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公開番号2024076667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188345
出願日2022-11-25
発明の名称ガラスの製造方法、及びガラス製造装置
出願人日本電気硝子株式会社
代理人個人,個人
主分類C03B 3/02 20060101AFI20240530BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】入手が容易なオルトホウ酸を利用しつつ、溶融工程におけるエネルギーの消費を低減可能にし、また、単位時間当たりのガラス製品の生産量が大幅に低下する問題を回避可能なガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスの製造方法は、ガラス原料を準備する準備工程と、準備されたガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程とを含む。準備工程では、ガラス製造装置11からの排熱を利用してオルトホウ酸からメタホウ酸を生成し、ガラス原料にメタホウ酸を含める。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス原料を準備する準備工程と、準備された前記ガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程と、を含むガラスの製造方法であって、
前記準備工程では、ガラス製造装置からの排熱を利用してオルトホウ酸からメタホウ酸を生成し、前記ガラス原料に前記メタホウ酸を含める、
ガラスの製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記排熱は、前記溶融工程に基づく排熱を利用する、
請求項1に記載のガラスの製造方法。
【請求項3】
前記排熱は、前記溶融工程とは別の溶融工程に基づく排熱を利用する、
請求項1に記載のガラスの製造方法。
【請求項4】
前記排熱は、前記ガラス製造装置における溶融炉、フィーダー、成形部、及びアニーラーのいずれか1つの煙道の排熱を利用する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
【請求項5】
前記煙道に熱交換器を配置し、前記熱交換器を介して前記メタホウ酸を生成する乾燥機に前記排熱の熱エネルギーを移動させる、
請求項4に記載のガラスの製造方法。
【請求項6】
前記熱交換器の内部を通過した空気を、前記乾燥機の乾燥容器に直接投入して前記乾燥容器を通過させる、
請求項5に記載のガラスの製造方法。
【請求項7】
前記煙道における前記熱交換器の上流側に分岐した分岐排気部を設け、前記分岐排気部から前記排熱の一部を排気することで前記熱交換器の周辺の温度を調整する、
請求項5に記載のガラスの製造方法。
【請求項8】
前記分岐排気部の排気量を調整することで、前記熱交換器の周辺の温度を調整する、
請求項7に記載のガラスの製造方法。
【請求項9】
前記乾燥機の内部が前記メタホウ酸でコーティングされている状態で前記メタホウ酸を生成する、
請求項5に記載のガラスの製造方法。
【請求項10】
前記メタホウ酸は単斜晶である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの製造方法、及びガラス製造装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ガラスの製造方法は、準備したガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程を含む。ガラス原料としては、珪素源の他にホウ素源等が調合される。ホウ素源としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、無水ホウ酸等が挙げられる。そして、例えば、特許文献1では、水分量の最も少ない無水ホウ酸をガラス原料に含めることで、溶融工程での水の蒸発に基づくエネルギーロスを抑制可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開(WO)2009/054314号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無水ホウ酸は、入手が難しいとともに非常に高価である。また、オルトホウ酸よりも含有する水分量の少ないメタホウ酸も、オルトホウ酸に比べて入手が難しいとともに高価である。オルトホウ酸は、入手が容易であるとともに安価であるものの含有する水分量が多いことから、オルトホウ酸を用いた場合では溶融工程でのエネルギーロスが大きくなるという問題がある。すなわち、ガラス原料のホウ素源としてオルトホウ酸を含めた場合では、ガラス原料を正常に溶融させるためにエネルギーの消費が増大してしまうという問題がある。また、オルトホウ酸は含有する水分量が多いため、溶融工程における初期の原料の溶解で、ホウ素源による発泡物が生成される。そして、この発泡物により、溶融炉への連続的なバッチ投入が阻害されることで、単位時間当たりのガラス製品の生産量(以下、「流量」とする)が大幅に低下する問題がある。
【0005】
本発明の目的は、入手が容易なオルトホウ酸を利用しつつ、溶融工程におけるエネルギーの消費を低減可能にするとともに、流量の大幅な低下を回避可能としたガラスの製造方法、及びガラス製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記課題を解決するガラスの製造方法は、ガラス原料を準備する準備工程と、準備された前記ガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程と、を含むガラスの製造方法であって、前記準備工程では、ガラス製造装置からの排熱を利用してオルトホウ酸からメタホウ酸を生成し、前記ガラス原料に前記メタホウ酸を含める。
【0007】
同方法によれば、ガラス製造装置からの排熱を利用してオルトホウ酸からメタホウ酸を生成するため、特に別のエネルギーを消費することなく、入手が容易なオルトホウ酸からメタホウ酸を得ることができる。そして、ガラス原料には準備工程で生成されたメタホウ酸が含まれるため、例えば、ガラス原料にメタホウ酸を用いずにオルトホウ酸を含めた場合に比べて、後の溶融工程においてエネルギーの消費を低減できる。すなわち、少ないエネルギーでガラス原料を正常に溶融することができる。よって、入手が容易なオルトホウ酸を利用しつつ、エネルギーの消費を低減することができる。また、メタホウ酸は、オルトホウ酸に比べ、含有する水分量が顕著に少ないため、メタホウ酸をホウ素源として使用することで、溶融工程の初期の原料の溶解段階で、ホウ素源に起因する発泡物の生成を抑制でき、流量が大幅に低下する問題を回避できる。
【0008】
[2]上記[1]に記載のガラスの製造方法において、前記排熱は、前記溶融工程に基づく排熱を利用することが好ましい。
同方法によれば、排熱は、同製造方法における溶融工程に基づく排熱を利用するため、例えば、他のガラス製造装置を用いることなく、1つのガラス製造装置でエネルギーの消費を低減することができる。
【0009】
[3]上記[1]に記載のガラスの製造方法において、前記排熱は、前記溶融工程とは別の溶融工程に基づく排熱を利用することが好ましい。
同方法によれば、排熱は、同製造方法における溶融工程とは別の溶融工程に基づく排熱を利用するため、例えば、排熱の利用が難しいガラス製造装置においてもメタホウ酸を用いて、溶融工程におけるエネルギーの消費を低減することができる。また、前述の流量が大幅に低下する問題を回避できる。
【0010】
[4]上記[1]から上記[3]のいずれか1つに記載のガラスの製造方法において、前記排熱は、前記ガラス製造装置における溶融炉、フィーダー、成形部、及びアニーラーのいずれか1つの煙道の排熱を利用することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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