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公開番号2024072508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-28
出願番号2022183358
出願日2022-11-16
発明の名称ゴム材料の設計方法およびシステム
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類G16C 20/70 20190101AFI20240521BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成を、効率的に取得できるゴム材料の設計方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ゴム材料の設計方法を実行する設計システム1において、演算装置2は、ポリマーの部分構造を単分子として扱い、非ポリマーをその原料の単分子又はその原料の原料粒子として扱い、単分子及び原料粒子の夫々を素材として、データ取得装置8を用いて取得した入力データ10に基づいて、各加硫ゴムを各素材によってモデル化し、各ゴム特徴量データ20を作成し、作成した各ゴム特徴量データと入力データとを学習データとして用いた機械学習によって構築された物性予測モデルにより、各候補の組成データで組成された各対象加硫ゴムのゴム物性データを算出し、生成した各候補の中からゴム物性データが目標値に近似する候補を選択し、選択した候補の組成データを、目標値を満足するゴム材料の組成データとして取得する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原料ゴムのポリマーと添加剤とを構成原料として含み、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成を取得するゴム材料の設計方法において、
前記構成原料に含まれるポリマーについてはその部分構造を単分子として扱い、前記構成原料に含まれる非ポリマーについては、その原料の単分子またはその原料の原料粒子として扱い、前記単分子および前記原料粒子のそれぞれを素材として、
多数種類の前記素材の組成量が設定された組成データが異なる多数種類のゴム材料についての前記組成データと複数種類のゴム物性データと、それぞれの前記素材の特徴を示す特徴量を複数種類の特徴について備える素材特徴量データと、を入力データとして、
前記入力データに基づいて、それぞれの前記ゴム材料をそれぞれの前記素材によって構成されたモデルとしてモデル化するデータ処理を演算装置により行って、それぞれの前記ゴム材料の特徴を前記素材特徴量データでの前記特徴で表して、それぞれの前記ゴム材料の前記特徴を示す総特徴量が設定されたゴム特徴量データを作成し、
作成したそれぞれの前記ゴム特徴量データと前記入力データとを学習データとして用いる機械学習によって前記演算装置により物性予測モデルを構築し、
それぞれの前記ゴム材料の前記組成データとは異なっている組成データを候補として複数生成し、前記物性予測モデルを用いて前記演算装置によりデータ処理することにより、それぞれの前記候補の組成データで組成されたゴム材料のゴム物性データを算出し、生成したそれぞれの前記候補の中から、算出した前記ゴム物性データが前記目標値に近似する前記候補を選択し、この選択した前記候補の組成データを、前記所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成データとして取得するゴム材料の設計方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記学習データでは、前記ゴム特徴量データの前記特徴の中から選択された所定数の候補特徴を示す前記総特徴量が用いられており、
前記ゴム特徴量データと前記目標値に関する前記ゴム物性データに基づいて前記演算装置によりデータ処理することにより、前記目標値に関する前記ゴム物性データの変化に対する影響度が基準よりも高い前記特徴の中から前記所定数の特徴を前記候補特徴として選択する請求項1に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項3】
複数の前記候補の生成と生成したそれぞれの前記候補の組成データで組成されたゴム材料のゴム物性データの算出とを前記演算装置により繰り返しデータ処理することにより、算出した前記ゴム物性データが前記目標値に近似する前記候補を探索する請求項1または2に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項4】
選択した前記候補を前記演算装置によりデータ処理することにより、それぞれの前記候補の中から類似度に基づいて代表対象加硫ゴムを選択して、選択したそれぞれの代表対象加硫ゴムの組成データを前記所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成データとして取得する請求項1または2に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項5】
前記候補の組成データの生成には、前記候補に用いる前記素材の種類を制約する制約条件を用いて、その制約条件を満足する前記組成データを前記候補として生成する請求項1に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項6】
