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公開番号2024079091
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191813
出願日2022-11-30
発明の名称酸化亜鉛微粒子の製造方法
出願人株式会社日清製粉グループ本社
代理人個人
主分類B22F 9/14 20060101AFI20240604BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】工程数を減らし、簡便な方法で酸化亜鉛微粒子が得られる酸化亜鉛微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】酸化亜鉛微粒子の製造方法は、プラズマトーチの内部に原料を供給し、プラズマトーチの周囲に配置されたコイルに振幅変調した高周波電流を供給してプラズマトーチの内部に熱プラズマ炎を発生させ、コイルの下端から、プラズマトーチの中心軸に沿って下向き方向に700mmまでの中心軸上に3000K以下の温度領域を発生させて、熱プラズマ炎により酸化亜鉛微粒子を製造する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
プラズマトーチの内部に原料を供給し、前記プラズマトーチの周囲に配置されたコイルに振幅変調した高周波電流を供給して前記プラズマトーチの前記内部に熱プラズマ炎を発生させ、
前記コイルの下端から、前記プラズマトーチの中心軸に沿って下向き方向に700mmまでの前記中心軸上に3000K以下の温度領域を発生させて、前記熱プラズマ炎により酸化亜鉛微粒子を製造する、酸化亜鉛微粒子の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記中心軸上に存在する3000K以下の前記温度領域に、供給された前記原料が、前記高周波電流の前記振幅変調の周期の2周期以内に到達する、請求項1に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記原料が、前記コイルの前記下端から前記中心軸に沿って前記下向き方向に800mmまでの前記中心軸上に存在する3000K以下の前記温度領域に、10ms以上滞留する、請求項1又は2に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項4】
前記コイルの前記下端から前記中心軸に沿って前記下向き方向に200mm、かつ前記下向き方向と直交する方向において前記中心軸を中心とした半径15mmの領域の少なくとも一部が、前記高周波電流の前記振幅変調の周期の1周期以内に2000K以下となる、請求項1又は2に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項5】
前記コイルの前記下端から前記中心軸に沿って前記下向き方向に200mm、かつ前記下向き方向と直交する方向において前記中心軸を中心とした半径15mmの領域に、供給された前記原料が、前記高周波電流の前記振幅変調の周期の1周期以内に到達する、請求項1又は2に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項6】
前記原料は亜鉛である、請求項1又は2に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項7】
前記熱プラズマ炎は、酸素を含む、請求項1又は2に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項8】
プラズマトーチの内部で発生した熱プラズマ炎を用いた酸化亜鉛微粒子の製造方法であって、
前記プラズマトーチの周囲を囲む第1のコイルと、前記第1のコイルの下方に設置され前記プラズマトーチの周囲を囲む第2のコイルと、前記第1のコイルに高周波電流を供給する第1の電源部と、前記第2のコイルに振幅変調した高周波電流を供給する第2の電源部とが設けられ、前記第1のコイルと前記第2のコイルとは前記プラズマトーチの長手方向に並んで配置されており、前記第1の電源部及び前記第2の電源部により、前記熱プラズマ炎が発生され、
前記プラズマトーチの前記内部で発生した前記熱プラズマ炎に微粒子製造用の原料を供給する第1の工程と、
前記原料を前記熱プラズマ炎で蒸発させ気相状態の混合物とし、前記混合物を冷却する第2の工程とを有し、
前記第1の工程及び前記第2の工程において、前記第2の電源部は、前記第2のコイルに振幅変調した高周波電流を供給し、
前記第2のコイルの下端から、前記プラズマトーチの中心軸に沿って下向き方向に700mmまでの前記中心軸上に3000K以下の温度領域を発生させる、酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項9】
前記中心軸上に存在する3000K以下の前記温度領域に、供給された前記原料が、前記高周波電流の前記振幅変調の周期の2周期以内に到達する、請求項8に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【請求項10】
