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公開番号2024062541
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2022170431
出願日2022-10-25
発明の名称ゴムと路面とのシミュレーション方法及びプログラム
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B60C 19/00 20060101AFI20240501BHJP(車両一般)
要約【課題】得られる摩擦係数の計算精度が高いゴムと路面とのシミュレーション方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ゴムと路面とのシミュレーション方法は、コンピュータで数値解析可能な要素で構成されたゴムを表し、かつ粘弾性特性が付与されたゴムモデルと、路面を表す路面モデルとの接触解析における荷重と相対移動速度とを決定して、ゴムモデルと路面モデルとの接触解析を実施し、ゴムモデルと路面モデルとを荷重方向と直交する方向に移動させて、荷重方向と直交する方向の反力と、接触圧を得る。スケール縮小率に従って縮小したゴムモデルと路面モデルとを作成し、接触圧に基づいて決定された荷重を用いて第2の工程~第7の工程を繰り返して実行して、荷重と反力とを用いて摩擦係数を算出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ゴムを表す、コンピュータで数値解析可能な要素で構成され、かつ粘弾性特性が付与されたゴムモデルと、路面を表す、前記コンピュータで数値解析可能な要素で構成された路面モデルとの接触解析における荷重と相対移動速度とを決定する第1の工程と、
前記ゴムモデルと前記路面モデルとの前記接触解析を実施する第2の工程と、
前記ゴムモデルと前記路面モデルとを前記相対移動速度で、荷重方向と直交する方向に相対的に移動させる第3の工程と、
前記ゴムモデルと前記路面モデルとの前記相対的な移動により、前記ゴムモデルと前記路面モデルとの間に生じた、前記荷重方向と直交する前記方向の反力を得る第4の工程と、
前記ゴムモデルと前記路面モデルとの前記相対的な移動により、前記ゴムモデルと前記路面モデルとの接触部に生じた接触圧を得る第5の工程と、
スケール縮小率に従って縮小したゴムモデルと路面モデルとを作成する第6の工程と、
前記接触圧に基づいて、縮小した前記ゴムモデルと前記路面モデルとの接触解析における前記荷重を決定する第7の工程と、
前記第7の工程で決定された前記荷重を用いて、前記第2の工程~前記第7の工程を繰り返して実行する第8の工程と、
前記各ゴムモデルでの前記荷重と、前記荷重方向と直交する前記方向の前記反力とを用いて摩擦係数を算出する第9の工程とを有する、ゴムと路面とのシミュレーション方法。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記第8の工程において、2回以上のスケールの縮小を行い、前記第2の工程~前記第7の工程を繰り返して実行する、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項3】
前記ゴムモデル又は前記路面モデルの最大スケールが1000mm以下であり、最小スケールが0.1μm以上である、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項4】
前記路面モデルは、一部が曲線を用いてモデル化されている、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項5】
前記路面モデルは、実路面の表面形状を計測して得られる変位又は座標値を用いてモデル化されている、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項6】
前記ゴムモデルの前記荷重方向と直交する前記方向の長さは、前記ゴムモデルと前記路面モデルとの接触長さの2~20倍である、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項7】
前記ゴムモデルの厚さは、前記路面モデルの最大振幅の5~20倍である、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項8】
前記路面モデルは、前記ゴムモデルとの接触領域に複数の凹凸を有し、前記ゴムモデルと前記路面モデルの接触領域において、前記路面モデルの複数の前記凹凸のうち、両端の凸部以外の反力を、前記第9の工程における前記摩擦係数の算出に用いる、請求項1~7のいずれか1項に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項9】
前記ゴムモデルは、タイヤのトレッドゴムの物性値の情報が付与されている、請求項1に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いたゴムと路面とのシミュレーション方法及びプログラムに関し、特に、数値解析を用いてゴムと路面との摩擦係数を求めるシミュレーション方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
現在、タイヤを試作することなくタイヤの性能を予測、評価するために、コンピュータを用いた有限要素法(FEM)等の数値解析を利用してタイヤのシミュレーションが行われている。
具体的には、タイヤを有限要素法によりモデル化したタイヤモデルに内圧充填処理をし、路面モデルに設定した負荷荷重で接地させる処理をし、さらに、タイヤモデルを転動させる処理を行う。この時、路面モデルとタイヤモデルの間には摩擦係数が付与される。これにより、タイヤの転がり抵抗、コーナリング特性、制駆動特性、又は摩耗特性を予測評価することができる。
このようなタイヤモデルを用いたタイヤのシミュレーションにおいて、摩擦係数には予め設定された値が与えられる場合が多い。また、タイヤと路面との間の摩擦係数の値は、シミュレーションの計算結果が実測値に合うように設定されることもある。
