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公開番号2024075095
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2022186292
出願日2022-11-22
発明の名称ビスマレイミド化合物、樹脂ワニス及びその製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類C08G 73/12 20060101AFI20240527BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】化合物自体が各種溶剤に対する可溶性に優れ、これを含む樹脂組成物の可撓性に優れ、該組成物の硬化物は比低誘電率及び誘電正接が低く、熱膨張係数が低く、かつ、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れるものとなるビスマレイミド化合物の提供。
【解決手段】下記式(1)で示されるビスマレイミド化合物。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024075095000033.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">32</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">151</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してダイマー酸骨格由来の2価の炭化水素基である。Qは独立して芳香環を有する2価の基であって、フルオレン骨格又はインデン骨格を有する基である。WはB又はQである。nは1~100であり、mは1~100である。また、n及びmで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合様式は、交互であっても、ブロックであっても、ランダムであってもよい。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)
TIFF
2024075095000026.tif
31
144
(式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してダイマー酸骨格由来の2価の炭化水素基である。Qは独立して芳香環を有する2価の基である。WはB又はQである。nは1~100であり、mは1~100である。また、n及びmで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合様式は、交互であっても、ブロックであっても、ランダムであってもよい。)
で示され、
前記Qに、下記式(2-1)又は(2-2)
TIFF
2024075095000027.tif
35
153
(式(2-1)中、R
1
、R
2
、R
3
及びR
4
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基であり、式(2-2)中、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
及びR
11
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基である。)
のいずれかで示されるフルオレン骨格又はインデン骨格を有する、ビスマレイミド化合物。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
式(1)中のAが下記構造式(5)で示される4価の有機基である請求項1に記載のビスマレイミド化合物。
TIFF
2024075095000028.tif
19
132
(上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
【請求項3】
前記式(1)のビスマレイミド化合物の数平均分子量が3,000~50,000である請求項1に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項4】
前記式(1)のビスマレイミド化合物において、n及びmで括られた各繰り返し単位の結合様式がブロックである請求項1に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のビスマレイミド化合物と、溶媒とを含む樹脂ワニス。
【請求項6】
前記溶媒が、芳香族系溶媒である、請求項5に記載の樹脂ワニス。
【請求項7】
前記芳香族系溶媒が、トルエン、キシレン又はアニソールである、請求項6に記載の樹脂ワニス。
【請求項8】
下記式(6)
TIFF
2024075095000029.tif
29
132
(式(6)中、Aは環状構造を含む4価の有機基である。)
で示される酸無水物と、
下記式(7)

2
N-Q-NH
2
(7)
(式(7)中、Qは芳香環を有する2価の基であって、下記式(2-1)又は(2-2)
TIFF
2024075095000030.tif
34
154
(式(2-1)中、R
1
、R
2
、R
3
及びR
4
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基であり、式(2-2)中、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
及びR
11
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基である。)
のいずれかで示されるフルオレン骨格又はインデン骨格を有する基である。)
で示される芳香環を有するジアミンとでアミック酸を合成し、閉環脱水する工程Aと、
該工程Aに次いで、前記工程Aで得られた反応物と、
下記式(8)

2
N-B-NH
2
(8)
(式(8)中、Bはダイマー酸骨格由来の2価の炭化水素基である。)
で示されるダイマー酸骨格由来のジアミンとでアミック酸を合成し、閉環脱水する工程Bと、
該工程Bに次いで、前記工程Bで得られた反応物と、無水マレイン酸とで、マレアミック酸を合成し、閉環脱水することによって分子鎖末端を封鎖する工程C
とを有する請求項1~4のいずれか1項に記載のビスマレイミド化合物の製造方法。
【請求項9】
下記式(6)
TIFF
2024075095000031.tif
29
132
(式(6)中、Aは環状構造を含む4価の有機基である。)
で示される酸無水物と、
下記式(8)

