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公開番号2024070433
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022180918
出願日2022-11-11
発明の名称水蒸気発生装置、水蒸気供給システム、水蒸気発生方法、水蒸気の利用方法、水蒸気発生装置の使用方法、水蒸気発生システム
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
主分類F22D 5/00 20060101AFI20240516BHJP(蒸気発生)
要約【課題】水蒸気を安定して高精度に発生、供給することができる水蒸気発生装置、水蒸気供給システム、水蒸気発生方法、水蒸気の利用方法、水蒸気発生装置の使用方法、水蒸気発生システムの提供である。
【解決手段】
水の貯留容器13と、加熱器21を備え、貯留容器13から供給される水を気化する蒸発器11と、蒸発器11から発生する水蒸気の流量を制御する水蒸気用流量制御器25と、蒸発器11内の水位を測定する水位計31と、水位計31により測定される水位が所定値に保持されるように貯留容器13から供給される水量を制御する水用流量制御器23と、を備えた水蒸気発生装置1である。また、実際の水蒸気流量と測定、表示される水蒸気流量との関係を求め、当該関係を用いて水蒸気の流量を補正、修正するとよい。また、蒸発器内の水位が所定値に保持されるように水を供給して加熱し、気化させた水蒸気を装置の性能評価用に用いてもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水の貯留容器と、
加熱手段を備え、前記貯留容器から供給される水を気化する蒸発器と、
前記蒸発器から発生する水蒸気の流量を制御する水蒸気用流量制御器と、
前記蒸発器内の水位を測定する水位計と、
前記貯留容器から供給される水の量を制御する水用流量制御器と、
前記水位計により測定される水位が所定値に保持されるように前記水用流量制御器を制御
する水位流量制御器と
を備えたことを特徴とする水蒸気発生装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記水蒸気用流量制御器による水蒸気の流量を可変としたことを特徴とする請求項1に記載の水蒸気発生装置。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載の水蒸気発生装置と、前記水蒸気発生装置から発生する水蒸気を供給する装置とを備えたことを特徴とする水蒸気供給システム。
【請求項4】
前記水蒸気を供給する装置は、水蒸気電解セルであることを特徴とする請求項3に記載の水蒸気供給システム。
【請求項5】
前記水蒸気発生装置は、さらに、
前記蒸発器内の圧力を測定する圧力計と、
前記貯留容器の水量を測定する重量計と、
前記圧力計により測定される圧力に応じて前記水用流量制御器を制御する圧力流量制御器と、
水蒸気の流量を測定する流量測定部と
を備え、
前記水蒸気用流量制御器により水蒸気の流量を一定に保持し、かつ圧力計により測定される圧力が前記貯留容器から供給される水が全て水蒸気となる圧力である、飽和水蒸気圧より低い所定圧に保持されるように前記圧力流量制御器により前記水用流量制御器を制御するとともに、前記重量計により測定される所定時間の水の減少量と前記流量測定部で測定される水蒸気流量と水蒸気密度から、前記流量測定部で測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求める校正機能を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水蒸気発生装置。
【請求項6】
さらに前記蒸発器内の圧力を測定する圧力計と、前記貯留容器の水量を測定する重量計と、前記圧力計により測定される圧力に応じて前記水用流量制御器を制御する圧力流量制御器とを備えた請求項1または請求項2に記載の水蒸気発生装置と、
前記水蒸気発生装置から発生する水蒸気の流路に設けられ、水蒸気の流量を測定する流量計と
を備えた、水蒸気発生システムであって、
前記水蒸気用流量制御器により水蒸気の流量を一定に保持し、かつ前記圧力計により測定される圧力が前記貯留容器から供給される水が全て水蒸気となる圧力である、飽和水蒸気圧より低い所定圧に保持されるように前記圧力流量制御器により前記水用流量制御器を制御するとともに、前記重量計により測定される所定時間の水の減少量と前記流量計で測定される水蒸気流量と水蒸気密度から、前記流量計で測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求める校正機能を備えたことを特徴とする水蒸気発生システム。
【請求項7】
水を蒸発器に供給して加熱し、気化させることで水蒸気を発生させる水蒸気発生方法において、
蒸発器から発生する水蒸気の流量を制御するとともに、蒸発器内の水位を測定し、測定値が所定値に保持されるように蒸発器に水を供給することを特徴とする水蒸気発生方法。
