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公開番号2024086226
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201250
出願日2022-12-16
発明の名称加熱炉のシミュレーションシステム
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人サトー
主分類F27D 19/00 20060101AFI20240620BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】加熱炉における適切な制御条件を容易に求めることができ、実機によるテスト数の削減を可能とする。
【解決手段】シミュレーションシステム(1)は、炉内温度検出装置(11、12)と、トレイ温度検出装置(13)と、測定炉内温及び測定トレイ温度が入力される温度入力部(16)と、ワークの質量及び比熱、ワークの炉内雰囲気に触れている表面積、トレイに接触している接触面積を含む固有値を設定入力する条件入力部(17)と、炉内雰囲気からのワークに対する第1熱伝達係数及びトレイからのワークに対する第2熱伝達係数を設定する熱伝達係数設定部(18)と、検証用加熱炉の加熱動作を実行させる加熱動作制御部(19)と、加熱動作中の測定炉内温度、測定トレイ温度、固有値、第1及び第2熱伝達係数に基づいて、炉内雰囲気からワークに与えられる熱量及びトレイからワークに与えられる熱量を計算する熱量計算部(20)と、熱量計算部の計算した熱量に基づいてワーク温度を推定する温度推定部(21)とを備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加熱炉内にワーク(6)をトレイ(7)に支持された状態で収容し、前記ワークを目標温度で加熱処理する際の制御条件を、検証用加熱炉(2)を用いたシミュレーション処理により求めるためのシステム(1)であって、
前記検証用加熱炉内の雰囲気温度を測定する炉内温度検出装置(11、12)と、
前記検証用加熱炉内の前記トレイの温度を測定するトレイ温度検出装置(13)と、
前記炉内温度検出装置による測定炉内温度、及び、前記トレイ温度検出装置による測定トレイ温度が入力される温度入力部(16)と、
検証時における前記検証用加熱炉内に収容された前記ワークの質量及び比熱、該ワークの炉内雰囲気に触れている表面積、該ワークの前記トレイに接触している接触面積を含む固有値を設定入力する条件入力部(17)と、
炉内雰囲気からの前記ワークに対する第1熱伝達係数、及び、前記トレイからの前記ワークに対する第2熱伝達係数を設定する熱伝達係数設定部(18)と、
検証時に前記検証用加熱炉の加熱動作を実行させる加熱動作制御部(19)と、
前記検証用加熱炉における加熱動作中の前記測定炉内温度、前記測定トレイ温度、並びに、前記固有値、前記第1及び第2熱伝達係数に基づいて、前記炉内雰囲気から前記ワークに与えられる熱量及び前記トレイから該ワークに与えられる熱量を計算する熱量計算部(20)と、
前記熱量計算部の計算した熱量に基づいて、前記ワーク温度を推定する温度推定部(21)とを備える加熱炉のシミュレーションシステム。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記温度推定部は、前回推定時の推定ワーク温度に、前回推定時から前記ワークに与えられた炉内雰囲気からの熱量及び、前回推定時から該ワークに与えられたトレイからの熱量に基づいて、該ワークの今回の温度を推定することを、所定時間間隔で繰返し実行する請求項1記載の加熱炉のシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記炉内温度検出装置は、炉内の複数箇所に設けられて夫々温度を測定するように構成され、前記熱量計算部は、複数の測定炉内温度のうち最も低い温度を採用して計算を行う請求項1又は2記載の加熱炉のシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記熱伝達係数設定部は、シミュレーション処理を行うなかで、前記熱伝達係数を調整する請求項1記載の加熱炉のシミュレーションシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉内にワークをトレイに支持された状態で収容し、前記ワークを目標温度で加熱処理する際の制御条件を、検証用加熱炉を用いたシミュレーション処理により求めるための加熱炉のシミュレーションシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
