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公開番号2024065489
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174376
出願日2022-10-31
発明の名称磁性基体の製造方法
出願人太陽誘電株式会社
代理人個人
主分類H01F 1/24 20060101AFI20240508BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 Feの含有比率が高い軟磁性金属粒子を含む磁性基体を製造する。
【解決手段】一実施形態における磁性基体の製造方法は、各々がFe及びFeよりも酸化しやすい元素Aを含有する複数の軟磁性金属粉を85%以上の充填率で含む成型体を得る工程と、この成型体を加熱することで、前記複数の軟磁性金属粉の各々の表面に、Feの酸化物及び元素Aの酸化物を含む絶縁膜を形成する加熱工程と、を備える。加熱工程における加熱後の軟磁性金属粉におけるFeの含有率は、加熱工程における加熱前の軟磁性金属粉におけるFeの含有率よりも高い。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
各々がFe及びFeよりも酸化しやすい元素Aを含有する複数の軟磁性金属粉を85%以上の充填率で含む成型体を得る工程と、
前記成型体を加熱することで、前記複数の軟磁性金属粉の各々の表面に、Feの酸化物及び前記元素Aの酸化物を含む絶縁膜を形成する加熱工程と、
を備え、
前記加熱工程における加熱後の前記軟磁性金属粉におけるFeの含有率は、前記加熱工程における加熱前の前記軟磁性金属粉におけるFeの含有率よりも高い、
磁性基体の製造方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記加熱工程において加熱された後の前記軟磁性金属粉におけるFeの含有率は、95wt%以上である、
請求項1に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項3】
前記元素Aは、Al及びTiの少なくとも一方である、
請求項1又は2に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項4】
前記複数の軟磁性金属粉の各々は、Feよりも酸化しやすい元素Bをさらに含有し、
前記絶縁膜は、前記元素Bの酸化物を含む、
請求項1又は2に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁膜は、前記複数の軟磁性金属粉の各々の表面の一部である第1表面領域を覆い前記元素Aの酸化物を主成分とする第1酸化物領域と、前記複数の軟磁性金属粉の各々の表面のうち前記第1表面領域とは異なる第2表面領域を覆い前記元素Bの酸化物を主成分とする第2酸化物領域と、を含む、
請求項4に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項6】
前記元素Bは、Siである、
請求項4に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項7】
前記複数の軟磁性金属粉の各々は、Feよりも酸化しやすい元素Cをさらに含有し、
前記絶縁膜は、前記元素Cの酸化物を含む、
請求項4に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜は、元素Cの酸化物を主成分として含む第3酸化物領域をさらに含む、
請求項7に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項9】
前記第3酸化物領域は、主成分としてFeCr
2

4
を含有する、
請求項8に記載の磁性基体の製造方法。
【請求項10】
前記第3酸化物領域は、前記第1酸化物領域の径方向外側にある、
請求項8に記載の磁性基体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、主に、磁性基体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
コイル部品において、軟磁性材料から構成された複数の軟磁性金属粒子を含む軟磁性基体が用いられている。軟磁性基体に含まれる軟磁性金属粒子の各々の表面は絶縁膜で覆われており、隣接する軟磁性金属粒子同士は、当該絶縁膜を介して結合している。軟磁性基体は、フェライトから構成される磁性基体よりも磁気飽和が起こりにくいという特徴を有するため、大電流が流れる回路で使用されるコイル部品での使用に特に適している。
【0003】
軟磁性金属粒子は、例えば、Feを主成分とする軟磁性材料から構成される。このようなFeを主成分とするFe基の軟磁性金属粒子を作製するための原料粉は、磁気特性や絶縁特性の改善のために、Feに加えてSi、Cr、Al等の添加元素を含む。
【0004】
磁性基体は、軟磁性材料からなる原料粉を樹脂と混合して混合樹脂組成物を生成し、この混合樹脂組成物を加熱することで作製される。加熱処理時には、原料粉粒子に含まれる添加元素(例えば、Si、Cr、Al)が各原料粉粒子の表面に移動して酸化される。また、原料粉に含有されるFeも酸化される。このため、軟磁性金属粒子の表面には、原料粉に含まれる元素の酸化物を含む絶縁性の酸化被膜が形成される。この酸化被膜により、隣接する軟磁性金属粒子間が電気的に絶縁される。
【0005】
特許文献1には、軟磁性金属粒子間の耐電圧性を高めるために、軟磁性金属粒子の表面に4層の酸化物層が積層された絶縁膜を有する磁性基体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-158261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の磁性基体において、軟磁性金属粒子の表面に設けられる絶縁膜には、Fe酸化物を主成分とする酸化物層が含まれている。このFe酸化物は、原料粉に含まれるFeが酸化することで生成される。従来の磁性基体においては、軟磁性金属粒子の表面を層状のFe酸化物層が被覆しており、このFe酸化物層により軟磁性金属粒子間の絶縁を確保している。特許文献1の図3によれば、Fe酸化物を含む第2酸化物層及び第4酸化物層に含まれるFe元素のカウント値は、軟磁性金属粒子の内部(横軸が0の位置)におけるFe元素のカウント値の半分程度であるから、特許文献1の磁性基体において、第2酸化物層及び第4酸化物層には、原料粉に由来するFe酸化物が多く含まれていることが分かる。
【0008】
従来の磁性基体においては、軟磁性金属粒子を囲む絶縁膜に原料粉に含有されていたFeに由来するFe酸化物を多く含有しているため、軟磁性金属粒子におけるFeの含有比率が、原料粉に含まれるFeの含有比率と比べて低下する。原料粉には、Fe以外の添加元素(例えば、SiやCr)も含まれており、軟磁性金属粒子の表面には、これらの添加元素の酸化物も生成されるが、酸素が多い雰囲気(例えば、大気中)において原料粉を加熱すると、原料粉に大量に含まれているFeの酸化物が多く生成されるため、軟磁性金属粒子におけるFeの含有比率は、原料粉に含まれるFeの含有比率と比べて低下する。
【0009】
磁性基体を構成する軟磁性金属粒子におけるFeの含有比率が高めることにより、当該磁性基体の磁気飽和特性(直流重畳特性)を向上させることができるため、軟磁性金属粒子におけるFeの含有比率を高めることが望まれる。しかしながら、従来の磁性基体においては、原料粉のFeを酸化させることで生成されるFe酸化物層により軟磁性金属粒子の表面が覆われているため、このFe酸化物層を形成するために原料粉に含まれるFeが大量に酸化されてしまう。このため、軟磁性金属粒子におけるFeの含有比率を高めることが難しいという問題がある。
【0010】
本明細書において開示される発明の目的は、上述した問題の少なくとも一部を解決又は緩和することである。本発明のより具体的な目的の一つは、Feの含有比率が高い軟磁性金属粒子を含む磁性基体の製造方法を提供することである。
(【0011】以降は省略されています)

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