2
N-B-NH
2
(8)
(式(8)中、Bはダイマー酸骨格由来の2価の炭化水素基である。)
で示されるジアミンとでアミック酸を合成し、閉環脱水する工程A’と、
該工程A’に次いで、前記工程A’で得られた反応物と、
下記式(7)

2
N-Q-NH
2
(7)
(式(7)中、Qは芳香環を有する2価の基であって、下記式(2-1)又は(2-2)
TIFF
2024075095000032.tif
35
153
(式(2-1)中、R
1
、R
2
、R
3
及びR
4
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基であり、式(2-2)中、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
及びR
11
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基である。)のいずれかで示されるフルオレン骨格又はインデン骨格を有する基である。)
で示される芳香環を有するジアミンとでアミック酸を合成し、閉環脱水する工程B'と、
該工程B’に次いで、前記工程B’で得られた反応物と、無水マレイン酸とで、マレアミック酸を合成し、閉環脱水することによって分子鎖末端を封鎖する工程C’
とを有する請求項1~4のいずれか1項に記載のビスマレイミド化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスマレイミド化合物、樹脂ワニス及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、5Gという次世代通信システム(26GHz~80GHzのミリ波領域)が流行しており、さらには6Gという次々世代の通信システムの開発も始まり、今以上の高速、大容量、低遅延通信を実現しようとしている。これらの通信システムを実現するためには、3~80GHzの高周波帯用の材料が必要であり、ノイズ対策として伝送損失の低減が必須となる。
伝送損失は導体損失と誘電損失の和であり、導体損失の低減には使用する金属箔の表面の低粗化が必要である。一方、誘電損失は、比誘電率の平方根と誘電正接の積に比例することから、絶縁材としては誘電特性の優れた(低比誘電率かつ低誘電正接の)絶縁材料の開発が求められている。
また、絶縁材料が使用されるプリント配線板や電子部品は、実装時にリフロー工程を必要とするため耐熱性の高い、すなわち高いガラス転移温度(Tg)を有する材料が望まれている。
【0003】
その中でも基板用途で、このような誘電特性の優れた絶縁材料が求められており、リジッド基板では反応性ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、フレキシブルプリント基板(FPC)では液晶ポリマー(LCP)や特性を改良した変性ポリイミド(MPI)と呼ばれる製品が使用されるようになってきている。
【0004】
これらの材料は優れた特徴を有するが、多くの課題を有していることも事実である。例えば、反応性PPE樹脂は優れた誘電特性、高いTgを有するが、硬化物が脆く、ハンドリング性に劣るため、プリプレグ等の使用に限られる(例えば特許文献1)。LCPは、さらなる高性能化やLCPを使用したFPCのベースフィルムやカバーレイフィルムなど、多くの発明が開示されている(例えば特許文献2)が、LCPは需要に見合った量産が困難であるために使用が限定的であり、銅張積層板を接着させるために誘電特性に優れる接着剤を必要とするなど改善すべき点が多く残されている。MPIは、ポリアミック酸(ポリアミド酸)のイミド化に300℃以上の高温が必要であり、加工性に課題がある(例えば特許文献3)。
【0005】
そこで近年、耐熱性と誘電特性を兼備する材料としてマレイミド樹脂が注目されている。マレイミド樹脂の中でも、ビスマレイミド樹脂が一般的で、ビスマレイミド樹脂は低分子のものが多く知られており、高Tgであるなど耐熱性に優れるが、溶剤溶解性が低く、硬化物は硬く脆い。また、ビスマレイミド樹脂の誘電特性もLCPやMPIに比べると十分なものではないため、耐熱性を維持しつつ、誘電特性に優れ、かつ、溶剤溶解性に優れ、フィルム性を有する樹脂の開発が強く望まれている。
【0006】
これに対して、ダイマージアミン骨格(ダイマー酸由来の骨格)を有するマレイミド化合物(特殊マレイミド化合物)を基板用の主要樹脂として使用することが報告されている(特許文献4~8)。一般的なマレイミド樹脂の特性とは異なり、特殊マレイミド化合物は、誘電特性に非常に優れ、フレキシブルな特性を有し、金属など被着体への接着性に優れる。一方で、Tgが低く、熱膨張係数(CTE)が高いため、高温環境下において、誘電特性の変化が大きく、耐熱性は十分とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2019/65940号
特開2013-74129号公報
特開2019-104818号公報
特開2016-131243号公報
特開2016-131244号公報
国際公開第2016/114287号
特開2018-201024号公報
特開2021-25051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、化合物自体が各種溶剤に対する可溶性に優れ、これを含む樹脂組成物の可撓性に優れ、該組成物の硬化物は比低誘電率及び誘電正接が低く、熱膨張係数が低く、かつ、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れるものとなるビスマレイミド化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記ビスマレイミド化合物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記<1>~<9>に関する。
<1>
下記式(1)
TIFF
2024075095000001.tif
32
144
(式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してダイマー酸骨格由来の2価の炭化水素基である。Qは独立して芳香環を有する2価の基である。WはB又はQである。nは1~100であり、mは1~100である。また、n及びmで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合様式は、交互であっても、ブロックであっても、ランダムであってもよい。)
で示され、
前記Qに、下記式(2-1)又は(2-2)
TIFF
2024075095000002.tif
34
153
(式(2-1)中、R
1
、R
2
、R
3
及びR
4
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基であり、式(2-2)中、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
及びR
11
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基である。)
のいずれかで示されるフルオレン骨格又はインデン骨格を有する、ビスマレイミド化合物。
<2>
式(1)中のAが下記構造式(5)で示される4価の有機基である<1>に記載のビスマレイミド化合物。
TIFF
2024075095000003.tif
21
132
(上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
<3>
前記式(1)のビスマレイミド化合物の数平均分子量が3,000~50,000である<1>又は<2>に記載のビスマレイミド化合物。
<4>
前記式(1)のビスマレイミド化合物において、n及びmで括られた各繰り返し単位の結合様式がブロックである<1>~<3>のいずれか1つに記載のビスマレイミド化合物。
<5>
<1>~<4>のいずれか1つに記載のビスマレイミド化合物と、溶媒とを含む樹脂ワニス。
<6>
前記溶媒が、芳香族系溶媒である、<5>に記載の樹脂ワニス。
<7>
前記芳香族系溶媒が、トルエン、キシレン又はアニソールである、<6>に記載の樹脂ワニス。
<8>
下記式(6)
TIFF
2024075095000004.tif
29
132
(式(6)中、Aは環状構造を含む4価の有機基である。)
で示される酸無水物と、
下記式(7)

2
N-Q-NH
2
(7)
(式(7)中、Qは芳香環を有する2価の基であって、下記式(2-1)又は(2-2)
TIFF
2024075095000005.tif
34
153
(式(2-1)中、R
1
、R
2
、R
3
及びR
4
は互いに独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数4~10の(ヘテロ)アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基又はスルフェニル基であり、式(2-2)中、R
5
、R
6
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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