前記候補の組成データの生成には、構築した前記物性予測モデルを用いて算出された前記ゴム物性データの評価指標を用いる請求項1または5に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項7】
前記素材特徴量データは、前記多数種類のゴム材料についての前記組成データに存在していない多数種類の素材に関する特徴を示す特徴量を複数種類の特徴について備える請求項1に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項8】
前記素材特徴量データでの前記特徴量は、化学分析データ、分子構造データ、および、画像データを用いて算出される請求項1に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項9】
前記画像データを用いて得られる前記素材に関する特徴は、前記単分子および前記原料粒子の粒子径、その粒子径の分散、凝集体の大きさ、その凝集体のアスペクト比を含む請求項8に記載のゴム材料の設計方法。
【請求項10】
演算処理部と記憶部と入力部と出力部とを有する演算装置により、原料ゴムのポリマーと添加剤とを構成原料として含んでいて、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成が取得されるゴム材料の設計システムにおいて、
前記構成原料に含まれるポリマーについてはその部分構造が単分子として扱われて、前記構成原料に含まれる非ポリマーについてはその原料の単分子またはその原料の原料粒子として扱われて、前記単分子および前記原料粒子のそれぞれを素材として、
多数種類の前記素材の組成量が設定された組成データが異なる多数種類のゴム材料についての前記組成データと複数種類のゴム物性データと、それぞれの前記素材の特徴を示す特徴量を複数種類の特徴について備える素材特徴量データと、を入力データとして、
前記演算装置は、前記入力データに基づいて、それぞれの前記ゴム材料をそれぞれの前記素材によって構成されたモデルとしてモデル化して、それぞれの前記ゴム材料の特徴を前記素材特徴量データでの前記特徴で表して、それぞれの前記ゴム材料の前記特徴を示す総特徴量が設定されたゴム特徴量データを作成するデータ処理と、
作成したそれぞれの前記ゴム特徴量データと前記入力データとを学習データとして用いる機械学習によって物性予測モデルを構築するデータ処理と、
それぞれの前記ゴム材料の前記組成データとは異なっている組成データを候補として複数生成し、前記物性予測モデルを用いて、それぞれの前記候補で組成されたゴム材料の前記ゴム物性データを算出するデータ処理と、
生成したそれぞれの前記候補の中から、算出した前記ゴム物性データが前記目標値に近似する前記候補を選択して、この選択した前記候補の組成データを、前記所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成データとして取得するデータ処理と、を行う構成にしたゴム材料の設計システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム材料の設計方法およびシステムに関し、より詳しくは、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成を、効率的に取得できるゴム材料の設計方法およびシステムに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ゴム材料は、原料ゴムのポリマーと各種添加剤を構成原料として含んでいる。これら構成原料の種類や配合量に応じてゴム材料のゴム物性は変化する。そのため、目標とするゴム物性を有する所望のゴム材料を得るには、構成材料の配合(種類および配合量)を適切に設定する必要がある。構成材料の配合を異ならせて多数種類のゴム材料を製造し、これらゴム材料のゴム物性を測定する従来手法では、所望のゴム材料を得るには多大な試行錯誤が必要になる。
【0003】
近年、機械学習によって構築された予測モデルを利用してゴム材料の材料特性を予測する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で提案されている方法では、ゴム材料を構成する特定素材(構成原料)の特性値に基づいてゴム材料の特定性能(ゴム物性)の予測値が予測される。この特定素材の特性値を変更することに伴って、ゴム物性の予測値を変化させることができるので(特許文献1の段落〔0123〕~〔0126〕などを参照)、この予測値を特定性能の目標値に近似させるには、担当者が特定素材の特性値を繰り返し変更する作業が必要になる。また、どの特定素材のどのような特性値をどの程度変更するのかは担当者の経験やスキルに依存する。