【請求項8】
前記水蒸気の流量を可変に制御することを特徴とする請求項7に記載の水蒸気発生方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の水蒸気発生方法により発生した水蒸気を、水蒸気を使用する装置の性能評価に用いることを特徴とする水蒸気の利用方法。
【請求項10】
前記水蒸気を使用する装置として、水蒸気電解セルを用いることを特徴とする請求項9に記載の水蒸気の利用方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気電解による水素製造分野の他、食品製造、半導体製造等の分野において、水蒸気を安定して高精度に供給するための水蒸気発生装置、水蒸気供給システムおよび水蒸気発生方法、水蒸気の利用方法、水蒸気発生装置の使用方法、水蒸気発生システムに関するものである。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
水蒸気は、水蒸気電解(水蒸気(水)を電気分解することにより水素(H

)と酸素(O

)を製造する方法)による水素製造分野や、食品製造、半導体製造等の分野などの様々な分野で利用されている。特に、水蒸気電解は、循環型社会を実現するための中心的な水素製造技術の一つとして注目されている。水蒸気電解による水素製造分野では、水蒸気電解セルは700-1000℃で蒸気を電気分解し水素を発生させる電解セルであり、従来の水電解と比較して高効率で水素を生成させることができるため、再生可能エネルギー等からの高効率水素製造技術として世界中で精力的に研究が進められている。例えば、水蒸気電解による水素製造分野の一例として、燃料電池システムにおいては、水蒸気を用いて燃料を改質させることで、水素リッチとなった改質ガスを燃料電池本体に供給している。
【0003】
このような燃料電池システムへの水蒸気の供給に関し、特許文献1には、燃料電池への供給ガス路に、流量コントロール弁、ガス加熱器、混合器、供給ガス温度調整器を配置するとともに、混合器に過熱蒸気発生器が蒸気流量調整弁を介して連通接続してある燃料電池のガス供給装置が記載されている。また、特許文献2には、内部に収容された所定の水位を有する水を気化する蒸発器と、該蒸発器に供給する水を一旦貯留する貯留容器と、該貯留容器の水位が前記蒸発器の水位に連動するように前記蒸発器と前記貯留容器とを連結する連通管と、前記貯留容器内の水位が下降した際に水を補充する水供給手段とを具備した水蒸気供給装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-273222号公報
特開2006-155982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した水蒸気の改質反応においては、燃料と水蒸気の割合を正確に制御する必要があるため、水蒸気を安定して高精度に供給する必要がある。このことは、水蒸気を使用する他の分野においても同様である。また、水蒸気電解セルの開発に当たっては、開発されたセルの性能評価と開発を繰り返し、性能を向上させることが重要である。そして、性能評価では、単セル、小規模スタックレベルの規模の被試験体に原料の水蒸気を正確な流量で安定に供給し、必要に応じて水素等他のガス種とともに流量を迅速、柔軟に変化させることなどが重要である。しかしながら、小流量の水蒸気を精度よく安定に供給し、かつ必要に応じて迅速、柔軟に変化させることは難しい。
【0006】
本発明の課題は、このような問題を解決することであり、水蒸気を安定して高精度に発生、供給することができる水蒸気発生装置、水蒸気供給システムおよび水蒸気発生方法、そのような水蒸気の利用方法を提供することである。また、このような水蒸気発生装置の使用方法、水蒸気発生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有する。
(1)水の貯留容器と、加熱手段を備え、前記貯留容器から供給される水を気化する蒸発器と、前記蒸発器から発生する水蒸気の流量を制御する水蒸気用流量制御器と、前記蒸発器内の水位を測定する水位計と、前記貯留容器から供給される水の量を制御する水用流量制御器と、前記水位計により測定される水位が所定値に保持されるように前記水用流量制御器を制御する水位流量制御器とを備えた水蒸気発生装置である。
(2)前記(1)に記載の水蒸気発生装置と、前記水蒸気発生装置から発生する水蒸気を供給する装置とを備えた水蒸気供給システムである。
