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公開番号
2024067808
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-17
出願番号
2022178149
出願日
2022-11-07
発明の名称
吹付用水硬性組成物
出願人
花王株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
28/02 20060101AFI20240510BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】吹付機の配管及びノズルへの付着性を抑制でき、吹付用水硬性組成物を吹付けたときに発生する粉塵量を低減する、吹付用水硬性組成物を提供する。
【解決手段】水硬性粉体、細骨材、(A)ポリエチレンオキシド〔以下、(A)成分という〕、任意に(B)粘土鉱物〔以下、(B)成分という〕及び水を含有し、前記細骨材と(B)成分は、前記細骨材と(B)成分の合計含有量100gあたり、JIS Z2451:2019に準じて測定されたメチレンブルーの合計吸着量が0.37mmol以上である、吹付用水硬性組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水硬性粉体、細骨材、(A)ポリエチレンオキシド〔以下、(A)成分という〕、任意に(B)粘土鉱物〔以下、(B)成分という〕及び水を含有し、前記細骨材と(B)成分は、前記細骨材と(B)成分の合計含有量100gあたり、JIS Z2451:2019に準じて測定されたメチレンブルーの合計吸着量が0.37mmol以上である、吹付用水硬性組成物。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
(A)成分を、水硬性粉体に対して、0.001質量%以上0.4質量%以下含有する、請求項1に記載の吹付用水硬性組成物。
【請求項3】
(A)成分は、その2.0質量%水溶液の粘度が、25℃で10mPa・s以上あり、その0.5質量%水溶液の粘度が、25℃で410mPa・s以下である、請求項1又は2に記載の吹付用水硬性組成物。
【請求項4】
(B)成分の膨潤度が、15mL/2g以上50mL/2g以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物。
【請求項5】
(B)成分を、水硬性粉体に対して、0.03質量%以上7質量%以下含有する、請求項1~4の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物。
【請求項6】
(B)成分を、細骨材に対して、0.010質量%以上1.90質量%以下含有する、請求項1~5の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物。
【請求項7】
前記吹付用水硬性組成物に含まれる水硬性粉体の含有量に対する水の含有量の割合(水/水硬性粉体)が、30質量%以上70質量%以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物を対象表面に吹き付ける、吹付工法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹付用水硬性組成物及び吹付用水硬性組成物を用いた吹付工法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために、急結材をコンクリートに配合した急結性コンクリートや急結性モルタルを用いた吹付工法が行われている。この工法は、通常、掘削工事現場に設置した、セメント、骨材及び水の計量混合プラントで吹付コンクリートを調製し、それをアジテータ車で運搬・吹付け機に移送する。そして、吹付コンクリートと急結材を、吹付け機のポンプで吹付コンクリートを吐出口まで空気圧送するラインと、その途中に設けた合流管で急結材を他方から空気圧送するラインとで合流混合し、急結性吹付コンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹き付ける工法である。
【0003】
特許文献1には、セメント、ベントナイト、細骨材及び水を組成とする配合物からなる吹付けコンクリートにおいて、ベントナイト質量のセメント質量に対する比率を20質量%以下とする、ベントナイト配合吹付けコンクリートが開示されている。そして、このベントナイト配合吹付けコンクリートが、粉塵発生を抑さえ、吹き付け時のリバウンドを減少させることが開示されている。
特許文献2には、粘土鉱物とアルミニウム含有物質を含有してなるスランプ低減用吹付混和剤が開示されている。そして、このスランプ低減用吹付混和剤が、吹付時のセメントコンクリートのスランプを大幅に低減し、ダレを防止でき、コテ仕上げを行うのに適度な硬さに調整できることが開示されている。
特許文献3には、セメント、水、骨材及び固体状のポリエチレンオキサイドを混合して水硬性組成物を製造し、この水硬性組成物に、固体状の急結材を混合して、吹付用水硬性組成物を製造し、吹付用水硬性組成物を対象物に吹き付ける、吹付工法が開示されている。
特許文献4には、セメント、細骨材、ポリエチレングリコールを含有する急結性コンクリートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-026598号公報
特開2001-322850号公報
特開2019-64909号公報
特開2003-146716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吹付用水硬性組成物は、強い圧力で地山などに吹付けられるため、吐出口からの吹付用水硬性組成物のミスト(主成分は吹付用水硬性組成物中の砂やセメント、以下粉塵と呼ぶ)又は地山へ吹付用水硬性組成物が衝突した際に跳ね返る粉塵が発生するが、作業環境向上の観点から、この粉塵量の低減が望まれている。
また、吹付用水硬性組成物は急結材を添加し数秒程度で硬化が始まるため、吹付機の配管及びノズルに付着し易く連続的に作業を行うと徐々に堆積し、吹付用水硬性組成物の吐出量低下や、吐出量が不安定になり脈動する現象が発生し作業性が悪くなってしまう。その際は、配管及びノズルを清掃すれば解消するが、清掃頻度が高まることで作業効率が著しく低下する。近年リニア新幹線等の大型物件等では、作業効率の改善が望まれている。
本発明は、吹付機の配管及びノズルへの付着性を抑制でき、吹付用水硬性組成物を吹付けたときに発生する粉塵量を低減する、吹付用水硬性組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水硬性粉体、細骨材、(A)ポリエチレンオキシド〔以下、(A)成分という〕、任意に(B)粘土鉱物〔以下、(B)成分という〕及び水を含有し、前記細骨材と(B)成分は、前記細骨材と(B)成分の合計含有量100gあたり、JIS Z2451:2019に準じて測定されたメチレンブルーの合計吸着量が0.37mmol以上である、吹付用水硬性組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、上記の吹付用水硬性組成物を対象表面に吹き付ける、吹付工法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吹付機の配管及びノズルへの付着性を抑制でき、吹付用水硬性組成物を吹付けたときに発生する粉塵量を低減する吹付用水硬性組成物及び吹付工法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の吹付用水硬性組成物の評価に用いた評価装置の概略を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、吹付用水硬性組成物に関し、特に、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルや、地山掘削、盛土などにより形成される法面において、急結コンクリートや急結モルタルを吹付ける際に使用するセメント混和材、セメント組成物、及びそれを用いた吹付工法に関する。なお、本発明でいう吹付用水硬性組成物はセメントモルタルやセメントコンクリートを総称するものである。
(【0011】以降は省略されています)
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