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公開番号2024075526
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-04
出願番号2022186963
出願日2022-11-23
発明の名称コード状ヒータと面状ヒータ
出願人株式会社クラベ
代理人
主分類H05B 3/10 20060101AFI20240528BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】端末加工性を向上させるとともに、耐食性に優れるコード状ヒータ及びそれを使用した面状ヒータを提供すること。
【解決手段】絶縁被膜5bにより被覆された1本又は複数本の導体素線5aを有し、上記絶縁被膜5bが、少なくとも、上記導体素線5a上に形成された内層と、該内層の外側に形成された外層とからなり、上記内層を構成する材料の熱分解温度が、上記外層を構成する材料の融点または熱分解温度の内の低い方より低く、上記内層の厚さが、4.0μm以上、7.0μm以下であり、上記外層の厚さが、4.0μm以上、7.0μm以下であり、上記絶縁被膜5bの厚さが8.0μmを超えるコード状ヒータ10。上記内層を構成する材料がポリウレタン樹脂、上記外層を構成する材料がポリアミドイミド樹脂である上記コード状ヒータ10。上記のコード状ヒータを基材に配設した面状ヒータ。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁被膜により被覆された1本又は複数本の導体素線を有するコード状ヒータであって、
上記絶縁被膜が、少なくとも、上記導体素線上に形成された内層と、該内層の外側に形成された外層とからなり、
上記内層を構成する材料の熱分解温度が、上記外層を構成する材料の融点または熱分解温度の内の低い方より低く、
上記内層の厚さが、4.0μm以上、7.0μm以下であり、
上記外層の厚さが、4.0μm以上、7.0μm以下であり、
上記絶縁被膜の厚さが8.0μmを超えることを特徴とするコード状ヒータ。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
上記内層を構成する材料が、ポリウレタン樹脂またはポリエステル樹脂であり、上記外層を構成する材料が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはシリコーン樹脂の何れかである請求項1記載のコード状ヒータ。
【請求項3】
上記内層を構成する材料が、ポリウレタン樹脂であり、上記外層を構成する材料が、ポリアミドイミド樹脂である請求項1記載のコード状ヒータ。
【請求項4】
請求項1~3何れか記載のコード状ヒータを基材に配設した面状ヒータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気毛布、電気カーペット、カーシートヒータ、ステアリングヒータなどに好適に使用可能で、端末加工性を向上させるとともに、耐食性に優れるコード状ヒータと、このコード状ヒータを使用した面状ヒータに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
コード状ヒータは、電気毛布、電気カーペット、カーシートヒータ、ステアリングヒータ等に使用されている。一般的に知られているコード状ヒータは、まず、芯線にヒータ線を螺旋状に巻き、その上から絶縁体層による外被を被覆して形成されている。ヒータ線は、銅線やニッケルクロム合金線などの導体素線を複数本引き揃えるか、この導体素線を複数本撚合せて形成されている。熱融着部材がヒータ線の外周に形成され、この熱融着部材により、ヒータ線は例えば不織布やアルミ箔で形成された基材に接着される(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
導体素線が引張られたり屈曲されたりしたときに、導体素線の一部が断線することがある。従来は、コード状ヒータの各導体素線が接した状態となっているため、導体素線の一部が断線した場合、この断線した部分でヒータ線の径が細くなる。ヒータ線の径が細くなった部分は単位断面積当たりの電流量が増加するため、この部分は通常以上の発熱を起こす可能性がある。別の例で、導体素線の1本ずつを個別に絶縁被膜を形成してヒータ線を形成した場合、それぞれの導体素線が並列回路を形成する。このヒータ線の場合、導体素線の一部に断線が生じたとき、並列回路の一部が断線することになる。このヒータ線の場合、過大な発熱を防止できる(例えば、特許文献2、特許文献3など参照)。
【0004】
又、本発明に関連する技術として、当該出願人より特許文献4~6が出願されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-174952公報:クラベ
特開昭61-47087号公報:松下電器産業
特開2008-311111公報:クラベ
特開2010-15691公報:クラベ
国際公開WO2011/001953公報:クラベ
