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公開番号2024075933
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-05
出願番号2022187209
出願日2022-11-24
発明の名称シリカガラス及びその製造方法
出願人湖北工業株式会社
代理人個人
主分類C03B 20/00 20060101AFI20240529BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】 シリカガラスにおいて、幅広い波長で透過率を向上する。
【解決手段】 スラリーとして、シリカガラス粉体、溶媒、分散剤および硬化性樹脂を含むガラス原料溶液を調合する。次に、スラリーに硬化剤を添加して成形型に流し込んで硬化させる。硬化した成形体を、乾燥、脱脂した上で、塩素処理および焼結する。この際、塩素処理の温度条件としては、800℃以上1200℃以下の温度が好ましく、950℃以上1000℃以下とすることがより好ましい。また、塩素処理の時間は、1時間より長く6時間以下とすることが好ましく、2時間以上3時間以下とすることがより好ましい。こうすることにより、170~3500nmの範囲で透過率80%以上となるシリカガラスを製造することができる。
【選択図】 図1

特許請求の範囲【請求項1】
スラリーを硬化、焼結させることでシリカガラスを製造する製造方法であって、
(a)シリカガラス粉体を含むスラリーを調合するステップと、
(b)前記スラリーと硬化剤とを混合し、混合物を硬化させ成形体を形成するステップと
(c)前記成形体を焼結してシリカガラスを得るステップとを備え、
前記ステップ(c)には、塩素ガス雰囲気下で800℃以上1200℃以下の温度で焼結する塩素処理を0.5時間以上6時間以下の範囲で含む製造方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
請求項1記載の製造方法であって、
前記塩素処理を900℃以上1050℃以下の範囲で行う製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の製造方法であって、
前記塩素処理を900℃以上1000℃以下で、1時間以上4時間以下の範囲で行う製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の製造方法であって、
前記塩素処理を950℃以上1000℃以下で、2時間以上3時間以下の範囲で行う製造方法。
【請求項5】
170nm以上220nm以下の波長帯における厚さ3mm以下における透過率が70%以上、かつ220nm以上2600nm以下の波長帯の全域にわたって厚さ3mm以下における透過率が90%以上となるシリカガラス。
【請求項6】
請求項5記載のシリカガラスであって、
170nm以上220nm以下の波長帯における厚さ3mm以下における透過率が79%以上であるシリカガラス。
【請求項7】
請求項5記載のシリカガラスであって、
さらに、2600nm以上3500nm以下の波長帯における厚さ3mm以下における透過率が80%以上であるシリカガラス。
【請求項8】
請求項5記載のシリカガラスであって、
170nm以上3500nm以下の全波長帯における厚さ3mm以下における透過率が80%以上であるシリカガラス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカガラス及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
シリカガラスは、光ファイバ、LED、レンズ(医療用や撮像用等)など種々の用途に利用されている。これらの用途において光を効率的に透過させるためには、シリカガラスにおける光の透過率が高いことが望ましい。
透過率を高めるため、従来、種々の技術が提案されている。特許文献1は、焼結工程前に塩化水素ガス雰囲気下で加熱温度1 , 0 0 0 ~ 1 , 5 0 0 ℃で0. 5 ~ 5 時間の条件で処理することによりA l 、N a およびF e などを除去する純化工程を取り入れる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7101156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリカガラスが用いられている光ファイバは、情報の伝搬のみならず、光やエネルギーの伝搬にも用いられており、光ファイバの汎用性を高めるために、近年では、幅広い波長帯において高い透過率を確保することが望まれている。特に真空紫外域と呼ばれる200nm以下の波長帯域、および赤外域と呼ばれる1000~3500nmの波長帯域においても高い透過率を確保することが求められるようになってきている。レンズ(医療用や撮像用等)においても、同様である。従来、真空紫外域または赤外域で高い透過率を有する素材は存在したものの、双方の波長帯域で高い透過率を有する素材は存在しなかった。
本発明は、かかる課題に鑑み、真空紫外域から赤外域にわたって高い透過率を有するシリカガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
スラリーを硬化、焼結させることでシリカガラスを製造する製造方法であって、
(a)シリカガラス粉体を含むスラリーを調合するステップと、
(b)前記スラリーと硬化剤とを混合し、混合物を硬化させ成形体を形成するステップと、
(c)前記成形体を焼結してシリカガラスを得るステップとを備え、
前記ステップ(c)には、塩素ガス雰囲気下で800℃以上1200℃以下の温度で焼結する塩素処理を0.5時間以上6時間以下の範囲で含む製造方法とすることができる。
【0006】
塩素処理は、金属不純物やOH基を除去し、シリカガラスの透過率を向上させるための手段として従前行われていたものである。しかし、塩素処理の時間が短ければ金属不純物等を十分に除去することができず、また、塩素処理の時間が長ければ、シリカガラスにおけるSi-O-Siの構造がSi-SiやSi-O-O-Siなどの構造になってしまう構造欠陥を招くことになる。また、塩素処理における温度が低い場合、反応が生じにくくなり、金属不純物等を十分に除去することができなくなる。
即ち、真空紫外域から赤外域にわたって高い透過率を確保するためには、構造欠陥を回避しながら金属不純物等を十分に除去することが重要となる。本願の発明者は、実験の結果、上述の温度範囲および処理時間で塩素処理を行うことにより、真空紫外域から赤外域にわたって高い透過率を有するシリカガラスを製造できることを見いだした。
【0007】
本発明の製造方法においては、
前記塩素処理を900℃以上1050℃以下の範囲で行うことがより好ましい。
【0008】
また、本発明の製造方法においては、
前記塩素処理を900℃以上1000℃以下で、1時間以上4時間以下の範囲で行うことがより好ましい。
【0009】
また、本発明の製造方法においては、
前記塩素処理を950℃以上1000℃以下で、2時間以上3時間以下の範囲で行うことがより好ましい。
【0010】
本発明において、シリカガラス粉体を含むスラリーは、シリカガラス粉体の他、硬化性樹脂、分散剤、溶媒を含めても良い。シリカガラス粉体は種々の粒径のものを用いることができるが、例えば、0.1~2μmとしてもよい。硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂を用いることができる。分散剤としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液などを用いることができる。溶媒としては、蒸留水などを用いることができる。
また、本発明において、硬化剤としては、トリエチレンテトラアミンなどを用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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