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公開番号2024086507
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201670
出願日2022-12-17
発明の名称半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒、および半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法
出願人エレメント シックス リミテッド,株式会社ディスコ
代理人個人
主分類H01L 21/304 20060101AFI20240620BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】半導体部材の加工面の品質に優れるとともに高い耐久性能を備える半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒および半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒は、高温高圧(HPHT)単結晶ダイヤモンド砥粒を用いる。HPHT単結晶ダイヤモンド砥粒に対して行われたラマン分光法による測定で得られたダイヤモンドピーク波数の平均値が、IIa型単結晶ダイヤモンドに対して行われたラマン分光法による測定で得られたダイヤモンドピーク波数の平均値より小さい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
HPHT単結晶ダイヤモンド砥粒を用いた半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒であって、
前記HPHT単結晶ダイヤモンド砥粒に対して行われたラマン分光法によるダイヤモンドピーク測定で得られたダイヤモンドピーク波数の平均値が、IIa型単結晶ダイヤモンドに対して行われたラマン分光法による測定で得られたダイヤモンドピーク波数の平均値より小さいことを特徴とする半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
切断加工、または研磨・研削加工に用いる、請求項1に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒。
【請求項3】
炭素化合物に由来する結晶核および/または結晶欠陥を備える、請求項1または2に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒。
【請求項4】
平滑な結晶面を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒。
【請求項5】
平均粒子径が0.25~50μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒。
【請求項6】
HPHTIb型合成ダイヤモンド粒子に、イオン、電子線、陽子線、中性子線、およびガンマ線の少なくとも1種を照射した後、800℃未満の温度で10~240分間のアニールを行う、請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法。
【請求項7】
無定形炭素、並びに水素および/または水酸基を有する炭素化合物からなる原料を、質量比で前記無定形炭素:前記炭素化合物=7:3~4:6の混合比で混合し、圧力が5~10GPaであり、温度が1300~1800℃である条件で1~300秒保持することによって前記ダイヤモンド砥粒を合成する、請求項6に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法。
【請求項8】
前記無定形炭素はカーボンブラックであり、前記炭素化合物は脂肪族炭化水素、アルコール、および多価アルコールの少なくとも1種である、請求項6または7に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法。
【請求項9】
前記脂肪族炭化水素はポリエチレンであり、前記アルコールはメタノールであり、前記多価アルコールはペンタエリスリトールまたはキシリトールである、請求項8に記載の半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板などの半導体部材を加工するための半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒、および半導体部材加工砥石用ダイヤモンド砥粒の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは物質上最高の硬度を持ち、シリコンなどの種々の材料を研磨・研削する砥石、集積回路の切断に用いる砥石など、幅広く利用されている。近年では、単結晶質ダイヤモンドを用いた砥粒が注目されている。
【0003】
単結晶質ダイヤモンドには、天然ダイヤモンドや合成ダイヤモンドがある。天然ダイヤモンドは、そのほとんどがIa型であり、格子もしくは格子間に窒素を有する。また、天然ダイヤモンドにはIIa型の天然ダイヤモンドが存在するものの、不純物の含有量や結晶組織のばらつきが大きく、品質や性能が安定しない。さらに、天然ダイヤモンドは、採掘量に応じて価格が変動するため、安定供給に課題を残し、高価でもある。一方、合成ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドよりも一定品質のものを安定供給することができる。
【0004】
ところで、ダイヤモンド砥粒を用いた砥石は、加工量が大きいことに加えて、長期間使用することができるように、従来から高い耐久性能が要求されている。例えば特許文献1には、高い靭性や耐摩耗性を備えるダイヤモンドを用いた加工方法が開示されている。同文献によれば、ダイヤモンドに電子線を照射して孤立空孔欠陥を与えることにより、靭性や耐摩耗性硬度が向上する、とされている。
【0005】
また、特許文献2には、光学フィルタリング用途、機械的用途、および宝石用途に適用されるように、高濃度と一様な分布状態の両方を満たした窒素欠陥を有する単結晶CVD合成ダイヤモンド材料が開示されている。同文献に開示されている合成法は、成長させたままの窒素空孔欠陥が所定濃度以上存在し、好ましくはアニールされると共に/或いは照射されたものでもよいことも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5554449号
特開2015-505810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の発明では、アニール温度が低くても1000℃と高く、孤立空孔欠陥がダイヤモンドに多数存在する。同文献には、孤立空孔欠陥は、クラックの進展を阻害するために高い靭性および耐摩耗性を示すことが記載されており、高い靭性を示すためには多くの孤立空孔欠陥が形成される必要がある、と記載されている。しかし、特許文献1に記載のダイヤモンド材料は靭性に優れるため、長時間加工したとしてもダイヤモンドの形態が維持される。また、耐摩耗性に優れているとは言え、ダイヤモンド材料と被加工物との接点である加工点が加工前の鋭利な状態で恒常的に維持されることはない。研磨・研削加工においては、靱性及び/又は耐摩耗性を有したダイヤモンド材料を用いると砥石が目つぶれしてしまい、所望の加工精度が得られなくなる。また、切断加工においては、良質なカットラインが徐々に得られなくなる。
【0008】
また、特許文献1の段落0020および0032には、単結晶化学気相堆積(Chemical Vapor Depositon、以下、適宜、「CVD」と称する。)ダイヤモンド板を切削刃の形成に用い、独特の色によるブランド化をもたらすため、電子線などの照射後に約700℃、もしくは約700℃を超える温度に加熱されてもよいことが記載されている。しかし、単結晶CVDダイヤモンド板を砥粒に用いるためには、数限りないCVD成膜による生成および粉砕の工程が必要であり、現実的ではない。実際、1回のCVD成膜で得られるCVDダイヤモンドは数g程度であり、砥石向けの砥粒を大量に得ることは不可能に近い。また、CVDダイヤモンドの中でも特に単結晶質ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドの微結晶が同じ方位で集合したものであるため、HPHTにより製造された単結晶ダイヤモンドのように砥粒として用いることは不適切である。このため、特許文献1に記載の切削刃は、砥粒ではないために砥石に用いられるものではない。また、高温高圧(High―Pressure High-Temperature、以下、適宜、「HPHT」と称する。)とCVDで生成したダイヤモンドの結晶の構造は大きく異なるため、特許文献1に記載の発明のように、高靭性のHPHTダイヤモンドを得るためには、前述のように1000℃以上の高温でアニールを行う必要がある。
【0009】
特許文献2に記載のCVDダイヤモンドは、前述のように、機械的用途に限らず、光学フィルタリング用途や宝石用途などにも用いられるため、研磨・研削加工、切断加工などの、研磨・研削、切断などの機械加工用途に適しているとは言い難い。また、同文献には機械的用途に用いられることが記載されており、CVDダイヤモンドの非一様な耐摩耗性や破壊靭性の低下などの問題点を解決するため、窒素空孔欠陥が一様に分布するダイヤモンドを提供することが記載されている。このため、特許文献2に記載のCVDダイヤモンドから作製した砥粒であっても、特許文献1と同様に、研削・研磨加工や切断加工の課題が残る。
【0010】
近年では、電子部品の小型化が進む中、半導体部材の小型化や高品質化が要求されており、短時間で高品質な半導体部材の加工が要求されている。このような状況下において、研磨・研削加工、切断加工などの加工に用いられる砥粒および砥石の耐久性能は、更なる最適化が必要である。
(【0011】以降は省略されています)

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