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公開番号2024083400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024056613,2019157313
出願日2024-03-29,2019-08-29
発明の名称正極活物質及びその製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人
主分類H01M 4/525 20100101AFI20240614BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 優れた電池特性を示すことが可能な正極活物質を安定的に且つ取り扱い上の問題を生ずることなく製造する方法を提供する。
【解決手段】 組成式が例えばNixMnyCozMt(OH)2+α(Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選択される1種以上の添加元素)で示される遷移金属複合水酸化物とリチウム化合物との混合物を熱処理することで製造するリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質の製造方法であって、該熱処理は、好適には700℃以上900℃以下の範囲内にある閾値温度以下の低温域では酸素濃度20容量%以上30容量%以下の低酸化性ガス雰囲気で行い、該所定の閾値温度を超えた高温域では酸素濃度40容量%以上の高酸化性ガス雰囲気で行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前駆体としての遷移金属複合水酸化物とリチウム化合物との混合物を熱処理することで製造するリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質の製造方法であって、前記熱処理は、所定の閾値温度以下の低温域では酸素濃度20容量%以上30容量%以下の低酸化性ガス雰囲気で行い、該所定の閾値温度を超えた高温域では酸素濃度40容量%以上の高酸化性ガス雰囲気で行うことを特徴とする正極活物質の製造方法。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記閾値温度が700℃以上900℃以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の正極活物質の製造方法。
【請求項3】
前記遷移金属複合水酸化物は、組成式がNi

Mn

Co



(OH)
2+α
(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.95、0.05≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、-0.20≦α≦0.20、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選択される1種以上の添加元素)で示されること特徴とする、請求項1又は2に記載の正極活物質の製造方法。
【請求項4】
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、組成式がLi
1+u
Ni

Mn

Co




2+β
(-0.05≦u≦0.50、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.95、0.05≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、-0.20≦β≦0.20、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選択される1種以上の添加元素)で示されることを特徴とする、請求項3に記載の正極活物質の製造方法。
【請求項5】
前記リチウム化合物が、炭酸リチウム、水酸化リチウム、又はこれら両者の混合物であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の正極活物質の製造方法。
【請求項6】
少なくとも正極、負極、及び電解質から構成されるリチウムイオン二次電池であって、該正極の正極材料に請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法により製造された正極活物質を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用の正極活物質及びその製造方法、並びに該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットPCなどの小型情報端末が普及するに伴い、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な二次電池の需要が高まっている。また、ハイブリット電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電池式電気自動車などの電気自動車用の電源として、高出力の二次電池の開発が強く望まれている。上記用途の二次電池として、正極、負極、非水系電解質、及びセパレータで主に構成される非水系電解質二次電池が知られている。また、固体電解質を用いた全固体二次電池が次世代エネルギー貯蔵デバイスとして期待されている。
【0003】
上記の二次電池のうち、正極材料に層状又はスピネル型のリチウム遷移金属複合酸化物からなる活物質を用い、充放電によりリチウムの脱離・挿入を行うリチウムイオン二次電池が既に実用化されている。リチウムイオン二次電池は、4V級の電圧が得られるうえ、エネルギー密度等の特性にも優れているが、更なる特性の向上のため現在も盛んに研究開発が行われている。このリチウムイオン二次電池の正極活物質に用いるリチウム遷移金属複合酸化物には、様々な組成の複合酸化物が提案されている。
【0004】
例えば、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO

)、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO

)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn



)やリチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi
0.5
Mn
0.5


)、コバルトの一部をニッケルとマンガンで置換した三元系のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi
1/3
Co
1/3
Mn
1/3


)などを挙げることができる。
【0005】
また、正極活物質の形態も様々なものが提案されており、例えば特許文献1には、層状構造を有する六方晶系リチウム含有複合酸化物からなり、空隙を備えた二次粒子の形態を有する正極活物質が開示されており、平均粒径を3~12μmにすると共に粒度分布を狭く抑えることで、放電容量が大きく且つ高出力の二次電池が得られると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-229339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示されているように、比較的小粒径で粒度分布が狭い、即ち粒子径が揃った正極活物質を用いることで、サイクル特性や出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることが可能になる。しかしながら、小型情報端末や電気自動車は、近年ますます高機能化や高性能化が進められており、これらに搭載されるリチウムイオン二次電池には、より一層高い充電時の安定性が求められる傾向にある。かかる要望に応えるには、正極活物質の製造工程において、熱処理温度を上げたり、熱処理時間を長くしたりすることによって、正極活物質の結晶性を高めることが有効と考えられる。
【0008】
しかしながら、上記の熱処理条件では、正極活物質の粒子同士の凝集や焼結が促進されるため、凝集塊や焼結体が生成しやすくなって、該熱処理後に得られる粉粒体の形態を有する正極活物質の流動性が低下するなどの取り扱い上の問題が生ずるうえ、この正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池の電池特性にばらつきが生ずることがあった。本発明は上記の実状に鑑みてなされたものであり、優れた電池特性を有する正極活物質を安定的に且つ取り扱い上の問題を生ずることなく製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る正極活物質の製造方法は、前駆体としての遷移金属複合水酸化物とリチウム化合物との混合物を熱処理することで製造するリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質の製造方法であって、前記熱処理は、所定の閾値温度以下の低温域では酸素濃度20容量%以上30容量%以下の低酸化性ガス雰囲気で行い、該所定の閾値温度を超えた高温域では酸素濃度40容量%以上の高酸化性ガス雰囲気で行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取り扱いが容易で且つ電池特性に優れた正極活物質を工業規模で安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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