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公開番号2024086323
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201394
出願日2022-12-16
発明の名称吊治具
出願人株式会社安藤・間,青山機工株式会社,吉永機械株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類E01D 19/12 20060101AFI20240620BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、従来技術に比して容易かつ安全に吊状態の床版の傾斜を調整することができる吊治具を提供することである。
【解決手段】本願発明の函体連結構造は、揚重機によって板状部材を吊るときに用いられる治具であって、本体部と索材移動手段、リンク機構を備えたものである。伸縮装置の伸縮に伴って、回転アームが固定端側の固定点周りに回転するとともに、移動体が天秤梁材の梁軸方向に移動することによって、索材の下端と吊滑車との間隔が変化し、揚重機によって吊り上げられた板状部材の傾斜を調整することができる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
揚重機によって板状部材を吊るときに用いられる治具であって、
平面視でX字状となるように配置された2つの天秤梁材を含んで構成される本体部と、
索材と移動体とを含んで構成される索材移動手段と、
伸縮装置と回転アームとを含んで構成されるリンク機構と、を備え、
前記索材移動手段と前記リンク機構は、それぞれの前記天秤梁材に設けられ、
前記天秤梁材の両端には、それぞれ吊滑車が取り付けられ、
前記移動体は、前記天秤梁材の梁軸方向に沿って往復移動し、
2つの前記索材が前記移動体に取り付けられるとともに、それぞれ異なる前記吊滑車を介して下方に垂下し、
不動端と伸縮端を有する前記伸縮装置は、前記天秤梁材の側方に配置されるとともに、該不動端で該天秤梁材にピン結合され、該不動端と該伸縮端との間隔が変化するように該天秤梁材の前記梁軸方向に沿って伸縮可能であり、
回転端と固定端を有する前記回転アームは、前記天秤梁材の梁軸直角方向に横断するように配置され、該回転端が前記伸縮装置の前記伸縮端にピン固定されるとともに、該伸縮装置の配置側とは異なる該天秤梁材の側方で該固定端が該天秤梁材にピン固定され、
前記回転アームに設けられたアーム孔と、前記移動体に設けられた移動体孔と、に支持ピンが挿通され、
前記吊滑車から垂下する前記索材の下端と前記板状部材を連結するとともに、前記揚重機が前記本体部の一部を係止すると、該揚重機によって該板状部材が吊り上げられ、
前記伸縮装置の伸縮に伴って、前記回転アームが前記固定端側の固定点周りに回転するとともに、前記移動体が前記天秤梁材の前記梁軸方向に移動することによって、前記索材の下端と前記吊滑車との間隔が変化し、前記揚重機によって吊り上げられた前記板状部材の傾斜を調整することができる、
ことを特徴とする吊治具。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記回転アームが、前記アーム孔が設けられた上側回転アームと、前記アーム孔が設けられた下側回転アームと、によって形成され、
前記上側回転アームと前記下側回転アームは、ぞれぞれの前記回転端が前記伸縮装置の前記伸縮端にピン固定されるとともに、それぞれの前記固定端が前記天秤梁材にピン固定され、
前記上側回転アームと前記下側回転アームとの間に挟まれるように前記移動体が配置されたうえで、該上側回転アームの前記アーム孔と前記移動体孔と該下側回転アームの前記アーム孔に前記支持ピンが挿通された、
ことを特徴とする請求項1記載の吊治具。
【請求項3】
前記天秤梁材は、側面視で折り曲げられた形状であり、前記吊滑車が中央部よりも上方に配置された、
ことを特徴とする請求項1記載の吊治具。
【請求項4】
前記伸縮装置の伸縮動作を遠隔操作する遠隔装置と、
傾斜角度を測定する角度測定器と、をさらに備え、
前記揚重機によって吊り上げられた前記板状部材の上面に前記角度測定器を配置することによって、該角度測定器の測定値を確認しながら前記遠隔装置を用いて該板状部材の傾斜を調整することができる、
ことを特徴とする請求項1記載の吊治具。
【請求項5】
前記天秤梁材は、前記梁軸方向の寸法を変更し得る構造である、
ことを特徴とする請求項1記載の吊治具。
【請求項6】
X字状となるように配置された2つの前記天秤梁材の交差角度を変更する交差角変更手段を、さらに備えた、
ことを特徴とする請求項1記載の吊治具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、揚重機が吊荷を吊上げるときに用いられる治具に関するものであり、より具体的には、吊上げた状態の吊荷の傾斜を容易に調整することができる吊治具に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