加熱炉として、例えば電気・電子部品等の製造において、熱硬化性のシーリング材や接着剤等を加熱処理して硬化させるための硬化炉が知られている(例えば特許文献1参照)。この硬化炉は、炉本体に、電気ヒータ及びファン装置からなる熱風供給機構を備えて構成されている。そして、炉内に、トレイに多数個のワークを載置したトレイを複数段に収容し、オペレータが、加熱温度を例えば150℃、加熱時間を例えば30分に設定して加熱処理を開始させることにより、設定温度で、設定時間の加熱処理が行われるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-227419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した硬化炉にあっては、ワークを収容する個数言い換えればトレイの段数や、加熱開始時の炉内の初期温度などが異なると、適切な或いは十分な加熱時間が異なってくる。従来では、上記した設定温度や設定時間は、炉内の初期温度が十分に低く、ワークを満載して加熱処理する場合つまり最悪の条件を想定して決定されるようになっていた。しかし、最悪の条件で加熱時間を設定するものでは、非効率的で、必要以上の時間がかかる問題がある。また、上記加熱時間の設定時間を決定する際には、予め、実機による条件出しを何度も行う必要があり、テスト数が膨大なものとなる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、加熱炉における適切な制御条件を容易に求めることができ、実機によるテスト数の削減を可能とする加熱炉のシミュレーションシステムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の加熱炉のシミュレーションシステム(1)は、加熱炉内にワーク(6)をトレイ(7)に支持された状態で収容し、前記ワークを目標温度で加熱処理する際の制御条件を、検証用加熱炉(2)を用いたシミュレーション処理により求めるためのシステムであって、前記検証用加熱炉内の雰囲気温度を測定する炉内温度検出装置(11、12)と、前記検証用加熱炉内の前記トレイの温度を測定するトレイ温度検出装置(13)と、前記炉内温度検出装置による測定炉内温度、及び、前記トレイ温度検出装置による測定トレイ温度が入力される温度入力部(16)と、検証時における前記検証用加熱炉内に収容された前記ワークの質量及び比熱、該ワークの炉内雰囲気に触れている表面積、該ワークの前記トレイに接触している接触面積を含む固有値を設定入力する条件入力部(17)と、炉内雰囲気からの前記ワークに対する第1熱伝達係数、及び、前記トレイからの前記ワークに対する第2熱伝達係数を設定する熱伝達係数設定部(18)と、検証時に前記検証用加熱炉の加熱動作を実行させる加熱動作制御部(19)と、前記検証用加熱炉における加熱動作中の前記測定炉内温度、前記測定トレイ温度、並びに、前記固有値、前記第1及び第2熱伝達係数に基づいて、前記炉内雰囲気から前記ワークに与えられる熱量及び前記トレイから該ワークに与えられる熱量を計算する熱量計算部(20)と、前記熱量計算部の計算した熱量に基づいて、前記ワーク温度を推定する温度推定部(21)とを備えている。
【0007】
上記構成によれば、検証用加熱炉を用いたシミュレーション処理を行うにあたっては、検証用加熱炉の炉内に、ワークがトレイに支持された状態で収容され、加熱動作制御部により、検証用加熱炉の加熱動作が実行される。このとき、炉内温度検出装置により測定された炉内の測定炉内温度、及び、トレイ温度検出装置により測定されたトレイの測定トレイ温度が、温度入力部に入力される。これにより、検証用加熱炉の温度変動の状況をリアルタイムにセンシングすることができる。
【0008】
また、条件入力部により、予め、ワークの質量及び比熱、該ワークの炉内雰囲気に触れている表面積、該ワークのトレイに接触している接触面積を含む固有値が設定入力される。これと共に、熱伝達係数設定部により、炉内雰囲気からのワークに対する第1熱伝達係数、及び、トレイからのワークに対する第2熱伝達係数が設定される。そして、熱量計算部により、加熱動作中の測定炉内温度、測定トレイ温度、並びに、各固有値、第1及び第2熱伝達係数に基づいて、炉内雰囲気からワークに与えられる熱量及びトレイから該ワークに与えられる熱量が計算される。熱量計算部の計算した熱量に基づいて、温度推定部により、ワーク温度が推定される。
【0009】
ここで、単位時間当たりにワークに与えられる熱量は、ワークに接触している接触対象物この場合炉内の雰囲気温度及びトレイの温度とワーク温度との差に、ワークの接触面積、及び、接触対象物の熱伝達係数を乗算したものとなる。ワークの質量及び比熱は既知の値であり、ワークに与えられる熱量の積算値から、ワークの温度を推定することが可能となる。従って、検証用加熱炉の加熱動作の実行に基づき、入力される各種の情報を用いて、ワークの現在の温度や温度変化の様子をシミュレーションすることができる。
【0010】
このように、ワーク温度を推定することを可能としたことにより、ワーク温度が目標温度に達することを監視し、その後の適切な加熱時間を求めることができ、効率的な加熱処理が可能となる。そして、炉内状況、例えばワークの数や炉内の初期温度等に応じて、適切な加熱制御条件を求めることができる。更に、このように制御条件をシミュレーション処理により求めることにより、実機におけるテストを極めて簡単に済ませることが可能となる。この結果、加熱炉における適切な制御条件を容易に求めることができ、実機によるテスト数の削減を可能とするという優れた効果を奏する。
尚、上記検証用加熱炉としては、実機と同等の条件で同等の動作を行うものであれば良く、実機とは別に用意するようにしても良いが、実機をそのまま検証用加熱炉として実証実験に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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