しかしながら、上述のように摩擦係数を設定する場合、トレッドゴムの種類が変化すると粘弾性特性も変わるため、計算結果が実測値と合うように摩擦係数の値を試行錯誤して、摩擦係数を再設定する必要がある。
【0003】
このため、例えば、特許文献1には、タイヤと路面との間の摩擦係数を用いてコンピュータがタイヤのシミュレーションを行う際に、摩擦係数の値を、シミュレーションの計算結果が実測値に合うように設定する必要がなく、ゴムの粘弾性特性を利用して摩擦係数の値を設定してシミュレーションを行うタイヤのシミュレーション方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021‐133815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1では、タイヤと路面との間の摩擦係数を用いてコンピュータが行うタイヤのシミュレーション方法を、コンピュータが、タイヤのトレッドゴムと同じ粘弾性特性を有するゴムが路面と接するときのゴムの接地圧、及びゴムが路面に対して滑り速度を持って滑るときのゴムの滑り速度、に対する摩擦係数の値の関係をマップ化したゴム摩擦情報を取得し、タイヤのシミュレーションを行うとき、タイヤが路面と接するときのタイヤの接地面の各位置における接地圧の情報及び接地面の各位置における路面に対する滑り速度の情報から、ゴム摩擦情報を用いて接地面の各位置における摩擦係数を計算し、計算した摩擦係数を用いてタイヤのシミュレーションを行っている。
【0006】
上述の特許文献1では、ミクロモデルの解析によって得られた摩擦係数をマクロモデルへ入力して解析を行うが、接触させるための荷重の決め方について具体的な記載がなく、ミクロモデルで得られた情報(摩擦係数)をマクロモデルに伝達して解析しているため、計算精度を担保することが困難である。
タイヤと路面との間の摩擦係数はタイヤの基本的な性能指数でためその予測ニーズは高く、数学的モデル又は数値解析を用いて摩擦係数を予測する試みがなされているが、十分な計算精度で摩擦係数を得ることができないのが現状である。
本発明の目的は、得られる摩擦係数の計算精度が高いゴムと路面とのシミュレーション方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、発明[1]は、ゴムを表す、コンピュータで数値解析可能な要素で構成され、かつ粘弾性特性が付与されたゴムモデルと、路面を表す、コンピュータで数値解析可能な要素で構成された路面モデルとの接触解析における荷重と相対移動速度とを決定する第1の工程と、ゴムモデルと路面モデルとの接触解析を実施する第2の工程と、ゴムモデルと路面モデルとを相対移動速度で、荷重方向と直交する方向に相対的に移動させる第3の工程と、ゴムモデルと路面モデルとの相対的な移動により、ゴムモデルと路面モデルとの間に生じた、荷重方向と直交する方向の反力を得る第4の工程と、ゴムモデルと路面モデルとの相対的な移動により、ゴムモデルと路面モデルとの接触部に生じた接触圧を得る第5の工程と、スケール縮小率に従って縮小したゴムモデルと路面モデルとを作成する第6の工程と、接触圧に基づいて、縮小したゴムモデルと路面モデルとの接触解析における荷重を決定する第7の工程と、第7の工程で決定された荷重を用いて、第2の工程~第7の工程を繰り返して実行する第8の工程と、各ゴムモデルでの荷重と、荷重方向と直交する方向の反力とを用いて摩擦係数を算出する第9の工程とを有する、ゴムと路面とのシミュレーション方法である。
【0008】
発明[2]は、第8の工程において、2回以上のスケールの縮小を行い、第2の工程~第7の工程を繰り返して実行する、発明[1]に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
発明[3]は、ゴムモデル又は路面モデルの最大スケールが1000mm以下であり、最小スケールが0.1μm以上である、発明[1]又は[2]に記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
発明[4]は、路面モデルは、一部が曲線を用いてモデル化されている、発明[1]~[3]のいずれか1つに記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【0009】
発明[5]は、路面モデルは、実路面の表面形状を計測して得られる変位又は座標値を用いてモデル化されている、発明[1]~[4]のいずれか1つに記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
発明[6]は、ゴムモデルの荷重方向と直交する方向の長さは、ゴムモデルと路面モデルとの接触長さの2~20倍である、発明[1]~[5]のいずれか1つに記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
発明[7]は、ゴムモデルの厚さは、路面モデルの最大振幅の5~20倍である、発明[1]~[6]のいずれか1つに記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
【0010】
発明[8]は、路面モデルは、ゴムモデルとの接触領域に複数の凹凸を有し、ゴムモデルと路面モデルの接触領域において、路面モデルの複数の凹凸のうち、両端の凸部以外の反力を、第9の工程における摩擦係数の算出に用いる、発明[1]~[7]のいずれか1つに記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
発明[9]は、ゴムモデルは、タイヤのトレッドゴムの物性値の情報が付与されている、発明[1]~[8]のいずれか1つに記載のゴムと路面とのシミュレーション方法。
(【0011】以降は省略されています)

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