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公開番号2024080064
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192947
出願日2022-12-01
発明の名称ガラス物品の製造方法
出願人日本電気硝子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 17/06 20060101AFI20240606BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】
ガラス物品を製造するにあたり、薄型のガラスリボンを下方に搬送しながら徐冷炉内で徐冷する際に、ガラスリボンの割れの防止と反りの抑制との双方を実現すること。
【解決手段】
ガラスリボン5を成形する成形工程P1と、ガラスリボン5を下方に搬送しながら徐冷炉8内で徐冷する徐冷工程P2とを備えたガラス物品の製造方法について、徐冷炉8内に、ガラスリボン5を搬送する第一搬送ローラーCR1と第二搬送ローラーCR2とを上下方向に距離Lを空けて配置し、徐冷工程P2では、第一搬送ローラーCR1をガラスリボン5の一方面S1に接触させると共に、第二搬送ローラーCR2をガラスリボン5の他方面S2に接触させながら、ガラスリボン5を搬送するようにした。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ガラスリボンを成形する成形工程と、
前記ガラスリボンを下方に搬送しながら徐冷炉内で徐冷する徐冷工程と、
を備えたガラス物品の製造方法であって、
前記徐冷炉内に、前記ガラスリボンを搬送する第一搬送ローラーと第二搬送ローラーとを上下方向に距離を空けて配置し、
前記徐冷工程では、前記第一搬送ローラーを前記ガラスリボンの一方面に接触させると共に、前記第二搬送ローラーを前記ガラスリボンの他方面に接触させながら、前記ガラスリボンを搬送することを特徴とするガラス物品の製造方法。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
上下方向に平行な方向から観察したときに、前記第一搬送ローラーと前記第二搬送ローラーとが前記ガラスリボンの厚み方向にて重複するように、前記両搬送ローラーを配置したことを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項3】
前記第一搬送ローラーの軸線から前記第二搬送ローラーの軸線までの上下方向に沿った距離(mm)をLとし、
前記第一搬送ローラーと前記第二搬送ローラーとが前記ガラスリボンの厚み方向にて重複した長さ(mm)をDとしたとき、
L/Dの値が30~200であることを特徴とする請求項2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項4】
前記ガラスリボンの歪点をT[℃]としたとき、
前記第一搬送ローラー及び前記第二搬送ローラーを、前記徐冷炉内で(T-100℃)以上の温度にある領域に配置したことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガラス物品の製造方法。
【請求項5】
前記ガラスリボンを介して前記第一搬送ローラーと対向すると共に、前記ガラスリボンとの間に隙間を形成する第一ガイドローラーを配置し、且つ、
前記ガラスリボンを介して前記第二搬送ローラーと対向すると共に、前記ガラスリボンとの間に隙間を形成する第二ガイドローラーを配置したことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガラス物品の製造方法。
【請求項6】
前記ガラスリボンの厚みが300μm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガラス物品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラスリボンを成形する成形工程と、ガラスリボンを下方に搬送しながら徐冷炉内で徐冷する徐冷工程と、を備えたガラス物品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス物品の一種であるガラス板を製造するための手法として、オーバーフローダウンドロー法に代表されるダウンドロー法が知られている。同手法では、ガラス板の元となるガラスリボンを成形する成形工程を実行したのち、ガラスリボンを下方に搬送しながら徐冷炉内で徐冷する徐冷工程を実行する。この徐冷工程の実行によりガラスリボンの内部歪が除去される。その後、ガラスリボンを所定の長さ毎に切断する切断工程等を経ることでガラス板が製造される。
【0003】
徐冷工程でガラスリボンを搬送する形態の一例としては、徐冷炉内にて上下複数段に配置されたローラー対によりガラスリボンを挟みながら搬送する形態が挙げられる。ローラー対は、ガラスリボンの一方面に接触するローラーと、他方面に接触するローラーとからなり、両ローラーでガラスリボンを厚み方向に挟むことが可能である。ローラー対は、上下複数段の各段において、ガラスリボンの幅方向の一方側と他方側との各々に配置される。これにより、一方側および他方側のローラー対が、ガラスリボンの幅方向両端部をそれぞれ挟むようになっている。
【0004】
近年ガラス板の薄型化が推進されている。これに伴ってダウンドロー法により成形されるガラスリボンについても薄型化が進んでいる。しかしながら、薄型のガラスリボン(例えば、厚みが300μm以下)について、上述の搬送形態の下で徐冷工程を実行した際には、ガラスリボンが割れてしまう場合があった。これは、ローラー対によりガラスリボンを挟んでいることで、割れの起点となるマイクロクラック等の微小傷がガラスリボンに形成されてしまうことに起因している。
【0005】
上述したガラスリボンの割れへの対策として、特許文献1に開示されているように、徐冷炉(同文献ではアニーラ5)内ではローラー対によりガラスリボンを挟まずに搬送する形態とすることが考えられる。同形態において、徐冷炉内に配置されたローラー対(ローラー対を構成する両ローラー)は、ガラスリボンとの間に隙間を形成した状態で、ガラスリボンの下方への搬送を案内している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-87004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された搬送形態では、ガラスリボンの割れを防止できる反面、ガラスリボンの反り(幅方向に沿った反り)が大きくなりやすいという問題がある。これは、ガラスリボンの幅方向両端部がローラー対で挟まれていないことで、ガラスリボンが張りのない状態で徐冷されて収縮していくことに由来している。このような事情から、薄型のガラスリボンの割れを防止できるのみでなく、反りについても抑制できる技術の確立が期待されていた。
【0008】
上述の事情に鑑みて解決すべき技術的課題は、ガラス物品を製造するにあたり、薄型のガラスリボンを下方に搬送しながら徐冷炉内で徐冷する際に、ガラスリボンの割れの防止と反りの抑制との双方を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための第1のガラス物品の製造方法は、ガラスリボンを成形する成形工程と、ガラスリボンを下方に搬送しながら徐冷炉内で徐冷する徐冷工程と、を備えた方法であって、徐冷炉内に、ガラスリボンを搬送する第一搬送ローラーと第二搬送ローラーとを上下方向に距離を空けて配置し、徐冷工程では、第一搬送ローラーをガラスリボンの一方面に接触させると共に、第二搬送ローラーをガラスリボンの他方面に接触させながら、ガラスリボンを搬送することを特徴とする。
【0010】
第1のガラス物品の製造方法では、第一および第二搬送ローラーがそれぞれガラスリボンと接触することで、両搬送ローラーの各々からガラスリボンに対して厚み方向の負荷を掛けることができ、これに伴ってガラスリボンに張りを持たせることが可能となる。その結果、ガラスリボンの反りを抑制できる。また、本製造方法では、第一および第二搬送ローラーがガラスリボンの相互に異なる面に接触する一方で、両搬送ローラーが上下方向に距離を空けて配置されている。すなわち、両搬送ローラーによりガラスリボンを厚み方向に挟んでいない。その結果、ガラスリボンの割れを防止することが可能となる。以上のとおり、本製造方法によれば、薄型のガラスリボンの割れの防止と反りの抑制との双方を実現できる。
(【0011】以降は省略されています)

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