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公開番号2024077586
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2023133141
出願日2023-08-17
発明の名称組成物
出願人築野グループ株式会社
代理人個人
主分類A23L 29/10 20160101AFI20240531BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】大豆レシチンでない組成物及び/又はその用途を提供すること。
【解決手段】大豆レシチンと同等の乳化作用を有し、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含む、組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
大豆レシチンと同等の乳化作用を有し、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含む、組成物。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
夾雑物を10質量%未満含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
リン脂質を18~48質量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
米油精製工程の中の脱ガム工程により得られる又は得られた水和物に含まれる、油脂及び/又は脂肪酸の割合を増大させる工程を含む、請求項1~3のいずれかに記載の組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載の組成物を含む乳化剤。
【請求項6】
成分(1)請求項1~3のいずれかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/又は水とを混合する工程を含む、
成分(2)と親油性成分を乳化させる方法。
【請求項7】
成分(1)請求項1~3のいずれかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/又は水と、
成分(3)親油性成分とを混合する工程を含む、
成分(2)と成分(3)を乳化させる方法。
【請求項8】
成分(1)請求項1~3のいずれかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/又は水と、
成分(3)親油性成分との混合物を含む組成物。
【請求項9】
乳化されている、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
乳化型が油中水型又は水中油型である、請求項9に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物に関する。より詳細には、本発明は、大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有する組成物に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)【背景技術】
【0002】
レシチンの定義は種々存在するが、一説によれば、レシチンとは、様々な起源(動物性又は植物性)の食品から除去された様々なリン脂質の組み合わせで、アセトン不溶性物質が少なくとも60%あるものとして、定義されている(非特許文献1)。植物由来のレシチンとして、大豆レシチン、菜種レシチン、ひまわりレシチン、米レシチン等が知られている。大豆レシチンは優れた乳化作用を有し、食品市場で使用されているレシチンの多くは大豆レシチンである。一方で、米レシチンが大豆レシチンと同様の乳化作用を有することは知られていない(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6823511号公報
特許第6959782号公報
特許第7074427号公報
特許第6487762号公報
【非特許文献】
【0004】
Deepali Lehri et al., Composition, production, physicochemical properties and applications of lecithin obtained from rice (Oryza sativa L.) - A review, Plant Science Today (2019年12月31日) 6(sp1): p.613-622
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、大豆レシチンでない組成物及び/又はその用途を提供することを一つの目的とする。
本発明は、大豆レシチンでない組成物の製造方法を提供することを一つの目的とする。
本発明は、植物油精製工程において、リン脂質及び油脂含有組成物中の夾雑物の割合を低減させる方法を提供することを一つの目的とする。
本発明は、リン脂質及び/又は油脂を含む組成物、その用途及び/又はその製造方法を提供することを一つの目的とする。
発明が解決しようとする課題は上記目的のいずれか1以上である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特に、米レシチンの場合、夾雑物が多いために製造時のハンドリングが悪く、特に脱ガム工程以降の後工程でリン脂質及び油脂を含む組成物から夾雑物を分離することは困難であり、食品用途としては敬遠されていた。そのため、大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有する、リン脂質及び油脂を含む組成物の製造において、米レシチンを使用することは困難と思われた。本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、米油等の植物油精製工程の中の脱ガム工程により得られる又は得られた水和物に含まれる、油脂及び/又は脂肪酸の割合を増大させることによって、夾雑物の含有割合の少ない、リン脂質及び油脂含有組成物を容易に製造できることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]大豆レシチンと同等の乳化作用を有し、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含む、組成物。
[2]夾雑物を10質量%未満含む、前記[1]に記載の組成物。
[3]リン脂質を18~48質量%含む、前記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]米油精製工程の中の脱ガム工程により得られる又は得られた水和物に含まれる、油脂及び/又は脂肪酸の割合を増大させる工程を含む、前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[5]前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物を含む乳化剤。
[6]成分(1)前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/又は水とを混合する工程を含む、
成分(2)と親油性成分を乳化させる方法。
[7]成分(1)前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/又は水と、