国際公開WO2022/054701公報:クラベ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献2,3には、導体素線の絶縁被膜の複数の材料が記載されている。主に使用されている導体素線は所謂エナメル線と称されており、エナメル線の絶縁被膜の一般的な材料は、ポリウレタン樹脂である。ポリウレタン樹脂は耐熱性が低く、難燃性も十分ではない。絶縁被膜に耐熱や難燃の要求がある場合、耐熱性や難燃性に優れたシリコーン樹脂やポリイミド樹脂などの硬質材料が絶縁被膜の材料として使用される。シリコーン樹脂やポリイミド樹脂を使用した導体素線の端末を加工するのは容易ではない。シリコーン樹脂やポリイミド樹脂は、耐熱性が高く、難燃性に優れている。例えば、導体素線を半田付けによってリード線に接続する場合、シリコーン樹脂やポリイミド樹脂の絶縁被膜は半田の溶融温度では溶融しないので除去できない。端子の圧着によって導体素線をリード線と接続する場合、シリコーン樹脂やポリイミド樹脂は硬質であるため、圧着の圧力では絶縁被膜が破壊されず、導体素線とリード線とが導通しない。従って、接続する工程とは別の研磨する工程でシリコーン樹脂やポリイミド樹脂の絶縁被膜を除去する必要がある。しかし、コード状ヒータに使用される導体素線は、例えば外径0.1mm以下というように極めて細い。研磨する工程を行うためには、断線を防止するために細心の注意が必要であり、生産性が悪かった。また、例えば、コード状ヒータをステアリングヒータに適用した場合、ステアリング使用者の手汗等がステアリング表皮を浸透してコード状ヒータに付着する場合がある。この際に、コード状ヒータとして耐食性を有していないと、導体素線が腐食して断線等を起こす可能性がある。
【0007】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、端末加工性を向上させるとともに、耐食性に優れるコード状ヒータ及びそれを使用した面状ヒータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく、本発明によるコード状ヒータは、絶縁被膜により被覆された1本又は複数本の導体素線を有するコード状ヒータであって、上記絶縁被膜が、少なくとも、上記導体素線上に形成された内層と、該内層の外側に形成された外層とからなり、上記内層を構成する材料の熱分解温度が、上記外層を構成する材料の融点または熱分解温度の内の低い方より低く、上記内層の厚さが、4.0μm以上7.0μm以下であり、上記外層の厚さが、4.0μm以上7.0μm以下であり、上記絶縁被膜の厚さが8.0μmを超えることを特徴とするものである。
また、上記内層を構成する材料が、ポリウレタン樹脂またはポリエステル樹脂であり、上記外層を構成する材料が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはシリコーン樹脂の何れかであることが考えられる。
又、本発明による面状ヒータは、上記のコード状ヒータを基材に配設したものである。
なお、熱分解温度とは、温度を徐々に上げていった際における重量減少が始まる温度のことであり、JIS-K7120-1997プラスチックの熱重量測定方法(またはISO7111-1997)に準拠して測定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコード状ヒータは、外層が溶融または熱分解する温度以下で、内層が熱分解する。そのため、内層の熱分解温度以上、外層の融点または熱分解温度の内の低い方の温度以下の温度では、内層のみが熱分解して無くなるため、導体素線と絶縁被膜の間に空間ができる。押出やテープ横巻の工法によって外層が形成されると、その外層は長さ方向に延伸がかけられた状態となる。また、塗布硬化の工法で外層が形成されると、その外層は硬化時に収縮の力が生じる。いずれの外層も、長さ方向に対して圧縮する方向の残留応力が存在する。そのため、絶縁被膜の外層と導体素線との間に空間が生じ、且つ、外層に熱を加えられると、絶縁被膜の外層は収縮する。この結果、例えば、導体素線の端部を、(半田の溶融温度等の)上述した所定の温度に加熱すると、絶縁被膜が除去されて導体素線が露出する。
特に、内層と外層の厚さが上記の範囲内であれば、上述した外層の収縮がより確実になる。そのため、より確実に、絶縁被膜が除去されて導体素線が露出する。
また、内層被膜及び外層被膜の厚さが4.0μm以上であり、絶縁被膜の厚さが8.0μmを超えていることで、十分な耐食性を有することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明による実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による実施の形態示す図で、絶縁被膜が形成された導体素線の構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による実施の形態を示す図で、ホットプレス式ヒータ製造装置の構成を示す図である。
本発明による実施の形態を示す図で、コード状ヒータを所定のパターン形状に配設する様子を示す一部斜視図である。
本発明による実施の形態を示す図で、面状ヒータの構成を示す平面図である。
本発明による他の実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による他の実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による他の実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による他の実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による他の実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による他の実施の形態示す図で、コード状ヒータの構成を示す一部切り欠き側面図である。
本発明による面状ヒータを車両用シート内に埋め込んだ様子を一部切り欠いて部示す斜視図である。
本発明による面状ヒータをステアリングホイール内に埋め込んだ様子を一部切り欠いて示す斜視図である。
屈曲試験の方法を説明するための参考図である。
【発明を実施するための最良の形態】
(【0011】以降は省略されています)

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