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公開番号2024070518
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022181058
出願日2022-11-11
発明の名称ドア閉まり速度の予測方法
出願人化成工業株式会社
代理人弁理士法人東名国際特許事務所
主分類G01M 17/007 20060101AFI20240516BHJP(測定;試験)
要約【課題】実車テストを実施することなく、評価対象のドアシール材のドア閉まり速度を予測可能なドア閉まり速度の予測方法の提供を課題とする。
【解決手段】ドア閉まり速度の予測方法1は、実車を利用し、ドア閉め操作に係る実車データを測定する実車測定工程S1と、測定された実車データを解析し、ドア閉まり速度-エネルギー近似式を算出する実車データ解析工程S2と、評価対象のドアシール材の荷重特性に係る荷重測定データを測定するドアシール材荷重測定工程S3と、測定された荷重測定データを解析し、ドアの一枚当たりのドアシール材損失エネルギー近似式を算出する荷重測定データ解析工程S4と、算出されたドアシール材損失エネルギーを、予め解析されたドア閉まり速度-エネルギー近似式に代入し、ドアシール材をドアに装着した場合のドア閉まり速度を予測し、算出するドア閉まり速度予測算出工程S5とを具備する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
評価対象のドアシール材が装着されたドアを閉めるために加えた力と、前記ドアが閉まるために必要なドア操作エネルギーとが釣り合うドア閉まり速度を予測するためのドア閉まり速度の予測方法であって、
基本ドアシール材の装着された前記ドアを有する実車を利用し、前記ドアに測定機器を取り付けて、前記ドアのドア閉め操作に係る前記ドア操作エネルギー及び前記ドアの加速度変化を含む実車データを事前に測定する実車測定工程と、
測定された前記実車データを解析し、前記ドア閉まり速度と、ドア閉め損失エネルギー、入力エネルギー、基本ドアシール材損失エネルギー、及び、その他損失エネルギーとのそれぞれの関係から、ドア閉まり速度-エネルギー近似式を算出する実車データ解析工程と、
前記ドアシール材を荷重試験機にセットし、前記ドアシール材の荷重特性に係る荷重測定データを測定するドアシール材荷重測定工程と、
測定された前記荷重測定データを解析し、前記ドアの一枚当たりのドアシール材損失エネルギー近似式を算出する荷重測定データ解析工程と、
算出された前記ドアシール材損失エネルギー近似式を、予め解析された前記ドア閉まり速度-エネルギー近似式に代入し、前記ドアシール材を前記ドアに装着した場合の前記ドア閉まり速度を予測し、算出するドア閉まり速度予測算出工程と
を具備するドア閉まり速度の予測方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記実車測定工程は、
前記ドアからラッチを取り外し、前記実車をジャッキアップし、かつ、前記ドア閉め操作を行う以外のその他ドアを開け放した状態の第一測定条件と、
前記第一測定条件に加え、前記基本ドアシール材を前記ドアから取り外した状態の第二測定条件と、
前記ドアに前記ラッチを取り付け、前記ジャッキアップを解除し、前記その他ドアを全て閉じ、かつ、前記ドアに前記基本ドアシール材が装着された状態の第三測定条件と
のそれぞれの測定条件で前記ドア閉め操作にかかる前記実車データを測定する請求項1に記載のドア閉まり速度の予測方法。
【請求項3】
前記実車データ解析工程は、
測定された前記実車データに基づいて、ドア速度-ドア変位曲線を算出するドア速度-ドア変位曲線算出工程と、
算出された前記ドア速度-ドア変位曲線及び前記ドア閉め操作における反力に基づいて、前記ドア操作エネルギーを算出するドア操作エネルギー算出工程と、
前記第一測定条件により測定された前記実車データに基づいて、前記ドアの慣性質量を算出する慣性質量算出工程と、
算出された前記慣性質量に基づいて、ドア変位-ドア操作エネルギー曲線を算出するドア変位-ドア操作エネルギー曲線算出工程と、
作成された前記ドア変位-ドア操作エネルギー曲線に基づいて、前記ドア閉め損失エネルギーを算出するドア閉め損失エネルギー算出工程と、
前記第一測定条件及び前記第二測定条件により測定された前記実車データに基づいて、同一速度における前記ドア閉め損失エネルギーの差分に相当する前記基本ドアシール材損失エネルギーを算出する基本ドアシール材損失エネルギー算出工程と
を更に備える請求項2に記載のドア閉まり速度の予測方法。
【請求項4】
前記荷重試験機は、
前記ドアのそれぞれのセクションの形状に合わせて形成された荷重治具と、
前記荷重治具に相対して設けられた荷重測定部と、
前記荷重治具を所定の荷重試験速度で水平方向に沿って摺動させ、前記荷重測定部に向けて押し出し可能な摺動部と
を有する請求項1に記載のドア閉まり速度の予測方法。
【請求項5】
前記荷重測定データ解析工程は、
前記ドアシール材の当接開始からドア閉まり位置までの反力を合算し、ドアシール材損失エネルギーを算出するドアシール材損失エネルギー算出工程と、
算出された前記ドアシール材損失エネルギーとドア閉まり速度との関係からドア閉まり速度-ドアシール材損失エネルギー近似式を算出するドア閉まり速度-ドアシール材損失エネルギー近似式算出工程と、
