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公開番号2024060440
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167810
出願日2022-10-19
発明の名称R-T-B系希土類磁石及びその製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01F 1/057 20060101AFI20240424BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】R-T-B系希土類磁石が軽希土類元素を含有する場合に、残留磁化の低下を抑制しつつ、保磁力向上を享受するR-T-B系希土類磁石及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本開示のR-T-B系希土類磁石100は、R2T14B型の結晶構造を有する主相10及び粒界相20を備える。主相10の平均粒径は1.0~10.0μmである。主相10はコア部12及びシェル部14を有する。シェル部14においてよりも、コア部12において、セリウム、ランタン、イットリウム、及びスカンジウムの合計含有割合が高い。コア部12においてよりも、シェル部14において、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムの合計含有割合が高い。R-T-B系希土類磁石100は0.05~0.50原子%の炭素を含有する。そして、主相10においてよりも、粒界相20において、前記炭素の含有割合が高い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Rが希土類元素であり、TがFe及びCoの少なくともいずれかであり、Bがホウ素であるR-T-B系希土類磁石であって、



14
B型の結晶構造を有する主相、及び
前記主相の周囲に存在する粒界相
を備え、
前記主相の平均粒径が、1.0~10.0μmであり、
前記主相が、コア部及び前記コア部の周囲に存在するシェル部を有し、
前記シェル部においてよりも、前記コア部において、セリウム、ランタン、イットリウム、及びスカンジウムの合計含有割合が高く、
前記コア部においてよりも、前記シェル部において、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムの合計含有割合が高く、
前記R-T-B系希土類磁石が、0.05~0.50原子%の炭素を含有し、かつ、
前記主相においてよりも、前記粒界相において、前記炭素の含有割合が高い、
R-T-B系希土類磁石。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記コア部においてよりも、前記シェル部において、炭素の含有割合が高い、請求項1に記載のR-T-B系希土類磁石。
【請求項3】
前記シェル部において、前記シェル部の構成元素全体に対し、原子%で、炭素の含有割合を[C]、ホウ素の含有割合を[B]としたとき、[C]は、0.25~0.75原子%であり、かつ、[C]/([C]+[B])は、0.04~0.10である、請求項1又は2に記載のR-T-B系希土類磁石。
【請求項4】
前記主相の平均粒径が4.0~10.0μmである、請求項1又は2に記載のR-T-B系希土類磁石。
【請求項5】
希土類磁石前駆体に改質材を拡散浸透すること、
を含み、
前記希土類磁石前駆体が、希土類元素として、セリウム、ランタン、イットリウム、及びスカンジウムからなる群より選ばれる一種以上の元素を必須で含有し、R


14
B型の結晶構造を有する主相、及び前記主相の周囲に存在する粒界相を備え、かつ、前記主相の平均粒径が1.0~10.0μmであり、
前記改質材が、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムからなる群より選ばれる一種以上の元素を90~95原子%、並びに炭素を5~10原子%含有し、かつ、
100モルの前記希土類磁石前駆体に対し、1.0~5.0モルの前記改質材を拡散浸透する、R-T-B系希土類磁石の製造方法。
【請求項6】
前記改質材が、さらに、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムからなる群より選ばれる一種以上の元素と合金化する、希土類元素以外の元素を5原子%以下含有する、請求項5に記載のR-T-B系希土類磁石の製造方法。
【請求項7】
前記主相の平均粒径が4.0~10.0μmである、請求項5又は6に記載のR-T-B系希土類磁石の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、R-T-B系希土類磁石及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
R-T-B系希土類磁石(ただし、Rは希土類元素であり、TはFe及びCoの少なくともいずれかであり、Bはホウ素である。)は、主相と、主相の周囲に存在する粒界相とを備える。主相は、R


14
B型の結晶構造を有する磁性相である。この主相によって、高い残留磁化が得られる。しかし、R-T-B系希土類磁石においては、主相同士で磁化反転が発生し易く、保磁力が低下する。そこで、従来から、様々な保磁力向上策が試みられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、主相がR


