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公開番号2024064628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173366
出願日2022-10-28
発明の名称光ファイバ用ガラス母材の製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人
主分類C03B 37/014 20060101AFI20240507BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】簡便な焼結パラメータの調整で、不透明なガラス部位や伸びの発生を抑制可能な光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供する
【解決手段】コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する光ファイバ用多孔質母材準備ステップと、光ファイバ用多孔質母材を焼結装置の炉心管内に垂下する焼結準備ステップと、ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを炉心管内に流入させながら、ヒータをコアロッドの一端の側から他端の側に相対的に移動させながら光ファイバ用多孔質母材を加熱することで透明ガラス化して光ファイバ用ガラス母材を得る焼結ステップと、を実行し、焼結ステップにおいて、ヒータを光ファイバ用多孔質母材に対して相対的に移動させる過程で、混合ガス中のハロゲン系ガスの濃度を低下させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する光ファイバ用多孔質母材準備ステップと、
前記光ファイバ用多孔質母材を焼結装置の炉心管内に垂下する焼結準備ステップと、
ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを前記炉心管内に常時流入させ、ヒータを前記コアロッドの一端の側から他端の側に相対的に移動させながら前記光ファイバ用多孔質母材を加熱することで透明ガラス化して光ファイバ用ガラス母材を得る焼結ステップと、
を実行し、
前記焼結ステップにおいて、前記ヒータを前記光ファイバ用多孔質母材に対して相対的に移動させる過程で、前記混合ガス中の前記ハロゲン系ガスの濃度を低下させる光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記焼結ステップの実行開始時の前記ハロゲン系ガスの濃度をC

、前記コアロッドの前記他端が前記ヒータの鉛直方向の中点を通過する時点での前記ハロゲン系ガスの濃度をC

としたとき、0.25×C

≦C

≦0.5×C

である請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
【請求項3】
前記コアロッドの長さをL、前記ハロゲン系ガスの濃度の低下を開始する、前記コアロッドの前記他端からの距離をHとしたとき、0.05×L≦H≦0.30Lである請求項2に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
【請求項4】
前記光ファイバ用多孔質母材の垂下時において、前記コアロッドの前記一端が前記コアロッドの下端であり、前記他端が前記コアロッドの上端である請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
【請求項5】
前記ヒータによる加熱温度が1400~1650℃である請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
【請求項6】
前記ハロゲン系ガスが塩素又は四塩化ケイ素である請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
【請求項7】
前記不活性ガスがヘリウム、窒素又はアルゴンである請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ用多孔質母材を脱水及び焼結して光ファイバ用ガラス母材とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバ用ガラス母材は、ガラス微粒子を種棒などに堆積することにより製造される光ファイバ用多孔質母材を、脱水及び焼結して透明ガラス化することにより製造される。光ファイバ用多孔質母材の代表的な製造方法としては、VAD法、MCVD法、OVD法などが挙げられる。これらの製造方法は、それぞれの利点を踏まえ複合的に採用することができる。例えば、VAD法によりコアとクラッドの一部を含む種棒を製造し、製造された種棒の外周にOVD法でクラッドの残余部を形成することで光ファイバ用多孔質母材を製造してもよい。
【0003】
特許文献1には、コアを含む種棒の外周に、OVD法でクラッド部分となるガラス微粒子を堆積することで光ファイバ用多孔質母材を製造し、製造された光ファイバ用多孔質母材を焼結装置内に垂下し加熱することで脱水及び焼結して光ファイバ用ガラス母材を製造する方法が記載されている。
【0004】
このように製造された光ファイバ用ガラス母材には、内部に透明ガラス化が不十分な部分が残存することがある。そこで、透明ガラス化を促進すべく焼結装置での加熱温度を上げることが考えられるが、加熱温度を上げ過ぎると、加熱により生じる軟化の影響で、透明ガラス化が進行している部分が当該部分より下方の部分の重量による荷重で引き伸ばされる。その結果、製造される光ファイバ用ガラス母材が、焼結前の光ファイバ用多孔質母材より長くなったり、母材の上端側と下端側とで直径が異なったりするおそれがあり、これにより、母材を焼結装置から取り出せない、焼結装置が破損する、又は所望の特性が得られないといった問題が生じうる。
【0005】
特許文献1では、このような問題の解決方法として、加熱位置が母材の下端側から上端側に移動するにしたがい、(1)ガラス化温度を低下させる、(2)加熱位置の移動速度を低下させる、(3)ヘリウムガスの流量を減少させる、といった複数の手法を組み合わせる方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-81657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の問題解決方法は、ガラス化温度、加熱位置の移動速度及びガスの流量という3つのパラメータを組み合わせて最適化を図る複雑なものであり、これらのパラメータを工場内に多数設置される焼結装置ごとに、装置の特徴に合わせて最適化し管理することは困難である。
【0008】
本発明の目的は、簡便な焼結パラメータの調整で、不透明なガラス部位や伸びの発生を抑制可能な光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法は、コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する光ファイバ用多孔質母材準備ステップと、光ファイバ用多孔質母材を炉心管内に垂下する焼結準備ステップと、ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを炉心管内に常時流入させ、ヒータをコアロッドの一端の側から他端の側に相対的に移動させながら光ファイバ用多孔質母材を加熱することで透明ガラス化して光ファイバ用ガラス母材を得る焼結ステップと、を実行し、焼結ステップにおいてヒータを光ファイバ用多孔質母材に対して相対的に移動させる過程で、混合ガス中のハロゲン系ガスの濃度を低下させる。
【0010】
焼結ステップの実行開始時のハロゲン系ガスの濃度をC

、コアロッドの他端がヒータの鉛直方向の中点を通過する時点でのハロゲン系ガスの濃度をC

としたとき、0.25×C

≦C

≦0.5×C

としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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