算出された前記ドア閉まり速度-ドアシール材損失エネルギー近似式を前記ドアの寸法を反映させ、前記ドアの一枚当たりの前記ドアシール材損失エネルギー近似式を算出するドアシール材損失エネルギー近似式算出工程と
を更に備える請求項1に記載のドア閉まり速度の予測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア閉まり速度の予測方法に関する。更に詳しくは、仕様の変更等により、既存のドアシール材の形状や材質等を変更した際におけるドア閉まり速度を、実車テストを実施することなく、ドアシール材のベンチ評価で予測可能なドア閉まり速度の予測方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、主に車両用として用いられるドアシール材(車両用ドアシール材)は、可動部材としてのドア及び/または固定部材としての車両本体の車両開口部の周縁に沿って装着されている(例えば、特許文献1参照)。ドアを車両開口部に向かって近接させるドアの閉操作を行うことにより、ドア及び車両本体の間に取設されたドアシール材が両者によって挟まれた状態で弾性変形することができる。
【0003】
その結果、ドアシール材の弾性復元力(或いは弾性反発力)によって、当該ドアシール材がドアまたは車両本体に強く押し付けられることで、ドア及び車両本体の間の隙間を防ぎ、雨水の浸入等を遮断することができる。これにより、水の浸入、或いは水以外の塵や埃等の小さな夾雑物、アリ等の小さな昆虫等が車両内部へ侵入することを防いだり、車両外部の騒音や風等が侵入することを防いだりすることができる。更に走行時の風切り音等の車内への侵入を防ぎ、車内の遮音状態を保つことができるなど、ドアシール材によって運転中等のドライバーや同乗者を不快にさせることがなく、常に快適な車内空間を保つことが可能となる。
【0004】
ドアシール材の基本的な構成は、例えば、ドアや車両本体等(図示しない)に周知の固定手段(例えば、クリップ等)を介して固定されるシール基部と、当該シール基部と一体的に成形され、ドアを閉じた際にその一部が押し潰されて変形する中空構造のシール部と、シール部と一体的に成形され、シール部の外面から外方向に向かって突出した板状若しくは舌状のリップ部とを主に具備している。
【0005】
上記ドアシール材は、弾性変形可能なゴム材料を主原料として形成され、所定の温度に加熱して粘度を調整した溶融性の主原料を押出成形技術や型成形技術(射出成形技術)等の周知の樹脂成形技術を用いて所望の形状に成形することができる。なお、ドアシール材は、ドア等の周縁に沿って取設されるため、一般的に長尺状の形状を呈している。そのため、主として、押出成形技術によって形成されることが多い。また、主原料として使用される弾性変形可能なゴム材料等の樹脂材料としては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、或いはその他の熱可塑性エラストマー等が主に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-78720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に示した通り、ドアシール材をドア等に装着することは多くの利点を備えている。しかしながら、ドアを閉じる操作(以下、「ドア操作」と称す。)を行った場合のドア閉まり性に大きな影響を及ぼすことが知られている。すなわち、ドアシール材の中空部やリップ部の形状、或いはドアシール材を構成するゴム材料等の性状によって弾性反発力などに大きな違いが生じることがある。そのため、ドアシール材の仕様変更によって形状や使用するゴム材料等が異なるものとなった場合、従前のドアシール材と同じ力でドア操作を行っても当該ドアが完全に閉まらない状態となったり(所謂「半ドア」の状態)、或いは従前よりもドア操作のために多くの力が必要となったりする可能性があった。そのため、ドア操作性に違和感を覚え、乗車時や降車時において運転者等の快適性を損なう可能性があった。
【0008】
ここで、本明細書において、ドア操作においてドアに加えた力と、当該ドアが閉まるために必要なエネルギーが釣り合った点を「ドア閉まり速度」と定義する。更に、ドア閉まり速度を正確に算出するために、実車のドアに加速度計や位置センサ等の各種計測機器を取り付け、実際に種々の測定条件でドア操作を実施するテスト(実車テスト)が繰り返し行われている。その結果、上記ドア閉まり速度を正確に算出することができる。このような、実車テストは、仕様変更等によりドアに装着するドアシール材を変更した場合においてもその都度実施がなされていた。
【0009】
しかしながら、このような実車テストは、比較的大掛かりな検査設備等を必要とし、更に実車テストに要する期間が長くなり、ドア閉まり速度の算出に時間がかかることや、実車テストのための測定コストが嵩むといった問題を生じることがあった。そのため、試験室レベルでのドアシール材の試験(ベンチ評価、或いはラボ評価)によって、より簡易的にドア閉まり速度を予測し、ドア閉まり性の評価を行うことが期待されていた。
【0010】
そこで、本発明は上記実情に鑑み、評価対象となるドアシール材による実車テストを実施することなく、ベンチ評価でのドア閉まり速度を予測可能なドア閉まり速度の予測方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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