14
B型の結晶構造を有し、主相の平均粒径が0.8~2.8μmであり、ホウ素の含有割合が0.71~0.86質量%以下であり、炭素の含有割合が0.13~0.34質量%以下であり、ガリウムの含有割合が0.40~1.80質量%以下であり、かつ、0.14≦[C]/([B]+[C])≦0.30([B]は原子%で表したホウ素の含有割合、[C]は原子%で表した炭素の含有割合)であるR-T-B系希土類磁石が開示されている。
【0004】
また、特許文献1には、ホウ素の含有割合を低減し、かつ、ホウ素の含有割合と炭素の含有割合のバランスを調整することにより、主相の粒径が小さい場合においても、厚い粒界相を形成して、主相同士を磁気的に分断し、保磁力を向上することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-157834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたR-T-B系希土類磁石では、磁気の発現に寄与しない炭素を、比較的多く含有するため、保磁力の向上には寄与するものの、残留磁化の低下が避けられなかった。
【0007】
R-T-B系希土類磁石の中で、性能と価格のバランスに優れ、最も一般的であるのは、Nd-Fe-B系希土類磁石(ネオジム磁石)である。そのため、Nd-Fe-B系希土類磁石が急速に普及して、Ndの使用量が急激に増加し、将来的にはNdの使用量が生産量を上回る可能性がある。このことから、Ndの一部を、Ce、La、Y、及びScなどの軽希土類元素に置換する試みがなされている。
【0008】
しかし、Ndの一部を軽希土類元素で置換すると、残留磁化及び保磁力が低下するため、実用上問題ないように種々の手段を講じて、軽希土類元素を用いている。このことから、R-T-B系希土類磁石が軽希土類元素を含有する場合、保磁力の向上を意図して、特許文献1に開示されたR-T-B系希土類磁石のように、炭素を比較的多く添加すると、残留磁化の低下が深刻になる。
【0009】
本開示は、上記課題を解決するものである。すなわち、本開示は、R-T-B系希土類磁石が軽希土類元素を含有する場合に、残留磁化の低下を抑制しつつ、保磁力の向上を享受できるR-T-B系希土類磁石及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示のR-T-B系希土類磁石及びその製造方法を完成させた。本開示のR-T-B系希土類磁石及びその製造方法は、次の態様を含む。
〈1〉Rが希土類元素であり、TがFe及びCoの少なくともいずれかであり、Bがホウ素であるR-T-B系希土類磁石であって、



14
B型の結晶構造を有する主相、及び
前記主相の周囲に存在する粒界相
を備え、
前記主相の平均粒径が、1.0~10.0μmであり、
前記主相が、コア部及び前記コア部の周囲に存在するシェル部を有し、
前記シェル部においてよりも、前記コア部において、セリウム、ランタン、イットリウム、及びスカンジウムの合計含有割合が高く、
前記コア部においてよりも、前記シェル部において、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムの合計含有割合が高く、
前記R-T-B系希土類磁石が、0.05~0.50原子%の炭素を含有し、かつ、
前記主相においてよりも、前記粒界相において、前記炭素の含有割合が高い、
R-T-B系希土類磁石。
〈2〉前記コア部においてよりも、前記シェル部において、炭素の含有割合が高い、〈1〉項に記載のR-T-B系希土類磁石。
〈3〉前記シェル部において、前記シェル部の構成元素全体に対し、原子%で、炭素の含有割合を[C]、ホウ素の含有割合を[B]としたとき、[C]は、0.25~0.75原子%であり、かつ、[C]/([C]+[B])は、0.04~0.10である、〈1〉又は〈2〉項に記載のR-T-B系希土類磁石。
〈4〉前記主相の平均粒径が4.0~10.0μmである、〈1〉又は〈2〉項に記載のR-T-B系希土類磁石。
〈5〉希土類磁石前駆体に改質材を拡散浸透すること、
を含み、
前記希土類磁石前駆体が、希土類元素として、セリウム、ランタン、イットリウム、及びスカンジウムからなる群より選ばれる一種以上の元素を必須で含有し、R


14
B型の結晶構造を有する主相、及び前記主相の周囲に存在する粒界相を備え、かつ、前記主相の平均粒径が1.0~10.0μmであり、
前記改質材が、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムからなる群より選ばれる一種以上の元素を90~95原子%、並びに炭素を5~10原子%含有し、かつ、
100モルの前記希土類磁石前駆体に対し、1.0~5.0モルの前記改質材を拡散浸透する、R-T-B系希土類磁石の製造方法。
〈6〉前記改質材が、さらに、ネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムからなる群より選ばれる一種以上の元素と合金化する、希土類元素以外の元素を5原子%以下含有する、〈5〉項に記載のR-T-B系希土類磁石の製造方法。
〈7〉前記主相の平均粒径が4.0~10.0μmである、〈5〉又は〈6〉項に記載のR-T-B系希土類磁石の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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