そのため、目標とする特定性能を有するゴム材料の組成を効率的に取得するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-088015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成を、効率的に取得できるゴム材料の設計方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明のゴム材料の設計方法は、原料ゴムのポリマーと添加剤とを構成原料として含み、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成を取得するゴム材料の設計方法において、前記構成原料に含まれるポリマーについてはその部分構造を単分子として扱い、前記構成原料に含まれる非ポリマーについては、その原料の単分子またはその原料の原料粒子として扱い、前記単分子および前記原料粒子のそれぞれを素材として、多数種類の前記素材の組成量が設定された組成データが異なる多数種類のゴム材料についての前記組成データと複数種類のゴム物性データと、それぞれの前記素材の特徴を示す特徴量を複数種類の特徴について備える素材特徴量データと、を入力データとして、前記入力データに基づいて、それぞれの前記ゴム材料をそれぞれの前記素材によって構成されたモデルとしてモデル化するデータ処理を演算装置により行って、それぞれの前記ゴム材料の特徴を前記素材特徴量データでの前記特徴で表して、それぞれの前記ゴム材料の前記特徴を示す総特徴量が設定されたゴム特徴量データを作成し、作成したそれぞれの前記ゴム特徴量データと前記入力データとを学習データとして用いる機械学習によって前記演算装置により物性予測モデルを構築し、それぞれの前記ゴム材料の前記組成データとは異なっている組成データを候補として複数生成し、前記物性予測モデルを用いて前記演算装置によりデータ処理することにより、それぞれの前記候補の組成データで組成されたゴム材料のゴム物性データを算出し、生成したそれぞれの前記候補の中から、算出した前記ゴム物性データが前記目標値に近似する前記候補を選択し、この選択した前記候補の組成データを、前記所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成データとして取得することを特徴とする。
【0007】
本発明のゴム材料の設計システムは、演算処理部と記憶部と入力部と出力部とを有する演算装置により、原料ゴムのポリマーと添加剤とを構成原料として含んでいて、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成が取得されるゴム材料の設計システムにおいて、前記構成原料に含まれるポリマーについてはその部分構造が単分子として扱われて、前記構成原料に含まれる非ポリマーについてはその原料の単分子またはその原料の原料粒子として扱われて、前記単分子および前記原料粒子のそれぞれを素材として、多数種類の前記素材の組成量が設定された組成データが異なる多数種類のゴム材料についての前記組成データと複数種類のゴム物性データと、それぞれの前記素材の特徴を示す特徴量を複数種類の特徴について備える素材特徴量データと、を入力データとして、前記演算装置は、前記入力データに基づいて、それぞれの前記ゴム材料をそれぞれの前記素材によって構成されたモデルとしてモデル化して、それぞれの前記ゴム材料の特徴を前記素材特徴量データでの前記特徴で表して、それぞれの前記ゴム材料の前記特徴を示す総特徴量が設定されたゴム特徴量データを作成するデータ処理と、作成したそれぞれの前記ゴム特徴量データと前記入力データとを学習データとして用いる機械学習によって物性予測モデルを構築するデータ処理と、それぞれの前記ゴム材料の前記組成データとは異なっている組成データを候補として複数生成し、前記物性予測モデルを用いて、それぞれの前記候補で組成されたゴム材料の前記ゴム物性データを算出するデータ処理と、生成したそれぞれの前記候補の中から、算出した前記ゴム物性データが前記目標値に近似する前記候補を選択して、この選択した前記候補の組成データを、前記所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成データとして取得するデータ処理と、を行う構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構成原料の各素材によってゴム材料をモデル化して、ゴム材料の特徴をその素材の特徴を用いて表すことにより、ゴム材料とそのゴム物性との複雑な関連性を簡潔に精度よく把握することができる。把握した関連性を利用して取得された組成データにより、所定のゴム物性の目標値を満足するゴム材料の組成を効率的に取得することが可能になる。
【0009】
取得される組成データは、既存のゴム材料の組成データに存在していない新たなものであることに加えて、人的な経験やスキルによる影響が排除されているので、所望のゴム材料を得るための開発作業や改良作業の効率化に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ゴム材料の設計システムの実施形態を例示する説明図である。
データセットを例示する説明図である。
素材特徴量データを例示する説明図である。
化学分析データを例示する説明図である。
分子構造データを例示する説明図である。
ゴム材料の設計方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
対象加硫ゴムの所定のゴム物性の目標値を例示する説明図である。
加硫ゴムのモデルとその総特徴量を例示する説明図である。
ゴム特徴量データを例示する説明図である。
実施形態の変形例1での手順を例示するフロー図である。
候補特徴の総特徴量の決定係数を例示するグラフ図である。
物性予測モデルを用いて予測された予測値と観測値との相関性を例示するグラフ図である。
実施形態の変形例2での手順を例示するフロー図である。
クラスタリングの結果を例示する樹形図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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