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公開番号2024094189
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210988
出願日2022-12-27
発明の名称無機塩含有歯科用陶材ペースト
出願人株式会社松風
代理人個人
主分類A61K 6/836 20200101AFI20240702BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】長期保存においても一定のペースト性状を維持でき、また有機成分が含まれる場合であっても焼成時に炭化や気泡がほとんど発生しない歯科用陶材ペーストを提供する
【解決手段】歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストを、平均粒子径D50が1-20μmの基材ガラス(a)、平均一次粒子径が1-50nmの疎水化微粒子シリカ(b)、100-300℃沸点を有する有機溶剤(c)、及び、無機塩(d)を含むものとする。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストであって、
平均粒子径D50が1~20μmの基材ガラス(a)、
平均一次粒子径が1~50nmの疎水化微粒子シリカ(b)、
100~300℃沸点を有する有機溶剤(c)、及び、
無機塩(d)
を含むことを特徴とする歯科用陶材ペースト。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
基材ガラス(a)100質量部に対して、
1~15質量部の疎水化微粒子シリカ(b)、
15~90質量部の有機溶剤(c)、
0.05~1.0質量部の無機塩(d)を含むことを特徴とする請求項1記載の歯科用陶材ペースト。
【請求項3】
無機材料である着色材(e)及び/又は蛍光材(f)をさらに含む請求項1に記載の歯科用陶材ペースト。
【請求項4】
無機材料である着色材(e)及び/又は蛍光材(f)をさらに含む請求項2に記載の歯科用陶材ペースト。
【請求項5】
基材ガラス(a)の最大粒子径D100が200μm以下である請求項1~4のいずれかに記載の歯科用陶材ペースト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、人工歯等の歯科補綴装置に使用され、長期保存においても一定のペースト性状を維持し、操作性に優れた歯科用陶材ペーストに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
インレー、クラウン、ブリッジなどの歯科補綴装置作製のための材料として、アルミナやジルコニアなどの酸化セラミックスや、長石系ガラスやケイ酸リチウムガラスなどのガラスセラミックスなど、アレルギー性が少なく、強度や審美性に優れたコア材料の需要が高まっている。特に近年では、CAD/CAM技術の発展に伴い、材料単体で歯科補綴装置の形状を確保する容易な技術が主流となりつつある。しかし、酸化セラミックスはマルチレイヤー化技術が進歩するものの、依然として透明性が低いこと、ガラスセラミックスは高い透明性があるものの、天然歯固有の部分的な色調再現が難しいことが課題である。このため、材料単体で審美性を担保するには、材料特性が不十分であることが現状である。歯科補綴装置に天然歯と同等の審美性を付与するため、光沢や透明性、着色を補う併用材料が必要である。
【0003】
酸化セラミックスやガラスセラミックスのコア材料に光沢や透明性、着色を付与する材料は、一般的にガラス、ガラスセラミックス、酸化セラミックス材料等が選択される。この材料は通常、粉末状の基材ガラスを、焼き付け時に消失する液成分で練和してペースト化して使用する。この場合、術者の技量に左右されないよう、あらかじめ塗布に適する粘性のペースト状(スラリー化)にしておくことが好ましい。本技術に使用する練和液の例として、特許文献1には、芳香環を含まないエステル化合物を5wt%以上含み、かつ重合性単量体を含まない、有機溶剤が開示されている。しかし、これら練和液を単純に基材ガラスと混合したペーストは、長期保存においての変化が著しく、ペーストの沈降、液分離、ガラスと液の経時的なじみによる稠度(粘性)の低下などが生じる。このような経時的変化は、精密な作業を有する歯科技工作業において、作業効率の悪化や一定の作業性維持が難しくなる。
【0004】
このような経時的変化は、ペースト中の粒子存在状態の変化が原因であり、具体的には、粒子の凝集や、粒子及び凝集物の沈降などが生じる。この変化を抑制するため、ペースト中の粒子を分散させるための有機高分子分散剤を別途添加し、長期保存においても一定のペースト性状を維持させる方法もある。特許文献2には、使用時に乾燥・固化しにくい歯科用ペースト状陶材が開示されている。高分子材料を溶解させた粘度が50,000~1,500,000cpsの有機溶剤を7~45重量部と残部の陶材粉末とで100重量部になるよう混合され、ペースト状を呈していることを特徴としている。しかしこの場合、焼成時に有機高分子成分の影響による炭化や気泡発生の原因となる。
【0005】
このように、あらかじめペースト状にしておく技術が有用である一方、長期保存において一定のペースト性状が維持できない、もしくは一定のペースト性状を維持するために、光沢や透明性、色調を弊害するリスクのある安定化成分を添加しなければならない課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-193492号報
特開2001-079019号報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明では、長期保存においても一定のペースト性状を維持でき、また有機成分が含まれる場合であっても焼成時に炭化や気泡がほとんど発生しない歯科用陶材ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストであって、平均粒子径D50が1~20μmの基材ガラス(a)、平均一次粒子径が1~50nmの疎水化微粒子シリカ(b)、100~300℃沸点を有する有機溶剤(c)、及び、無機塩(d)を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明における「平均粒子径D50」とは、粒子の平均値を表すメディアン径(中位径)である。基材ガラスの平均粒子径は、例えばレーザー回折・散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気的検知体法、篩分け法、光子相関法などを用いた測定法により求めることができる。本発明の基材ガラス(a)は、いずれかの測定法において平均粒子径D50が1~20μmであればよく、特にレーザー回折・散乱法において平均粒子径D50が1~20μmであるものとすることができる。
【0010】
本発明における「平均一次粒子径」とは、凝集していない状態での全粒子径の平均値である。疎水化微粒子シリカの平均一次粒子径は、例えばガス吸着法、水銀圧入法、ガス浸透法、バブルポイント法などを用いた測定で得られた比表面積から算出することができる。本発明の疎水化微粒子シリカ(b)は、いずれかの測定法において平均一次粒子径が1~50nmであればよく、特にガス吸着法において平均一次粒子径が1~50nmであるものとすることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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