前記原料が、前記第2のコイルの前記下端から前記中心軸に沿って前記下向き方向に800mmまでの前記中心軸上に存在する3000K以下の前記温度領域に、10ms以上滞留する、請求項8又は9に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを用いた酸化亜鉛微粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在、酸化亜鉛は、顔料又は添加剤として化粧料、医薬品、塗料等の各種の樹脂組成物に使用されている。また、酸化亜鉛は、紫外線防止能を有することから、化粧料においてはサンスクリーン剤の原料としても使用されている。これ以外にも、酸化亜鉛は、半導体又は圧電素子等の各種の電子材料に使用されている。
酸化亜鉛微粒子の製造方法として、例えば、特許文献1に、亜鉛化合物と酢酸とグリコールを混合して混合液を調製し、調製した混合液を50~200℃の温度で0.5~5時間保持することにより、混合液を反応させ、得られた反応液を遠心分離して反応液から白色沈殿物を分離し、この分離した白色沈殿物を溶媒に再分散させた後、この分散液を遠心分離して、平均粒径が200nm以下の酸化亜鉛微粒子を生成させる酸化亜鉛微粒子の製造方法であって、分散液から白色沈殿物を分離する工程を複数回繰り返すことにより、白色沈殿物を洗浄した後、この洗浄した白色沈殿物を25~60℃で真空乾燥することにより、酸化亜鉛微粒子を得る酸化亜鉛微粒子の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5071278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の酸化亜鉛微粒子の製造方法では、複数の工程を実施する必要があり、また、酸化亜鉛微粒子を得るために分散液から白色沈殿物を分離する工程を複数回繰り返す必要もある。このため、工程が煩雑である。
本発明の目的は、工程数を減らし、簡便な方法で酸化亜鉛微粒子が得られる酸化亜鉛微粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、プラズマトーチの内部に原料を供給し、プラズマトーチの周囲に配置されたコイルに振幅変調した高周波電流を供給してプラズマトーチの内部に熱プラズマ炎を発生させ、コイルの下端から、プラズマトーチの中心軸に沿って下向き方向に700mmまでの中心軸上に3000K以下の温度領域を発生させて、熱プラズマ炎により酸化亜鉛微粒子を製造する、酸化亜鉛微粒子の製造方法である。
【0006】
中心軸上に存在する3000K以下の温度領域に、供給された原料が、高周波電流の振幅変調の周期の2周期以内に到達することが好ましい。
原料が、コイルの下端から中心軸に沿って下向き方向に800mmまでの中心軸上に存在する3000K以下の温度領域に、10ms以上滞留することが好ましい。
コイルの下端から中心軸に沿って下向き方向に200mm、かつ下向き方向と直交する方向において中心軸を中心とした半径15mmの領域の少なくとも一部が、高周波電流の振幅変調の周期の1周期以内に2000K以下となることが好ましい。
コイルの下端から中心軸に沿って下向き方向に200mm、かつ下向き方向と直交する方向において中心軸を中心とした半径15mmの領域に、供給された原料が、高周波電流の振幅変調の周期の1周期以内に到達することが好ましい。
原料は亜鉛であることが好ましい。
熱プラズマ炎は、酸素を含むことが好ましい。
【0007】
本発明の一態様は、プラズマトーチの内部で発生した熱プラズマ炎を用いた酸化亜鉛微粒子の製造方法であって、プラズマトーチの周囲を囲む第1のコイルと、第1のコイルの下方に設置されプラズマトーチの周囲を囲む第2のコイルと、第1のコイルに高周波電流を供給する第1の電源部と、第2のコイルに振幅変調した高周波電流を供給する第2の電源部とが設けられ、第1のコイルと第2のコイルとはプラズマトーチの長手方向に並んで配置されており、第1の電源部及び第2の電源部により、熱プラズマ炎が発生され、プラズマトーチの内部で発生した熱プラズマ炎に微粒子製造用の原料を供給する第1の工程と、原料を熱プラズマ炎で蒸発させ気相状態の混合物とし、混合物を冷却する第2の工程とを有し、第1の工程及び第2の工程において、第2の電源部は、第2のコイルに振幅変調した高周波電流を供給し、第2のコイルの下端から、プラズマトーチの中心軸に沿って下向き方向に700mmまでの中心軸上に3000K以下の温度領域を発生させる、酸化亜鉛微粒子の製造方法。
【0008】
中心軸上に存在する3000K以下の温度領域に、供給された原料が、高周波電流の振幅変調の周期の2周期以内に到達することが好ましい。
原料が、第2のコイルの下端から中心軸に沿って下向き方向に800mmまでの中心軸上に存在する3000K以下の温度領域に、10ms以上滞留することが好ましい。
第2のコイルの下端から中心軸に沿って下向き方向に200mm、かつ下向き方向と直交する方向において中心軸を中心とした半径15mmの領域の少なくとも一部が、高周波電流の振幅変調の周期の1周期以内に2000K以下となることが好ましい。
第2のコイルの下端から中心軸に沿って下向き方向に200mm、かつ下向き方向と直交する方向において中心軸を中心とした半径15mmの領域に、供給された原料が、高周波電流の振幅変調の周期の1周期以内に到達することが好ましい。
原料は亜鉛であることが好ましい。
熱プラズマ炎は、酸素を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、工程数を減らし、簡便な方法で酸化亜鉛微粒子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態の酸化亜鉛微粒子の製造方法の製造装置の一例を示す模式図である。
本発明の実施形態の酸化亜鉛微粒子の製造方法の製造装置のプラズマトーチの一例を示す模式的部分断面図である。
