膜とを備え、
前記分解抑制膜は、厚さが0.1μm以上、5μm以下のプラズマ酸化膜である、医療用吸収性材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用吸収材料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ステント等の体内に埋め込まれる埋込医療機器の材料として、マグネシウムやマグネシウム合金が着目されている。マグネシウムやマグネシウム合金は、生体内で分解吸収される吸収性材料である。このため、マグネシウムやマグネシウム合金を用いることにより、血管の拡張や薬剤の送達等の治療が終わった後、生体内に吸収され体外へ取り出す必要がないステントが実現できると期待される。
【0003】
しかし、マグネシウムやマグネシウム合金は、生体内において急速に分解されて強度低下が生じる。しかし、ステント治療においては血管の拡張を3~6か月程度行う必要があるので、通常のマグネシウムやマグネシウム合金により形成したステントでは十分な治療を行うことができない。
【0004】
マグネシウムやマグネシウム合金を用いたステントの分解を遅らせて、必要な治療期間を確保できるようにすることを目的として、材料組成の検討が行われている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、主成分はマグネシウムであり選択範囲は限られているので、十分な成果は得られていない。組成の変更等を行わずに分解速度を遅らせる方法として、オゾン酸化処理によりステントの表面に酸化膜を形成することが検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2001-511049号広報
特開2013-215332号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、オゾン酸化により形成した酸化膜は極めて薄く、十分な分解抑制機能を有さず、必要な治療期間を確保することが困難である。酸化膜の形成方法としては、陽極酸化等の方法もあるが、これらはウエット処理であり、簡便性に劣るという問題がある。ステント等の埋込医療機器による治療期間は、症状や適用部位等によって変化するため、分解抑制機能を容易にコントロールできるようにすることが好ましい。
【0007】
本開示の課題は、吸収性の埋込医療機器に用いることができる分解速度が制御された医療用吸収性材料を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の医療用吸収性材料の製造方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材を準備する工程と、基材の表面を大気圧プラズマにより酸化して分解抑制膜を形成する工程とを備え、分解抑制膜を形成する工程は、基材の温度が500℃未満の条件で行う。
【0009】
本開示の医療用吸収性材料の製造方法によれば、大気圧プラズマを用いて基材を酸化することにより、基材の表面に比較的厚い酸化膜からなる分解抑制膜を形成することが容易にできる。また、基材の温度を500℃未満とすることにより、マグネシウム等からなる基材の変性や焼失を防ぐことができる。また、ドライな工程であり、処理を容易に行うことができる。
【0010】
本開示の医療用吸収性材料の製造装置は、酸素を含むガスの大気圧プラズマを発生させて先端ノズルから噴出させるプラズマジェット発生部と、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材を保持する基材保持部とを備え、基材保持部は、保持した基材の温度を500℃未満に維持する冷却機構を有している。
(【0011】以降は省略されています)

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