高度経済成長期に集中的に整備されてきた建設インフラストラクチャー(以下、「建設インフラ」という。)は、既に相当な老朽化が進んでいることが指摘されている。平成26年には「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言(社会資本整備審議会)」がとりまとめられ、平成24年の笹子トンネルの例を挙げて「近い将来、橋梁の崩落など人命や社会装置に関わる致命的な事態を招くであろう」と警鐘を鳴らし、建設インフラの維持管理の重要性を強く唱えている。
【0003】
一方、道路橋を設計する際の基準である「道路橋示方書」は、昭和14年度版が発行されて以来随時見直されてきており、特に兵庫県南部地震の後には大幅な改定が行われている。この結果、従来では十分に耐力のあった橋梁であっても、現在の設計基準に照らせばその耐力が不足している場合も少なくない。
【0004】
このように、老朽化と強度不足という2つの理由から、現在では橋梁の補強や改築がしばしば行われている。ところが現在の道路橋は、大量の交通を確保しており、つまり人の移動や流通産業を支えているのが現状であり、安易にその供用を止めることはできない。特に、高速道路など自動車専用道路の高架橋は、一日に数万台の車を通行させており、仮に通行させないとすればその経済的損失額は計り知れないものとなるし、救急の患者を搬送できないとすれば社会的な問題にもなりかねない。
【0005】
そこで、供用中の道路橋梁に対して改築工事等を行う場合、2車線のうちいずれか一方のみを規制して、つまり少なくとも1車線は開放したうえで実施するよう求められるケースも少なくない。また、橋梁によってはその上方に架空線が架設されているなど、改築工事等を行うにあたっての空頭制限が設定されることもある。すなわち供用中の道路橋梁における改築工事等は、平面制限と高さ制限のもとで実施することが強いられ、故に施工方法や使用機械には相応の工夫が必要になる。
【0006】
橋梁改築工事は、損傷部に対して行われ、中でも床版の取替工事は比較的頻繁に実施される。一般的に床版の取替工事は、鋼製主桁に連結されたコンクリート床版を専用機械で剥離し、そのコンクリート床版を運搬車両に積み込んで搬出し、撤去箇所を清掃したうえで搬入した新規のプレキャスト床版を設置する、といった手順を繰り返し行うことで実施する。
【0007】
ところで、道路橋梁の路面には、縦断勾配(橋軸方向の勾配)と横断勾配(橋軸直角方向の勾配)が設定されており、当然ながら床版もこれらの勾配に合わせて設置される。設置された床版の傾きや高さ、あるいは隣接する床版どうしの表面の平坦性(連続性)を確保することは、橋梁および道路としての機能上において極めて重要である。そのため、設置する直前の床版、つまり吊上げられた状態の床版は、架設後と同様の傾きとされたうえで、さらに床版間の面のずれがないことを確認しながら設置することが望ましい。これまでも、吊状態にある床版の傾きを、計画された縦断勾配と横断勾配となるよう調整しながら設置していた。
【0008】
吊状態にある床版の傾きを調整する従来技術としては、代表的に次のような手法を挙げることができる。第1の例は、移動式クレーンとチェーンブロックを使用して、床版を設置する方法(以下、「移動式クレーン方式」という。)である。この移動式クレーン方式では、移動式クレーン(ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンなど)で床版を揚重する。このとき、少なくとも床版には3以上の吊点を設け、これら各吊点とクレーンの親フックとの間にチェーンブロックを媒介させる。そして、チェーンブロックで床版の各吊点とクレーン親フックとの距離を可変とすることで、床版に任意の傾斜を発生させるわけである。
【0009】
第2の例は、いわば移動式クレーン方式を応用した方法であり、移動式クレーンチェーンブロックに加えて吊天秤を使用して、床版を設置する方法(以下、「吊天秤方式」という。)である。この吊天秤方式では、吊天秤と床版の間にチェーンブロックを媒介させたうえで、親フックで吊天秤を揚重する。移動式クレーン方式に比べて、吊天秤の重量が増加するため可能吊重量は低下するものの、吊ワイヤーやチェーンブロックの引張方向が鉛直に近くなり、それらに作用する張力が小さくなるため安全性は向上する。
【0010】
第3の例は、橋形クレーン(門型クレーン)とチェーンブロックを使用して、床版を設置する方法(以下、「橋型クレーン方式」という。)である。この橋型クレーン方式で使用する橋形クレーンには、親フックの他、フレームから懸架される複数のチェーンブロックが設けられる。そして床版の架設を行う際は、設置個所付近まで運搬された床版をチェーンブロックにて吊上げ、これらチェーンブロックの相対的な長さを調整することによって、吊状態の床版を所望の傾斜に調整する。使用するクレーンの種類が異なるため、移動式クレーン方式や吊天秤方式のように移動式クレーンのブームを上方に伸ばす必要がなく、したがって架空線等によって空頭制限が設けられている橋梁現場にも適用できる。
(【0011】以降は省略されています)

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