プラズマ発生部の電源部の高周波電流の波形の一例を示す模式図である。
プラズマ発生部の高周波電流の波形の一例を示す模式図である。
第1のコイルの高周波電流の波形の一例、第2のコイルの高周波電流の波形の一例、及び原料の供給の波形の一例を示すグラフである。
第2のコイルの高周波電流の波形の他の例を示すグラフである。
(a)は第2のコイルの高周波電流の波形がのこぎり波のグラフであり、(b)は第2のコイルの高周波電流の波形が逆こぎり波のグラフであり、(c)は第2のコイルの高周波電流の波形が矩形波のグラフであり、(d)は第2のコイルの高周波電流の波形が三角波のグラフである。
(a)~(d)は第2のコイルの高周波電流の波形がのこぎり波の場合のプラズマトーチ及びチャンバー内の温度分布を示す模式図である。
(a)~(d)は第2のコイルの高周波電流の波形が逆こぎり波の場合のプラズマトーチ及びチャンバー内の温度分布を示す模式図である。
(a)~(d)は第2のコイルの高周波電流の波形が矩形波の場合のプラズマトーチ及びチャンバー内の温度分布を示す模式図である。
(a)~(d)は第2のコイルの高周波電流の波形が三角波の場合のプラズマトーチ及びチャンバー内の温度分布を示す模式図である。
(a)は第2のコイルの高周波電流の波形がのこぎり波の場合の原料供給開始時の温度分布を示す模式図であり、(b)は第2のコイルの高周波電流の波形が逆のこぎり波の場合の原料供給開始時の温度分布を示す模式図であり、(c)は第2のコイルの高周波電流の波形が矩形波の場合の原料供給開始時の温度分布を示す模式図であり、(d)は第2のコイルの高周波電流の波形が三角波の場合の原料供給開始時の温度分布を示す模式図である。
(a)は第2のコイルの高周波電流の波形がのこぎり波の場合の原料供給停止時の温度分布を示す模式図であり、(b)は第2のコイルの高周波電流の波形が逆のこぎり波の場合の原料供給停止時の温度分布を示す模式図であり、(c)は第2のコイルの高周波電流の波形が矩形波の場合の原料供給停止時の温度分布を示す模式図であり、(d)は第2のコイルの高周波電流の波形が三角波の場合の原料供給停止時の温度分布を示す模式図である。
数値解析の計算空間を示す模式図である。
例1の酸化亜鉛微粒子のSEM像を示す模式図である。
例2の酸化亜鉛微粒子のSEM像を示す模式図である。
例3の酸化亜鉛微粒子のSEM像を示す模式図である。
例4の酸化亜鉛微粒子のSEM像を示す模式図である。
(a)は例1の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の正規分布を示すグラフであり、(b)は例1の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例2の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の正規分布を示すグラフであり、(b)は例2の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例3の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の正規分布を示すグラフであり、(b)は例3の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例4の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の正規分布を示すグラフであり、(b)は例4の酸化亜鉛微粒子のワイヤ径の対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例1の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの正規分布を示すグラフであり、(b)は例1の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例2の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの正規分布を示すグラフであり、(b)は例2の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例3の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの正規分布を示すグラフであり、(b)は例3の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例4の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの正規分布を示すグラフであり、(b)は例4の酸化亜鉛微粒子のワイヤ長さの対数正規分布を示すグラフである。
(a)は例1のアスペクト比の正規分布を示すグラフであり、(b)は例2のアスペクト比の正規分布を示すグラフであり、(c)は例3のアスペクト比の正規分布を示すグラフであり、(d)は例4のアスペクト比の正規分布を示すグラフである。
(a)は例1~4の平均直径と、ナノワイヤの割合を示すグラフであり、(b)は例1~4の平均長さを示すグラフであり、(c)は例1~4の平均アスペクト比を示すグラフである。
第1のコイル及び第2のコイルの高周波電流が無変調の場合のプラズマトーチ及びチャンバー内の温度分布を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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