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公開番号2024069840
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022180079
出願日2022-11-10
発明の名称架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法および定量化システム
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類G01N 23/04 20180101AFI20240515BHJP(測定;試験)
要約【課題】実際の架橋ゴムの網目構造をより忠実に把握して網目構造の実際の不均一性を的確に定量化する架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法および定量化システムを提供する。
【解決手段】透過型電子顕微鏡2により膨潤させた網目構造が固定化した架橋ゴムの超薄切片20の画像データ30を取得して、画像データ30における網目構造のそれぞれの網目に相当する領域39が特定されるデータ処理を演算装置3により行って、それぞれの領域39が表示される領域画像データ38を取得し、この領域画像データ38でのそれぞれの領域39の大きさを算出し、算出したそれぞれの前記領域の大きさから算出される指標に基づいて網目構造の不均一性を定量化する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
膨潤させた網目構造が固定化した架橋ゴムの超薄切片の画像データを透過型電子顕微鏡により取得し、取得した前記画像データを用いる架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法において、
前記画像データにおける前記網目構造のそれぞれの網目に相当する領域が特定されるデータ処理を演算装置により行って、それぞれの前記領域が表示される領域画像データを取得し、この領域画像データでのそれぞれの前記領域の大きさを算出し、算出したそれぞれの前記領域の大きさから算出される指標に基づいて前記網目構造の不均一性を定量化する架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記指標としてそれぞれの前記領域の大きさの分散状態を表す分散指標を用いる請求項1に記載の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法。
【請求項3】
前記指標としてそれぞれの前記領域の大きさの代表値を用いる請求項1または2に記載の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法。
【請求項4】
前記画像データをデータ処理することにより、前記画像データにおける前記網目構造を構成する分子鎖が特定されて表示される線画像データを取得し、取得した前記線画像データ以外の部分を領域群として特定し、その領域群を多数の前記領域に分割して、前記領域画像データを取得する請求項1に記載の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法。
【請求項5】
前記領域の大きさとして、前記領域の面積、円相当径、体積、および、球相当径のいずれかを用いる請求項1に記載の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法。
【請求項6】
膨潤させた網目構造が固定化した架橋ゴムの超薄切片の画像データを取得する透過型電子顕微鏡と、この透過型電子顕微鏡が取得した前記画像データを用いて架橋ゴムの網目構造の不均一性を定量化する演算装置とを備える架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化システムにおいて、
前記演算装置は、前記画像データにおける前記網目構造のそれぞれの網目に相当する領域が特定されて表示される領域画像データを取得するデータ処理と、前記領域画像データでのそれぞれの前記領域の大きさを算出するデータ処理と、算出したそれぞれの前記大きさから算出される指標に基づいて前記網目構造の不均一性を定量化するデータ処理とを行う構成である架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法および定量化システムに関し、より詳しくは、透過型電子顕微鏡により取得した画像データに基づいて実際の架橋ゴムの網目構造をより忠実に把握して網目構造の実際の不均一性を的確に定量化できる架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
架橋ゴムの架橋状態や物性は架橋ゴムの網目構造の不均一性の程度に影響を受けることが知られている。架橋ゴムの網目構造を評価する方法として、透過型電子顕微鏡を用いた計算機トモグラフィー法により架橋ゴムの超薄切片の3次元画像を取得し、取得した3次元画像から網目構造に存在する空隙部を球体近似して得られた粒径のメジアン径を用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には比較例として、透過型電子顕微鏡により架橋ゴムの超薄切片の2次元画像を取得して、取得した2次元画像から網目構造の空隙部を円近似して得られたメジアン径を用いる方法も開示されている。
【0003】
網目構造の不均一性は、網目の大きさのばらつきが大きいほど高くなる。特許文献1に記載の方法では、網目の大きさを、3次元画像では空隙部の内接球の外径を用いて近似し、2次元画像では空隙部の内接円の直径を用いて近似して把握している。しかしながら、空隙部の形状は様々な形状があることから、同じ外径の内接球、同じ直径の内接円として近似しても実際の空隙部の大きさには差異があり、異なる外径の内接球、異なる外径の内接円として近似しても実際の空隙部の大きさが同等であることもある。つまり、特許文献1に記載の方法では、近似した網目の大きさが実際の網目構造の網目の大きさから大幅に乖離することがあるため、実際の網目の大きさを精度よく把握できない。それ故、網目構造の実際の不均一性を的確に定量化するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-15022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、実際の架橋ゴムの網目構造をより忠実に把握して網目構造の実際の不均一性を的確に定量化する架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法および定量化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法は、膨潤させた網目構造が固定化した架橋ゴムの超薄切片の画像データを透過型電子顕微鏡により取得し、取得した前記画像データを用いる架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法において、前記画像データにおける前記網目構造のそれぞれの網目に相当する領域が特定されるデータ処理を演算装置により行って、それぞれの前記領域が表示される領域画像データを取得し、この領域画像データでのそれぞれの前記領域の大きさを算出し、算出したそれぞれの前記領域の大きさから算出される指標に基づいて前記網目構造の不均一性を定量化することを特徴とする。
【0007】
上記の目的を達成する本発明の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化システムは、膨潤させた網目構造が固定化した架橋ゴムの超薄切片の画像データを取得する透過型電子顕微鏡と、この透過型電子顕微鏡が取得した前記画像データを用いて架橋ゴムの網目構造の不均一性を定量化する演算装置とを備える架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化システムにおいて、前記演算装置は、前記画像データにおける前記網目構造のそれぞれの網目に相当する領域が特定されて表示される領域画像データを取得するデータ処理と、前記領域画像データでのそれぞれの前記領域の大きさを算出するデータ処理と、算出したそれぞれの前記大きさから算出される指標に基づいて前記網目構造の不均一性を定量化するデータ処理とを行う構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、領域画像データから得たそれぞれの領域の大きさが、網目構造のそれぞれの網目の大きさを忠実に表している。それぞれの領域の大きさのばらつきは架橋ゴムの網目構造の不均一さを表しており、それぞれの領域の大きさから算出される指標は架橋ゴムの網目構造の実際の不均一性をより具体的に示している。そのため、その指標を用いることで、実際の網目構造をより忠実に把握して網目構造の実際の不均一性を的確に定量化するには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化システムの実施形態を例示する説明図である。
架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
透過型電子顕微鏡により取得された画像データを例示する説明図である。
図3の画像データをデータ処理して得られた分離画像データを例示する説明図である。
図4の分離画像データをデータ処理して得られた線変換画像データを例示する説明図である。
図5の線変換画像データから領域群を特定した画像データを例示する説明図である。
図6の領域群を多数の領域に分割した領域画像データを例示する説明図である。
実施例で得られた領域の体積とその頻度を例示するグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の架橋ゴムの網目構造の不均一性の定量化方法および定量化システムを、図に示す実施形態に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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