成分(3)親油性成分とを混合する工程を含む、
成分(2)と成分(3)を乳化させる方法。
[8]成分(1)前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/又は水と、
成分(3)親油性成分との混合物を含む組成物。
[9]乳化されている、前記[8]に記載の組成物。
[10]乳化型が油中水型又は水中油型である、前記[9]に記載の組成物。
[11]油相中に夾雑物を100ppm未満含む、前記[8]に記載の組成物。
[12]乳化の程度が、成分(1)の代わりに大豆レシチンを使用した場合と同等以上である、前記[8]~[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]前記[1]~[3]のいずかに記載の組成物を含む非水系の相溶剤。
[14]成分(1)前記[1]~[3]のいずかに記載の組成物と、
成分(2)親水性成分及び/若しくは水、又は、成分(3)親油性成分との混合物を含む組成物。
[15]油相中に夾雑物を100ppm未満含む、前記[14]に記載の組成物。
[16]前記[8]~[12]のいずかに記載の組成物を含む、飲食品、飲食品用素材、飼料、化粧品、生活用品、医薬品又は医薬部外品。
[17]前記[14]に記載の組成物を含む、飲食品、飲食品用素材、飼料、化粧品、生活用品、医薬品又は医薬部外品。
[18]リン脂質量が0.065gとなるように調整した量の組成物と、油119.85gとを混合して得られた混合物1を、さらに水30gと混合し、得られた混合物2を、室温、11000rpm、直径25mm/18mm(ステータ/ロータ)及びギャップ0.5mmの条件下で、ホモジナイザーで2分間撹拌し、静置して5時間後に、界面が存在しない性質を有する、前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[19]夾雑物が、リン脂質、油脂、脂肪酸、油溶性ビタミン、フェルラ酸、フィトステロール、ステロール脂肪酸エステル及びγ-オリザノールのいずれでもない成分である、前記[2]に記載の組成物。
[20]夾雑物を10質量%未満含み、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含む、組成物。
[21]リン脂質を18~48質量%含む、前記[20]に記載の組成物。
[22]少なくとも、植物油精製工程の中の脱ガム工程により得られる又は得られた水和物に含まれる、油脂及び/又は脂肪酸の割合を増大させる工程を含む、リン脂質及び油脂含有組成物中の夾雑物の割合を低減させる方法。
[23]少なくとも、植物油精製工程の中の脱ガム工程により得られる又は得られた水和物に含まれる、油脂及び/又は脂肪酸の割合を増大させる工程を含む、リン脂質及び油脂含有組成物の製造方法。
[24]前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物を含む酸化防止剤。
[25]前記[1]~[3]及び[19]~[21]のいずれかに記載の組成物と、上記成分(2)及び/又は成分(3)を混合する工程を含む、前記[1]~[3]及び[19]~[21]のいずれかに記載の組成物と、上記成分(2)及び/又は成分(3)との混合物の製造方法。
[26]マーガリン、チョコレート及びクリームから選択される、前記[16]に記載の飲食品。
[27]夾雑物を100ppm未満含み、リン脂質及び油脂を含む、組成物。
[28]マーガリン、ホイップクリーム及びマヨネーズから選択される、前記[16]に記載の飲食品。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、大豆レシチンでない組成物及び/又はその用途を提供することができる。当該組成物は好ましくは大豆由来成分を含まないので、大豆由来のアレルゲンを含まない。市場で大豆として遺伝子組み換え大豆が使用されることが多いが、当該組成物は、その製造過程で好ましくはそのような大豆を使用しないため、遺伝子組み換えでない組成物として有用である。当該組成物は、夾雑物の含有割合が少ない(例えば、10質量%未満、2質量%以下)。
本発明は、夾雑物の含有割合が少ないリン脂質及び油脂含有組成物を提供することができる(例えば、10質量%未満、2質量%以下)。
本発明は、大豆レシチンでない組成物の製造方法を提供することができる。
上記の大豆レシチンでない組成物は、大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有し得る。
本発明は、植物油精製工程において、リン脂質及び油脂含有組成物中の夾雑物の割合を低減させる方法を提供することができる。
本発明は、リン脂質及び/又は油脂を含む組成物、その用途及び/又はその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実験例3の乳化性評価の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.組成物
第1の態様において、本発明の組成物は、大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有し、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含むことを特徴とする。
第2の態様において、本発明の組成物は、夾雑物を10質量%未満(好ましくは100ppm未満)、リン脂質及び/又は油脂を含むことを特徴とする。当該組成物は大豆レシチンそのものである場合を除いてもよい。当該組成物はリン脂質を18~48質量%含むことが好ましい。当該組成物は大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有することが好ましい。当該組成物は、夾雑物を100ppm未満、及び、リン脂質を含み、さらに油脂を含んでいてもよい。
第3の態様において、本発明の組成物は、夾雑物を10質量%未満含み、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含むことを特徴とする。当該組成物は大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有することが好ましい。当該組成物は、夾雑物を100ppm未満含み、リン脂質、油脂及びγ-オリザノールを含んでいてもよい。当該組成物は、リン脂質を18~48質量%含んでいてもよい。
好ましい態様において、本発明の組成物は、夾雑物を2質量%未満(より好ましくは100ppm未満)、リン脂質を18~48質量%含み、さらに油脂及びγ-オリザノールを含むことを特徴とする。当該組成物は大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有することが好ましい。
別の好ましい態様において、本発明の組成物は、夾雑物を0.3質量%未満(より好ましくは100ppm未満)、リン脂質を7~18質量%含み、さらに油脂を含むことを特徴とする。当該組成物は大豆レシチンと同等以上の乳化作用を有することが好ましい。当該組成物はγ-オリザノールを含むことが好ましい。
いずれの態様においても、本発明の組成物は、上記各含有成分以外の成分を含んでいてもよく、上記各含有成分からなっていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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