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公開番号2024086781
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-28
出願番号2024060539,2020201721
出願日2024-04-04,2020-12-04
発明の名称表面分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類G01N 23/2252 20180101AFI20240621BHJP(測定;試験)
要約【課題】散布図上の点を自動的にクラスタリングする際の偽のクラスターの検出を回避し、クラスタリングの精度を向上させる。
【解決手段】本発明に係る表面分析装置の一態様は、試料(3)上の複数の位置においてそれぞれ分析対象である複数の成分又は元素の量を反映した信号を取得する測定部(1-2、4-8)と、測定部による測定結果に基いて3元散布図を作成する散布図作成部(97)と、3元散布図中のデータ点に対応する三つの成分又は元素の信号値を加算した加算信号値の分布情報を利用して、該加算信号値が相対的に小さい所定の信号値範囲のデータ点を該3元散布図上に存在する全てのデータ点から除外するデータ点選択部(98)と、データ点選択部において除外されなかった3元散布図中のデータ点を、密度準拠型クラスター分析の手法を用いてクラスタリングするクラスター分析部(94)と、を備える。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
試料上の複数の位置においてそれぞれ分析対象である複数の成分又は元素の量を反映した信号を取得する測定部と、
前記測定部による測定結果に基いて3元散布図を作成する散布図作成部と、
前記3元散布図中のデータ点に対応する三つの成分又は元素の信号値を加算した加算信号値の分布情報を利用して、該加算信号値が相対的に小さい所定の信号値範囲のデータ点を該3元散布図上に存在する全てのデータ点から除外するデータ点選択部と、
前記データ点選択部において除外されなかった前記3元散布図中のデータ点を、密度準拠型クラスター分析の手法を用いてクラスタリングするクラスター分析部と、
を備える表面分析装置。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記データ点選択部は、前記加算信号値のヒストグラムを作成し、該ヒストグラムにおいて検出される極大値及び/又は極小値を示す階級を利用して、除外するデータの信号値範囲を決める、請求項1に記載の表面分析装置。
【請求項3】
前記データ点選択部は、前記ヒストグラムにおいて前記極大値を示す階級よりも上側の、直近の極小値を示す階級を特定し、強度=0から該特定された極小値の階級までの強度範囲に含まれるデータを除外する、請求項2に記載の表面分析装置。
【請求項4】
前記クラスター分析部は階層的密度準拠型クラスター分析を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の表面分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料上の1次元又は2次元の測定領域に存在する成分や元素の分布を調べる表面分析装置に関する。この表面分析装置は、電子線マイクロアナライザ(Electron Probe Micro Analyzer:EPMA)、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)、蛍光X線分析装置などを含む。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
EPMAを用いた元素マッピング分析では、試料上の2次元領域内の多数の微小領域それぞれについて、含有元素の種類と量を調べることができる。こうした元素マッピング分析で得られた結果を解析する際には、2元素又は3元素についての特性X線強度又はその強度から計算される元素濃度の散布図(2軸又は3軸の各軸にそれぞれ元素の相対強度をとった図)を作成し、その図上のプロット点の分布から、試料に含まれる化合物の種類や含有割合を確認する手法、即ち、相解析(又は相分析)がしばしば用いられる(特許文献1、2参照)。例えば、特許文献2の図10には2元散布図の一例が、同文献の図11には3元散布図の一例が示されている。
【0003】
散布図上の一つの点(以下、散布図上にプロットされた点を「データ点」という)は試料上の一点(微小領域)に対応する。したがって、散布図上でデータ点が密集している領域は、試料上において含有元素が同じような割合で含まれている部位に対応していると推定される。そこで、相解析では一般に、分析者は、散布図上でデータ点が密集している領域を一つのクラスターつまりは関連するデータ点の集合であると認識し、マウスなどのポインティングデバイスを用いてその領域を多角形等の適当な図形で囲む操作を行い、さらに、その領域毎に、異なる表示色を指定する操作を行う。こうした操作がなされると、EPMAの表示装置の画面上には、一又は複数のクラスター領域に含まれる各データ点にそれぞれ対応した試料上の位置が、指定された色で以て彩色された相マップが表示される。
【0004】
近年、AI(人工知能)技術の急速な進展に伴って、こうした技術を利用して、上述したような散布図上の多数のデータ点を自動的に複数の集合に割り振る処理を行うことが試みられている。こうした処理には、教師無し機械学習の代表的な手法であるクラスター分析が好適である。クラスター分析には様々なアルゴリズムのものが知られているが、散布図上のデータ点をその密度に応じて複数のクラスターに分けるための手法としては、例えば非特許文献1、2等に開示されている密度準拠型クラスター分析(Density-Based Clustering)が有用である。実測により得られた2元散布図に対し、密度準拠型クラスター分析を用いてクラスターを自動的に抽出した例を図12に示す。この例では、6個のクラスターが抽出されていることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-125952号公報
特開2011-153858号公報
【非特許文献】
【0006】
Ester M.、ほか3名、「A Density-Based Algorithm for Discovering Clusters in Large Spatial Databases with Noise」、Proceedings of 2nd International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (KDD-96)、pp.226-231、1996年
Ricardo J.G.B. Campello、ほか2名、「Density-Based Clustering Based on Hierarchical Density Estimates」、Springer、pp.160-172、2013年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、EPMAにより得られるデータに基いて作成される散布図では、様々な要因によってデータ点の偏在や特異的な分布が生じる場合があり、そのために、上述したような既存のクラスター分析の手法を適用した場合に偽のクラスターが検出されてしまうことがある。
【0008】
例えば、図4は、実測結果に基いて作成された2元散布図上のデータ点を自動的にクラスタリングした結果を示す図である。図中、多角形状の線で囲まれた範囲が自動的に検出された一つのクラスター領域である。図中に矢印で示す二つの箇所では、縦方向に線状に延びる小さなクラスターが多数検出されているが、これらは本来、各箇所で一つずつの大きなクラスターとして検出されることが適切である。即ち、縦方向に線状に延びる小さなクラスターは偽のクラスターである。
【0009】
また、図8は、実測結果に基いて作成された3元散布図上のデータ点を自動的にクラスタリングした結果を示す図である。図中、多角形状の線で囲まれた範囲が自動的に検出された一つのクラスター領域である。図8で明らかなように、3元散布図では、線状に連なるデータ点の集合が放射状に現れる場合があるが、そのデータ点の集合の一部を含む小さな範囲のクラスターが複数検出されている。これらには必ずしもクラスターとして適切でないものが含まれており、多くは偽のクラスターである。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、散布図上のデータ点を自動的にクラスタリングする際に偽のクラスターの検出を抑制し、そのクラスタリングの精度を向上させることができる表面分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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