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公開番号2024077387
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189452
出願日2022-11-28
発明の名称細胞分離材及び診断機器
出願人東亞合成株式会社,国立大学法人九州大学
代理人個人,個人
主分類G01N 1/40 20060101AFI20240531BHJP(測定;試験)
要約【課題】優れた細胞接着性を示しながら、血液成分の吸着による細胞分離性の低下を抑制でき、かつ接着した細胞を効率的に増殖させることができる細胞分離材を提供すること。
【解決手段】ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(A)を含む重合体を含有する細胞分離材とする。細胞分離材に含有される重合体は、当該重合体に水を含ませ、示差走査熱量計を用いて速度5℃/分の条件にて昇温して得られるDSC曲線において、氷の融解による吸熱のピークトップが0℃に現れるときの重合体の含水状態を飽和含水状態とした場合に条件(i)を満たす。条件(i):飽和含水状態での中間水量が、飽和含水状態の重合体の全量に対し2.0質量%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(A)を含む重合体を含有し、
前記重合体は、当該重合体に水を含ませ、示差走査熱量計(DSC)を用いて速度5℃/分の条件にて昇温することにより得られるDSC曲線において、氷の融解による吸熱のピークトップが0℃に現れるときの前記重合体の含水状態を飽和含水状態とした場合に、下記の条件(i):
条件(i):飽和含水状態の前記重合体に含まれる中間水量が、飽和含水状態の前記重合体の全量に対して2.0質量%以上である、
を満たす、細胞分離材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(A)を有する重合体を含有し、
前記重合体は、当該重合体に水を含ませ、示差走査熱量計(DSC)を用いて速度5℃/分の条件にて昇温することにより得られるDSC曲線において、氷の融解による吸熱のピークトップが0℃に現れるときの前記重合体の含水状態を飽和含水状態とした場合に、下記の条件(ii):
条件(ii):飽和含水状態の前記重合体に含まれる水和水量が、飽和含水状態の前記重合体の全量に対して6.0質量%以上である、
を満たす、細胞分離材。
【請求項3】
ウレタン結合又はウレア結合を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位(A)を有する重合体を含有し、
前記重合体は、当該重合体に水を含ませ、示差走査熱量計(DSC)を用いて速度5℃/分の条件にて昇温することにより得られるDSC曲線において、氷の融解による吸熱のピークトップが0℃に現れるときの前記重合体の含水状態を飽和含水状態とした場合に、下記の条件(iii):
条件(iii):飽和含水状態の前記重合体に含まれる、不凍水量に対する中間水量の比率が0.50以上である、
を満たす、細胞分離材。
【請求項4】
前記重合体は、下記の条件(ii):
条件(ii):飽和含水状態の前記重合体に含まれる水和水量が、飽和含水状態の前記重合体の全量に対して6.0質量%以上である、
を更に満たす、請求項1に記載の細胞分離材。
【請求項5】
前記重合体は、下記の条件(iii):
条件(iii):飽和含水状態の前記重合体に含まれる、不凍水量に対する中間水量の比率が0.50以上である、
を更に満たす、請求項1、2又は4に記載の細胞分離材。
【請求項6】
前記重合体は、前記構造単位(A)を、前記重合体が有する全構造単位に対して10質量%以上含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞分離材。
【請求項7】
前記構造単位(A)は、エーテル基を更に有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞分離材。
【請求項8】
前記重合体は、(メタ)アクリル系重合体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞分離材。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞分離材により基材表面の少なくとも一部が被覆された診断機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞分離材及び診断機器に関し、より詳しくは、生体液に含まれる細胞を接着して分離する技術に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
血液等の生体液に含まれる細胞やタンパク質等の物質情報は、被験者の病気の診断や治療等の医療行為において非常に重要である。このような生体液を用いた診断方法はリキッドバイオプシーと呼ばれ、従来の生体組織検査(バイオプシー)に比べ低侵襲性であることから、近年注目されている。
【0003】
リキッドバイオプシーには、生体液から細胞を選択的に回収する技術が必要になる。生体液からの細胞の回収法として一般には、膜分離や遠心分離による物理的な細胞回収法や、抗体抗原反応を用いた回収技術が知られている。物理的な細胞回収法は、細胞の大きさや比重が異なる場合には効果的であるが、物理的な性状の差異が小さい場合には細胞の分離が困難になる。また、抗体抗原反応を利用した細胞の回収技術は、抗原としての細胞が抗体に特異的に結合するため選択性が高い一方で、抗体に強固に結合した細胞を損傷なく回収することが困難な場合があるというデメリットがある。
【0004】
上記のような細胞の回収法に対し、特許文献1には、非水溶性の合成ポリマーであるポリ(2-メトキシエチルアクリレート)やポリ[2-(2-メトキシエトキシ)エチルメタクリレート]をがん細胞接着性向上剤として用いることにより、血液中からがん細胞を回収し濃縮することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2012/173097号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
血液等の生体液中に含まれる検体種(例えば、血中循環腫瘍細胞(CTC)や、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)、細胞外小胞(EVs)等)はごく微量である。そのため、リキッドバイオプシーによる疾病の早期検出や早期診断、適切な治療方針の決定等を可能にする診断機器を開発するにあたり、検出系の高感度化を図ることが重要である。
【0007】
例えば、特許文献1に記載の技術のように、ポリマーが細胞を接着する性質を利用して血液中から細胞を分離する場合、当該ポリマーには、検体種となる細胞を接着する能力(細胞接着性)に加え、検体種以外の成分の吸着による細胞分離性の低下を抑制するべく、血液成分が吸着しにくい性質(抗吸着性)や、血液の異物反応による血栓の形成を抑制する性質(抗血栓性)が求められる。特に、接着により生体液中から細胞を分離する方法は、生体液中の細胞をそのままの状態で回収し解析できる利点があり、こうした点からも、検体種となる細胞を接着する能力と、血液成分の抗吸着性及び抗血栓性とを併せ持つ新たな材料を開発し、当該材料を用いてリキッドバイオプシーによる検出系の高感度化を実現することが望ましい。
【0008】
また、細胞接着性を利用して生体液中から分離した細胞をそのまま被接着体上で培養して増殖できれば、リキッドバイオプシーによる検出系の更なる高感度化を簡便に実現可能といえる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた細胞接着性を示しながら、血液成分の吸着による細胞分離性の低下を抑制でき、かつ接着した細胞を効率的に増殖させることができる細胞分離材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば以下の手段が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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