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公開番号2024060295
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167593
出願日2022-10-19
発明の名称ガラス物品の製造方法及び製造装置
出願人日本電気硝子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 5/027 20060101AFI20240424BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】溶融ガラスの液面を覆う被覆層の温度低下を抑制し、溶融ガラスの液面レベルを安定化させ、ガラス物品の生産効率を向上させる。
【解決手段】ガラス物品の製造方法は、溶融炉1内に収容された溶融ガラスGmに浸漬された電極3による加熱により、ガラス原料Grを溶解して溶融ガラスGmを得る溶融工程を含む。溶融炉1は、溶融炉1の天井壁1cを保温する断熱層8を備える。溶融工程では、溶融ガラスGmの液面LSを覆うバッチ層Ga及び泡層Gbを含む被覆層Gxを形成すると共に、断熱層8により天井壁1cの最低温度を600~1100℃に保温する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶融炉の上流側から前記溶融炉内に収容された溶融ガラス上にガラス原料を供給する供給工程と、前記溶融ガラスに浸漬された電極による加熱により、前記ガラス原料を溶解して前記溶融ガラスを得る溶融工程と、前記溶融炉の下流側から前記溶融ガラスを排出する排出工程とを備えるガラス物品の製造方法であって、
前記溶融炉は、前記溶融炉の天井壁を保温する保温構造を備え、
前記溶融工程では、前記溶融ガラスの液面を覆うバッチ層及び泡層を含む被覆層を形成すると共に、前記保温構造により前記天井壁の最低温度を600~1100℃に保温することを特徴とするガラス物品の製造方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記保温構造は、前記天井壁の外側に設けられた断熱層を備える請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項3】
前記保温構造は、抵抗加熱器を備える請求項1又は2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項4】
前記保温構造は、誘導加熱器を備える請求項1又は2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項5】
前記溶融工程は、前記天井壁の温度を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された前記天井壁の温度に基づいて前記保温構造による保温温度を調整する調整工程とをさらに備える請求項1又は2に記載のガラス物品の製造方法
【請求項6】
前記天井壁の最低温度が、前記溶融炉の上流側よりも下流側で高い請求項1又は2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項7】
溶融ガラスを内部に収容する溶融炉を備えるガラス物品の製造装置であって、
前記溶融炉は、前記溶融炉の前壁に設けられ、前記溶融ガラス上にガラス原料を供給する供給機と、前記溶融ガラスに浸漬され、前記ガラス原料を加熱して溶解する電極と、前記溶融炉の後壁に設けられ、前記溶融ガラスを排出する排出口と、前記溶融炉の天井壁を保温する保温構造とを備え、
前記保温構造は、前記天井壁の最低温度を600~1100℃に保温するように構成されていることを特徴とするガラス物品の製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス物品の製造方法及び製造装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス繊維や板ガラスなどのガラス物品の製造方法には、例えば、溶融炉の上流側から溶融炉内に収容された溶融ガラス上にガラス原料を供給する供給工程と、ガラス原料を溶解して溶融ガラスを得る溶融工程と、溶融炉の下流側から溶融ガラスを排出する排出工程とが含まれる。
【0003】
溶融工程では、例えば、溶融ガラスに浸漬された電極による加熱(通電)により、ガラス原料を溶解して溶融ガラスを得る場合がある。このように電極による加熱を用いる場合、溶融炉の熱効率を向上させる観点から、溶融ガラスの液面をガラス原料に由来する被覆層で覆って、溶融ガラスからの放熱を抑制することがある(例えば、特許文献1を参照)。ここで、被覆層は、ガラス原料から形成されるバッチ層と、ガラス原料の溶解に伴って形成される泡層とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2019/054385号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶融ガラスの液面を被覆層で覆う場合、被覆層は、ガラス原料を溶解する過程で、被覆層や溶融ガラス中から発生するガスが十分に抜ける温度(粘度)である必要がある。一方、ガラス物品の生産効率を向上させるためにガラス流量を増加させる場合、ガラス溶融炉へのガラス原料の供給量を多くする必要がある。
【0006】
しかしながら、ガラス原料の供給量を多くすると、溶融ガラスの液面を覆う被覆層が、温度の低い未溶解のガラス原料を必然的に多く含むことになる。その結果、被覆層の温度が低下し、被覆層からガスが抜けにくくなる。このように被覆層からガスが抜けにくくなると、溶融ガラスの液面レベルが不安定となり、ガラス物品の生産効率が悪くなるという問題が生じうる。
【0007】
本発明は、溶融ガラスの液面を覆う被覆層の温度低下を抑制し、溶融ガラスの液面レベルを安定化させ、ガラス物品の生産効率を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記の課題を解決するために創案された本発明は、溶融炉の上流側から溶融炉内に収容された溶融ガラス上にガラス原料を供給する供給工程と、溶融ガラスに浸漬された電極による加熱により、ガラス原料を溶解して溶融ガラスを得る溶融工程と、溶融炉の下流側から溶融ガラスを排出する排出工程とを備えるガラス物品の製造方法であって、溶融炉は、溶融炉の天井壁を保温する保温構造を備え、溶融工程では、溶融ガラスの液面を覆うバッチ層及び泡層を含む被覆層を形成すると共に、保温構造により天井壁の最低温度を600~1100℃に保温することを特徴とする。
【0009】
保温構造により天井壁の最低温度が600℃未満になると、溶融ガラスの液面を覆う被覆層の温度が低下し、被覆層からガスが抜けにくくなる。一方、保温構造により天井壁の最低温度が1100℃超となると、被覆層(例えば泡層)の一部が消失するなどして、溶融炉の熱効率が著しく低下するおそれがある。これに対し、保温構造により天井壁の最低温度を600~1100℃に保温すれば、被覆層を安定した状態で維持しつつ、天井壁の熱によって、被覆層の温度低下を抑制できる。したがって、溶融ガラスの液面レベルを安定化させ、ガラス物品の生産効率を向上させることができる。
【0010】
(2) 上記の(1)の構成において、保温構造は、天井壁の外側に設けられた断熱層を備えていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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