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公開番号2024096735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-17
出願番号2024054192,2022127820
出願日2024-03-28,2017-12-20
発明の名称アレルギーの抗原およびそのエピトープ
出願人学校法人藤田学園,ホーユー株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C07K 14/46 20060101AFI20240709BHJP(有機化学)
要約【課題】魚に対するアレルギーの新規抗原のエピトープを含むポリペプチド、当該ポリペプチドを含むアレルギーの診断キット、診断用組成物、及び診断方法、当該ポリペプチドを含む医薬組成物、ならびに、当該ポリペプチドを含む抗原が除去若しくは低減された原料又は加工品に関する。本発明はさらに、対象物における抗原の有無を判定するためのテスターを提供する。
【解決手段】アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、特定のアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、アレルギーがポリペプチドを含むアレルゲンに対するアレルギーである、ポリペプチドが提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、以下:
(3α)配列番号156、157、231~237からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(11α)配列番号186、366~370からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(14α)配列番号198、418~420からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
のいずれか一つであり、
ここで、前記アレルギーが、前記ポリペプチドを含むアレルゲンに対するアレルギーである、前記ポリペプチド。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
アミノ酸残基数が500以下である、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリペプチドの少なくとも一つを含む、アレルギーの診断キットであって、ここで、前記アレルギーが、前記ポリペプチドを含むアレルゲンに対するアレルギーである、前記診断キット。
【請求項4】
アレルギーの診断用組成物であって、請求項1又は2に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、を抗原として含み、ここで、前記アレルギーが、前記ポリペプチドを含むアレルゲンに対するアレルギーである、前記診断用組成物。
【請求項5】
対象のアレルギーを診断するための指標を提供する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる、ここで当該試料はIgE抗体が含まれる溶液である;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象がアレルギーであることの指標が提供される;
を含み、ここで当該抗原は、請求項1又は2に記載のポリペプチドの少なくとも一つであり、前記アレルギーが、前記ポリペプチドを含むアレルゲンに対するアレルギーである、前記方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のポリペプチドの少なくとも一つを含む医薬組成物。
【請求項7】
アレルギーを治療するための、請求項6に記載の医薬組成物であって、ここで、前記アレルギーが、前記ポリペプチドを含むアレルゲンに対するアレルギーである、前記医薬組成物。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のポリペプチドの少なくとも一つと結合する抗体を含むことを特徴とする、対象物における抗原の有無を判定するためのテスター。
【請求項9】
以下のいずれかのプライマー:
(a)請求項1又は2に記載のポリペプチドをコードする核酸の塩基配列の一部及び/またはその相補鎖の一部を含むプライマー;または
(b)配列番号109、または143で示される塩基配列の少なくとも1つの一部であるプライマーおよび/または配列番号109、または143で示される塩基配列の少なくとも1つと相補的な配列の一部であるプライマー;
を含むことを特徴とする、対象物における抗原の有無を判定するためのテスター。
【請求項10】
抗原が除去若しくは低減されていることを特徴とする原料又は加工品であって、当該抗原は請求項1又は2に記載のポリペプチドの少なくとも一つである、前記原料又は加工品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、魚に対するアレルギーの新規抗原に関する。本発明はまた、魚に対するアレルギーの診断キット、診断用組成物、および診断方法に関する。本発明はまた、当該抗原を含む医薬組成物、および当該抗原が除去または低減された魚、魚卵、当該魚もしくは当該魚卵加工品、または当該魚卵を産むもしくは当該魚卵から生まれた魚に関する。本発明はさらに、対象物における魚抗原の有無を判定するためのテスターに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【0002】
本発明はまた、抗原のエピトープを含むポリペプチドに関する。本発明はまた、当該ポリペプチドを含むアレルギーの診断キット、診断用組成物、及び診断方法に関する。本発明はまた、当該ポリペプチドを含む医薬組成物、及び当該ポリペプチドが除去若しくは低減された原料又は加工品に関する。本発明はさらに、当該ポリペプチドが除去若しくは低減された加工品の製造方法に関する。本発明はさらにまた、対象物における当該ポリペプチドを含む抗原の有無を判定するためのテスターに関する。
【背景技術】
【0003】
アレルギー患者の血液および組織中では、特定の抗原に特異的なIgE抗体が産生される。このIgE抗体と特定の抗原の相互作用により生じた生理学的結果によりアレルギー反応が惹起される。
【0004】
従来のアレルギー検査薬においては、単にアレルゲン候補の食品・食材等をすりつぶして抗原試薬を作成していることが多い(特許文献1)。このため、試薬中には無数のタンパク質が含まれており、個々のタンパク質の含有量は非常に少ないものであった。このため、従来の抗原試薬中に含まれる多数のタンパク質の中で、IgE抗体との結合について陽性反応が判定可能な閾値を超える含有量のタンパク質が当該アレルギー反応を引き起こす特定の抗原タンパク質(アレルゲンコンポーネント)であった場合にのみ、アレルギー検査における陽性反応を検出することが可能であった。逆に、食品・食材等のアレルゲン中の含有量が少ないアレルゲンコンポーネントにIgE抗体が結びつく患者については、従来のアレルギー検査薬を用いても陽性反応が判定できず、診断効率は十分に高いとはいえない状態であった。
【0005】
また、アレルギー反応の症状や重篤度は、アレルゲンコンポーネントの含有量とは必ずしも相関しない。アレルゲン候補の食品・食材中に微量に含まれるアレルゲンコンポーネントに患者のIgE抗体が反応する場合であってもアレルギー症状が現れたり、重篤度に関与したりする場合がある。
【0006】
食品・食材を構成する一つ一つのタンパク質に対するIgE抗体を調べることにより、診断に直結する感作と汎アレルゲン等による交差抗原性に基づく感作を区別して診断効率を上げる試みも進められている。魚アレルゲンに関しては、現在、以下の表に示すものなどが知られている(非特許文献1~4)。
【0007】
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しかしながら、アレルギー検査の信頼度を高めるためには、アレルゲン候補の食品・食材において、アレルゲンコンポーネントを網羅的に特定する必要があるところ、上記アレルゲンコンポーネントの測定による患者検出率はまだまだ不十分である。魚の新規アレルゲンを同定することは、診断薬の精度を高めるだけでなく、低アレルゲン食品、低アレルゲン食材や治療薬のターゲットとしても非常に重要である。
【0008】
一方、タンパク質の分離・精製に関しては、従来、細胞抽出物などからタンパク質や核酸を分離・精製する方法が種々に検討されてきている。塩濃度を利用した透析、遠心分離などはその一例であるといえる。
【0009】
また、タンパク質や核酸の残基が有する電荷や、分子量の違いを利用した精製方法も多数検討されている。電荷を利用した精製方法としては、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーや等電点電気泳動を例示できる。分子量の違いを利用した精製方法としては遠心分離、分子量ふるいによるカラムクロマトグラフィーやSDS-PAGE(ドデ
シル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を例示できる。
【0010】
近年、少量のサンプルから多様なタンパク質を分離精製する方法として、1次元目に等電点電気泳動を行い、2次元目にSDS-PAGEを行う2次元電気泳動法が用いられている。出願人らはこれまでに、分離能が高い2次元電気泳動法を開発してきた(特許文献2~5)。
(【0011】以降は省略されています)

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