(3)前記水蒸気発生装置は、さらに、前記蒸発器内の圧力を測定する圧力計と、前記貯留容器の水量を測定する重量計と、前記圧力計により測定される圧力に応じて前記水用流量制御器を制御する圧力流量制御器と、水蒸気の流量を測定する流量測定部とを備え、前記水蒸気用流量制御器により水蒸気の流量を一定に保持し、かつ圧力計により測定される圧力が前記貯留容器から供給される水が全て水蒸気となる圧力である、飽和水蒸気圧より低い所定圧に保持されるように前記圧力流量制御器により前記水用流量制御器を制御するとともに、前記重量計により測定される所定時間の水の減少量と前記流量測定部で測定される水蒸気流量と水蒸気密度から、前記流量測定部で測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求める校正機能を備えた、前記(1)に記載の水蒸気発生装置である。
(4)さらに前記蒸発器内の圧力を測定する圧力計と、前記貯留容器の水量を測定する重量計と、前記圧力計により測定される圧力に応じて前記水用流量制御器を制御する圧力流量制御器とを備えた前記(1)に記載の水蒸気発生装置と、前記水蒸気発生装置から発生する水蒸気の流路に設けられ、水蒸気の流量を測定する流量計とを備えた、水蒸気発生システムであって、前記水蒸気用流量制御器により水蒸気の流量を一定に保持し、かつ前記圧力計により測定される圧力が前記貯留容器から供給される水が全て水蒸気となる圧力である、飽和水蒸気圧より低い所定圧に保持されるように前記圧力流量制御器により前記水用流量制御器を制御するとともに、前記重量計により測定される所定時間の水の減少量と前記流量計で測定される水蒸気流量と水蒸気密度から、前記流量計で測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求める校正機能を備えた水蒸気発生システムである。
(5)水を蒸発器に供給して加熱し、気化させることで水蒸気を発生させる水蒸気発生方法において、蒸発器から発生する水蒸気の流量を制御するとともに、蒸発器内の水位を測定し、測定値が所定値に保持されるように蒸発器に水を供給する水蒸気発生方法である。
(6)前記(5)に記載の水蒸気発生方法により発生した水蒸気を、水蒸気を使用する装置の性能評価に用いる水蒸気の利用方法である。
(7)水を蒸発器に供給して加熱し、気化させることで水蒸気を発生させる水蒸気発生方法において、貯留容器から蒸発器に水を供給して、蒸発器から発生する水蒸気流量を測定し、測定される水蒸気流量が一定となるように水蒸気の流量を制御し、かつ蒸発器内の圧力を測定して貯留容器からの供給水が全て水蒸気となる圧力である、飽和水蒸気圧より低い所定圧に保持されるように蒸発器に供給する水の量を制御するとともに、所定時間の貯留容器の水の減少量を測定して、当該減少量と前記測定される水蒸気流量と水蒸気密度から、前記測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求めた後、前記測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との誤差が一定以上の場合は水蒸気の流量を修正制御して、前記(5)に記載の方法により水蒸気を発生させる水蒸気発生方法である。
(8)前記(3)に記載の水蒸気発生装置を、前記校正機能により前記流量測定部で測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求めた後、前記重量計を外して又は設置した状態で、別の流量計の校正用の標準器として使用する、水蒸気発生装置の使用方法である。
(9)前記(1)に記載の水蒸気発生装置から発生する水蒸気の流路に水蒸気の流量を測定する流量計を設け、前記水蒸気用流量制御器により水蒸気の流量を一定に保持し、かつ蒸発器内の圧力を測定し、圧力が前記貯留容器から供給される水が全て水蒸気となる圧力である、飽和水蒸気圧より低い所定圧に保持されるように前記貯留容器から供給される水の量を水用流量制御器により制御するとともに、前記貯留容器内の所定時間の水の減少量を測定し、前記減少量と前記流量計で測定される水蒸気流量と水蒸気密度から、前記流量計で測定される水蒸気流量と実際の水蒸気流量との関係を求める、水蒸気発生装置の使用方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水蒸気を安定して高精度に発生、供給することができる水蒸気発生装置、水蒸気供給システムおよび水蒸気発生方法、そのような水蒸気の利用方法を提供することができる。また、このような水蒸気発生装置の使用方法、水蒸気発生システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施の形態に係る水蒸気発生装置の構成図である。
モード1に関する部分を抜粋した水蒸気発生装置の構成図である。
図2の水蒸気発生装置の動作フローの一例である。
モード2に関する部分を抜粋した水蒸気発生装置の構成図である。
図4の水蒸気発生装置の動作フローの一例である。
水蒸気の流量制御の一例である(実施例1)。
水蒸気の流量制御の一例である(実施例2)。
水蒸気用流量制御器の下流に別の流量計を設置した場合の水蒸気発生装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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